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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 冒険者や傭兵が、ただ単に纏まって移動をすると目立ち過ぎるし、ましてや兵の監視対象になっているような連中だったら、即捕縛に動かれてもおかしくない。

 ちょっと事情が違うが、リアーナ領都に留まっていた教会地区の残党たちも、大人しくバラバラに潜んでいたんだ。


 戦争の影響で多少は減ったりもしているだろうが、それでもこの辺りはウチよりも他国からの商人も多い。

 他所からやって来た商人なら、メサリアの冒険者よりも、自国の人間を護衛に雇うことだってあるだろう。


 改めてテーブルに広げられた地図を見てみる。


 アルザとグラーゼ間の街道から少し離れた場所に、警戒対象が滞在する村があるが、その気になればすぐに街道まで出れるし、そこで合流しようと思えば出来るだろう。


 行きの俺たちは、船が港に到着する日時が分からないから、待ち伏せされたりしなかったが、今回は目立つ王都からの出発だ。

 俺たちから遅れて出発しても、大人数で馬車で移動する俺たちに追いつくことは難しくないだろう。


 さらに、東部と違ってこちらはそこまで強力な魔物は現れない。

 並以上の腕を持つ冒険者なら、ちょっと無理をしたら、夜間の移動も十分可能だ。


 セリアーナやリーゼルが一緒だから、俺たちは流石に途中で一泊するし、その間に追い抜いてしまえば、俺たちの情報も伝えることが可能だ。

 そして、その猶予をうまく活かせば、俺たちを待ち伏せすることだって可能だろう。


 ……まぁ、そもそもその程度の戦力でどうこう出来るとは思えないんだが、そこはもう考えても仕方が無いんだろう。

 何かに追い詰められているんだか、狂信者なんだかわからないけれど、リアーナの時の連中と違って、こちら側は閉ざされた場所で監視されているわけじゃ無いのにもかかわらず、未だに残っているんだ。

 なんかあるんだろう……多分。


「外に出る商人に護衛を付けるなとも言えんし、たとえ怪しかろうと、冒険者に護衛を引き受けるなとも言えんだろう」


「そうだね」


 じーさんの言葉に頷き、同時に、騎士団の偉そうなおっさんたちが気まずそうな顔をしている理由も分かってきた。


「街道の巡回を、今よりさらに増やしたりは出来ないんだよね?」


「ああ。1班あたりの人数を増やせば、民の往来に支障をきたすし、巡回の回数をこれ以上増やせば、流石に街を守る兵に無理がかかりすぎる。王都の騎士団ならば余裕はあるが……」


 そこまで言うと、じーさんも口を噤んだ。


「言わなくてもわかるよ。ウチの旦那様とかセリア様のために、わざわざ動かす事は出来ないんだね」


「……そうだ」


 確かにリーゼルは立派な王族だし公爵様で、セリアーナはその奥様。

 2人ともこの国の重要人物だ。


 だが、リアーナ公爵領の人間で、王都で暮らしているわけでも無いし、王家の人間でもない。

 だから、王都の騎士団を動かすわけにはいかないんだろう。


 聖貨の輸送部隊だったり、国家事業ならその限りじゃないんだろうけれど、今回はな……。

 そこまで特別扱いは出来ないってことか。

 おっさんたちが気まずそうにしているのはそのためなんだろうな。

 ちょっと無理をすれば、セリアーナたちの護衛に兵を出す事が出来るし、そもそも、この怪しい連中を捕える事だって不可能じゃないはずだしな。


 ところが、ウチが来たから連中が動くってのが前提ではあるけれど、彼等のお膝元である王都圏で、監視下にあるとはいえ、その連中を今まで放置してきていた。


 これで、リーゼルから動いてもらうように依頼でもあれば別なんだろうけれど、彼も他家に配慮して特別扱いされないように気を付けているもんな。


 互いが諸々に配慮した結果、分かっていても襲撃を防ぐことが難しくなっている。

 王都圏の治安を守っている彼等からしたら、色々気まずいんだろう。


「まー、気にしなくていいよ。セリア様も旦那様も、ウチの団長だって事情は分かっているだろうし、帰宅時はその事もしっかり考慮して準備するはずだからね」


「ああ。すまないな」


 彼等を代表してなのか、今まで黙って話を聞いていたユーゼフが、小さく頭を下げてそう言った。


「セラ、お前は確か【琥珀の盾】を持っていたな? アレは今どうしている?」


「領都を発つ時にセリア様に渡しているよ。それに、オレは普段から【風の衣】を発動した状態でセリア様の側にいるから、セリア様の守りに関しては心配いらないよ」


 さらに、セリアーナには加護もあるからな。

 ハッキリ言って、セリアーナに関しては何も心配いらない。


 そして、リーゼルはオーギュストが側にいるし、彼自身も凄腕だ。

 一緒に領地に帰還する領地の兵も精兵だし……賊如きがどうこう出来る戦力じゃ無いだろう。


「それもそうだな……。ユーゼフ、騎士団の助力が無くてもリセリア家に関しては心配いらん。それよりも話を続けよう。コレが飽きる前に終わらせなければな」


「……フッ。それもそうだな」


 そういうと、ユーゼフは周りのおっさんたちに続きを進めるよう手で指示を出した。


 何となく俺をダシに使われてしまった気もするが、お陰で部屋に漂っていた重い空気も晴れたし、話も一気に進み始めたから、まぁ……いいか。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 先に処理できればいいんだろうけど、推定有罪で処理しにいくと、疑心暗鬼がね
[一言] 話を変えるだしに使われるセラさんなのであった( ˘ω˘ )
[良い点] 900回更新乙です900話はもうちょい先 [一言] 人間要塞セラさんに隙きはないが飽きっぽいのでオチ担当
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