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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
5章・王都で色々ザックザク
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88

3日間続いた記念祭は、今日をもって無事終わりを迎えた。


初日は主に西側を含む外国との交流。

その一環で外国人の処刑があるのは、俺の価値観ではちょっと理解できなかったが、概ね盛況だった。


2日目は本祭。

この国の国宝である神剣が披露されたそうだ。

ガチャ産の剣で、雷を落とすらしい。

雲一つない真昼間にドカドカ鳴って何事かと思ったが、それの効果なんだろう。


3日目は国内の叙勲や陞爵が行われた。

まぁ、特筆すべきことは無い。


で、俺は2日目以降屋敷に引きこもっていた。

まぁね、子供の身だとやれることは少ないし、誰かを一々付き従わせるのも悪いし、どうにも人だかりは疲れる。

もっとも屋敷には来客が多かったこともあり、掃除やら皿洗いやら手伝っていた。

やってることは去年までと変わらなかったが、環境は大違いだ。


1年足らずでよくぞここまでと思う。

でもまだだ。

まだ俺は上をめざす。


「まだかしら?」


心の中での決意表明の最中にセリアーナの声が背後から割り込んできた。


「むぅ…」


記念祭は終えたが王都圏にはまだまだ国内、国外問わず貴族が滞在している。

その相手をする必要もあり明日以降も中々忙しいようで、やれる時間のあるうちにさっさと済ませておこうという事で、ガチャに挑む事にした。


セリアーナはまだ貯めるようで俺の1回分だけだが、こちとら誘拐された身だ。

今回のガチャは気合が違うぜ!


「どうせ変わらないのだからさっさとやってしまいなさい」


…水差すね。


まぁいいや。


「ほっ!」


気合を込め、聖像に聖貨を捧げる。


「ふんっ!」


今回はドラムロールの音が鳴った瞬間に即ストップだ。

さぁ、何が来るか!


淡く光るピンポン玉位の白い球体が浮いている。

アイテムだ!

そして浮かんだ言葉は【妖精の瞳】


…瞳…球体…眼球⁉


「ぬあっ⁉」


色々連想して思わずのけぞってしまった。


受け止めるべきだったろうが、それは落下しコロコロとセリアーナの寝室の前まで転がって行った。

絨毯が敷いてあるとはいえ、壊れていないよな?


「恩恵品よね?何だったの?」


「…【妖精の瞳】」


「………っ⁉」


セリアーナとエレナ。

2人とも同じ連想をしたのか似た反応の仕方だ。

転がって行ったそれを見つつも近づこうとしない。


いや…一度連想しちゃうとね?


「…ほら」


見かねたのかアレクが拾い、こちらに持って来た。


「目玉じゃねぇよ」


そう言い、放り投げてくる。

それを受け取り観察する。


大きさはピンポン玉で、色は白だが少し光沢がある。

真珠に近いだろうか?

耳元で振ってみるが音はしない。


「何かわかった?」


「わかんない」


「そう。とりあえず開放するわ。寄こしなさい」


「ほい」


セリアーナは受け取るなり、開放する。

手慣れたものだ。


「…あら?」


握った手から光が消え、開放されたアイテムが見えた。


「…?」


1センチ程の長さの筒状の物だが、指輪にしては細すぎる。

金地に唐草模様の洒落たデザインだ。


「イヤーカフね。来なさい」


イヤーって事は耳に付けるのかな?

イヤリングみたいな物か。


近づき左耳を見せると、なんかパチンときた。


「いいわよ」


多分耳に付けたんだろうけど…どうなんだ?


「なんか変わった?」


「何も変わらないわね」


耳は見えないからな…。

自分じゃわからん。


「むむむむ…!」


瞳って付いているし、何か見るんだろう。

見る能力だし、アカメの目もオンにし目に気合を込める。


「むっ⁉」


何故か耳でも目でも無く、額がほのかに熱い。


「ひっ…」


セリアーナの珍しい声がしたので彼女の方を見ると、口元を押さえ目を見開いていた。

彼女のすぐ後ろに控えていたエレナも似たような表情をしている。

2人の視線の行方を追うと、行先は俺の頭上。


見るの怖くなるじゃないか…。


「ひぇっ⁉」


意を決し頭上を見ると、血走った眼玉が俺を睨み下ろしていた。


なんじゃこりゃ?

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】・1枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・19枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【】・【赤の盾】・2枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱり魔王じゃないか!? [一言] いつもまったり楽しませてもらってます。感謝。
[一言] グロ系?誘拐されたし不意打ち防止のために防御系が当たって欲しいですねぇ…はたして効果はどんなものでしょうか?気になります。 更新お疲れ様です。応援してます。
[良い点] 遂に来たか! ゲテモノ枠!
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