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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 王都の西側は港があるからか、他の三方……特に東側に比べると、街道を巡回する兵も多い。

 街道を行き来する通行人の邪魔にならないように、一度に巡回に出る兵の数は他所と一緒らしいが、その代わり巡回の頻度が高いんだと。

 さらに、俺たちが王都にやって来た際の護衛の様に、他所の貴族の兵も連携しているそうだ。

 だから、魔物や賊の大群には対処は難しいだろうが、とにかく監視の目が多く、それらを見逃す事はないらしい。


 説明を聞いた限りでは、何の心配もいらないと思うんだが……怪しい連中を示す駒が、西側の街道から少し外れた村とかに、いくつも置いてあるんだよな。

 この状況でどうこう出来るとは思えないんだけれど……それが何かやらかす可能性があるんだろうか。


「見た感じ、こっち側は何も危ない事は無さそうなんだけど……何か気を付けるような事があるの?」


 俺の疑問に、司会やその周りに立っていたおっさんたちは、どこか困った様な表情で互いの顔を見合わせていた。

 これまで疑問には、その都度ポンポンと答えてくれていたのに、なんでか言い淀んでいる。

 ただの思いつきだったのに、この質問ってそんなに答えにくいような事なのかな?


「気を付けることか……あるだろうな」


「む」


「はて?」と首を傾げていると、彼等の代わりにじーさんが口を開いた。

 そして、駒を掴んだかと思うと、街道とその周囲に並べていった。


 置かれたのは、グラーゼの街から港のあるアルザの街にかけてだな。

 王都周辺は何も置いていない。


「王都内で動くことが出来ない以上は、狙いは帰路しかない」


「……うん」


 どうやら、セリアーナへの襲撃があるのはじーさんの中で決定しているようで、当然のようにそう言い切っている。

 そこがいまいちよくわからないんだが、周りの皆はそこに疑問を感じていないようだ。

 詳しく問いただすのは話が終わってからにして、とりあえず、今はじーさんの話を大人しく聞いておこうかな。


「だが、街中も街道でも兵の監視が厳しくて、大っぴらに戦力を動かすような事は出来ない。わかるな?」


「そうだね。ウチの団長たちは、街中でもなりふり構わないで襲い掛かってきたら、襲撃を事前に防ぐ事は出来ない……って警戒していたけれど、この分じゃ、それはまず起きそうにないよね」


 ある程度把握出来ているとは思っていたけれど、正直なところここまで厳重に監視出来る体制が整っているなんて思いもしなかった。


「それでも、なんかあんの?」


 だが……俺の言葉に頷くじーさん。

 じーさんだけじゃなくて、周りのおっさんたちや、ユーゼフたちも頷いている。


 やっぱ何か起きるのか……この状況で?


「王都内はもちろん、外に留まっている連中も把握は出来ている。タイミングを合わせて計画的な襲撃を行おうとしても、騎士団がいくらでも介入できるだろうし、まず間違いなくなにも起こさせずに、襲撃を防ぐことが出来るだろう。だが、そうはならない。わかるな?」


「うん」


「だが、言い換えれば少数のままでなら、こちら側が手を出すのは難しいという事だ」


「ふむふむ……」


 まぁ、そりゃそうだよな。


 武装した人間が一ヵ所に集まるってのは、それだけでも騎士団が介入する理由になる。

 怪しいからってだけで、仮にも他国の人間を捕えたりするのは、外聞が悪いから泳がせているのが現状だ。

 むしろ、こちら側からしたらその方が有難いくらいだろう。


 そして、その事は相手側もわかっている。

 だから、ある程度固まる人数を制限して、その分あちらこちらにバラけているんだ。


「それなら、少数のままでセリアーナの周囲をついて行けばいい」


「うん?」


 どういうこっちゃ?


「セラ殿。大陸の西部と違って、こちらでは商人の護衛は冒険者が行う事がほとんどなのです。たとえ、魔物や賊の襲撃の危険が少なくても、まともな商人ならば、街の外を移動する際には少数の冒険者を護衛に雇うものです」


 再び首を傾げていると、おっさんの一人がまた別の駒を用意してきた。


 話の流れ的に、その駒は商人を指しているんだろう。

 そして、その商人の駒と一緒に賊の駒も街道に並べていく。


「商人の護衛……あぁ。それなら俺たちの側を一緒に移動してもおかしくないのかな?」


 街の外を移動する際には、自前の護衛を雇っていようといまいと、タイミングが合えば貴族の護衛に便乗するってのは常識の様なものだ。

 誰だってやっているし、商人の護衛として街の外に出ているのなら、連中もそうする事はそこまで不審な事じゃない。

 いつの間にやら、王都の西側に置かれていた賊の駒が、全部商人とセットで街道に並べられているが……それでもこれは冒険者としてのただの仕事だもんな。


セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] そんな人たちは「居なかった」いいね?
[一言] 一列に並んでたらセラさんの一撃でイチコロよ( ˘ω˘ )
[一言] 教会と冒険者の関係がこういう形で浮上してくるとは
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