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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 じーさんたちや、周りのおっさんたちのマイルズの評価。

 それは、ちょっと文官寄り過ぎる……ってことだった。


 別にそれ自体は悪くないんだが、差し当たっての問題はクリアしたものの、それでもまだまだ国の騎士団や冒険者といった武力を必要としている。

 ところが、それを取り纏める役割である王都の屋敷の主であるマイルズが、このおっさんたちの目には、ちょっと頼りなく映っているらしい。


 マイルズかー……。

 少なくとも荒事が得意な強面には見えないが、それでも頼りないって印象は受けないが、このおっさんたちには足りなかったか。


 マイルズの姿を思い浮かべながら、ほうほう……と頷いていると、今度は再びじーさんが話を始めた。


「もちろん、この王都を任されるだけの能力はあるが、それでもリアーナという特殊な土地だとな。それに、あそこが新興の領地というのも運が無かった。本来、前任が上手く引継ぎを行うから、たとえ文官出身の者であろうと、騎士団や冒険者ギルドとの繋がりを維持出来るのだが……リアーナはな」


「出来たばっかだもんね。リアーナの王都屋敷の主は、マイルズさんが初代か……」


 なるほどなー。

 そりゃー、リアーナは当代が初代だし、指導してくれる先輩はいない以上、


「でも、ウチの旦那様はその事まで考えなかったのかな? わざわざ候補者の中から選んだって聞いてるけど……」


 どんなに優秀だとしても、王族として少し浮世離れしたところがあるリーゼルだけならともかく、現場慣れしたオーギュストも一緒に選別していたはずだ。

 マイルズの経歴や、人となりは分かっているだろうし、それでも彼に任せたのなら、その辺の問題についても、しっかり考えていると思うんだよな。


「そうだ。リーゼル殿たちも、マイルズの力がまだ不足していることは分かっていたが、それでも他に任せられる者がいなかったんだろう。だからこそ、私に補佐を依頼したのだろうな」


「……あ!? もしかして、そのために今日いたの?」


「お前の紹介も目的のうちではあったがな」


 そう言うと、じーさんはまわりのおっさんたちに視線をやった。


「彼等がこのように集まれる機会はそう無いからな。リアーナの件も纏めて一度に済ませるにはちょうど良かった」


「ほーぅ……」


 そういえば屋敷でも、東部の纏め役はしばらくの間はじーさんに任せるとか、そんな感じの事を言っていたが、それは貴族や商会に対してのものだったはずだ。

 だが、それだけじゃ無くて、リアーナの騎士団や冒険者への対応も、ミュラー家が引き受けるってことなんだろう。


 もちろん、ずっとってわけじゃ無いだろうし、じーさんが王都にいる間までだろうが……。


「じーさんの責任大きいね」


 じーさんはそもそもゼルキス領の王都での仕事を任されているんだ。

 それに加えて、面倒くさいウチの事までとなると……大変だ。


「私が王都にいる間だけだがな。精々マイルズを引き連れて鍛えてやるさ。さて……私がここにいた理由はわかっただろう? それよりも、お前の用件はなんだ? 大方、滞在中のセリアーナを狙いかねない者の情報だろうがな。オーギュスト辺りに情報を貰ってくるように言われたか?」


「あ、そうそう。よくわかったね」


 正にその通りだ。

 誰から頼まれたかとかも含めて、よくわかるよな。


「挨拶以外に君が用があるとなると、その用件は限られているからな。ある程度予測はつくさ。とりあえず、いつまでも浮いていないで、かけたらどうだ?」


 そう言うと、ゼロスは空いたままだったじーさんの隣を示した。


「お?」


 そう言えば、部屋に入ってきてからなんだかんだで、ずっとじーさんの側で浮いたままだった。

 別に困らないからついついそのままだったが、これから話をする訳だし、俺も座っておこうかね。


「んじゃ、ここに……」


【浮き玉】を抱え込むと、俺はじーさんの後ろを回り込んで、空いた席に着地した。


 ◇


 座ったところで、さっそく話を切り出そうと思ったのだが、その前にお茶の用意をすると言われ、一旦休憩となった。


 お茶の用意が出来るまで、ここでおっさんたちと雑談でもするのかな……と思ったが、騎士団本部は公的機関で、貴族のお屋敷ってわけじゃ無い。

 決して手の込んだ物を用意していたわけでも無く、用意をするように伝えてから10分ほどで、部屋に届いた。


 もちろん、偉い人が来客としてやって来る事もあるから、貴賓室の様なものも用意しているんだろうが……俺は貴族のお嬢様になったとはいえ、ここでは彼等の部下でもあるし、そこまで気を遣った対応はしないらしい。


 親衛隊の隊員の扱いは難しい……と、笑いながら言われたが、俺的にはこっちのほうが気楽でいいな!

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラさんは多少雑に扱っても問題が出ない伯爵令嬢( ˘ω˘ )
[良い点] 更新乙い [一言] どの位置か難しい扱いのセラちん いつもふわふわ浮いてるのは伊達ではないのだ
[一言] 姫が大変という話ではなくマイルズが大変という話でしたか まあ姫は奥様にくっついて帰っちゃいますしね そりゃそうだ
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