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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 とりあえず、偉いおっさんたちに挨拶を終えて、ついでにじーさんとユーゼフが、彼等に俺の紹介もやってくれた。


 名前や見た目だけは知っていても、あまり俺の環境までは知らなかったようだし、俺が彼等と関わる事はそうそう無いだろうが、それでも騎士団のお偉いさんだ。

 俺の事を知っておいてもらったら、もし何かあった際のフォローもスムーズにいくだろう。


 そんな機会ない方がいいに決まっているけどな!


 さて……それじゃあ、挨拶は一先ずこれでいいだろう。


「んでね? 話の前にいいですか?」


 今日ここにやって来た顔見せは終わり、お次はオーギュストに頼まれた用事を片付ける。

 そういきたいが、その前に聞いておきたいことが、この部屋に入った時から一つあった。


「どうした?」


 ユーゼフが聞き返してきたが、俺はそちらは見ずに、代わりにじーさんの方を向いた。


「なんでじーさんがいるの?」


「む?」


 もしかしたら俺のフォローのためなのかもしれないが、それでもわざわざその為だけに、ここにじーさんが来るとは思えないんだよな。

 何か用事があるのかもしれないが、特に何も聞いていないし、何の用なんだろう?


「さっきオレの紹介の時に、上手く補足してくれてたけど、その為だけじゃ無いでしょう?」


「ふむ……。今日はお前がここに来るとは聞いていたし、私が同席した方が、お前の話が伝わりやすいだろうとは思っているが……。もちろんそれだけではない」


「うん」


 じーさんは、周りに立つ偉そうなおっさんたちをジロっと見ると、話を再開した。


「こやつらはメサリア王国の騎士団全体の幹部で、基本的に王都に詰めてはいるが、本来は自身の領地を守る者たちだ。昔の私が同じ立場だったな」


「ほうほう」


 じーさんと同じ立場っていうと、領主一族ってことかな?

 東部の開拓で好き勝手暴れて、その後は親父さんに領主の座を譲って、王都で騎士団の仕事をしたりしながら、領地と王都の繋ぎ役の仕事をしていたそうだし。

 騎士団だけじゃなくて、国内の貴族の中でも普通に偉い人たちなのかもしれないな。


 しかし、その事がじーさんがここにいることと関係あるんだろうか?


「セラ。お前はマイルズをどう思う?」


「マイルズ? お屋敷の?」


 聞き返すと、「そうだ」と頷いている。

 周りのおっさんたちも同じく頷いているが……どう思うって聞かれてもな。


「どうって言われてもな……。真面目そう……とか?」


 まだ会ってそんなに日が経っていないし、そもそも顔を合わせること自体ほとんどない。

 それで、印象を聞かれても答えようが無いよな。


 そもそもマイルズ自体あまり印象に残らないおっさんだ。

 この「真面目そう」ってのだって、何とか当たり障りのない言葉を捻り出しただけに過ぎない。


 ところが、俺の返事を聞いたじーさんは、何故か満足そうに頷いていた。


「セラ、普段お前は私やユーゼフを見てどういった印象を受けている?」


「ぬ……」


 この二人を見てか。


 ……強面のじじい。

 これだけだな。


 だが、流石に本人たちに向かってこれを言うのは……と、言い淀んでいると、じーさんたちだけじゃなくて、周りのおっさんたちまで何やら苦笑している。


「なに」


「お前の考えていることは、わざわざ言葉に出さなくてもわかるという事だな。どうせくそ爺だのなんだの、碌でもないことを考えていたんだろう?」


「そこまでひどいことは考えてないよ……」


 見慣れたセリアーナたちならともかく、初対面のおっさんたちにも読み取られるくらい、俺の表情って分かりやすいんだろうか?


「大して変わらんだろう? まあ、いい。マイルズはお前が言うように、真面目であるし仕事も細かい事までよく気付く。文官出身だけあって、領主の代理として、王都での仕事も上手くこなせはするだろう」


 そこで話を区切ると、じーさんは小さく溜息を吐いて首を振った。


「うん。それじゃダメなん?」


 身振りや口ぶりから、不満があるのは伝わってくるが、別に悪いところはなさそうな気はするんだよな。


 どこが駄目なんだろう……と、首を傾げていると、おっさんの一人が「セラ殿」と呼んだ。

 彼が話を続けるらしい。


 しかし、この偉そうなおっさんに「殿」付けで呼ばれるのか……俺って。


「リアーナという土地は、魔境を開拓していく事を期待されている場所なのです。もちろん、東部が中心となって開拓を進めていきますが、王都からも人を送ったりしなければなりません。そして、その中には冒険者も多く含まれます」


「うん」


 まぁ、そりゃそうだよな。


「しかし、必要だからといって誰でもいいという訳ではなく、それを王都の屋敷を任される人間が、選別するわけです。それはリアーナ領だけではなく、他の領地もそうです」


「……うん」


 何となく言わんとする事が分かってきた気がするな。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] マイルズの印象…… 真面目 几帳面 融通が利かない 小心者 奥さんの尻に敷かれている←
[一言] セラさんメッチャ口が悪く?思われてた
[良い点] 更新乙い [一言] 経験を積めば割と何とかなったりするものなのでえ マイルズ君はちょっと開拓とか色々してみよう!!
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