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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 案内の彼は、会話をしたことで多少なりとも俺に慣れたのか、総長の部屋に着くまでの間、色々小ネタを披露してくれた。


 例えば、親衛隊は城に詰め所を持っていたりだとか、街を警備する隊の中の女性兵の人数だとか……。

 俺が女だからか、同性の話題が多かった。


 当たり前だが、王都はリアーナの領都よりも人口が多いし、他所の土地から訪れる者もずっと多い。

 その分、街を巡回する兵の数も他の街より多い。

 そして、それに比例して女性兵の数だって多い。


 それを聞いて、よくそんなに候補者がいるな……と思ったんだが、ウチとは募集や採用の基準がちょっと違うようだった。

 ウチの女性兵士の場合は、募集対象は領地の騎士団関係者からだが、王都の女性兵士は、王都の住民なら誰でも応募は出来るらしい。


 まぁ……ウチと違って、住民の信用度の高さだったり、街を襲う危険度だったりが違う。

 街中を巡回する兵士に期待しているのは、戦闘よりも治安維持なんだとか。

 んで、女性兵士は女性相手をメインにする。


 城や貴族街には立ち入って来る事はないそうだし、警官ってよりも警備員とかそっちの方が近いのかもしれないな。


 さて。


 お喋りをしながら、本部の奥へと移動をしていたが、ようやくお目当ての総長の部屋の前に辿り着いた。


 部屋のドアの前には、警備というよりは取り次ぎ役の軽装の兵士が一人だけいる。

 騎士団の最高幹部の部屋の守りがこれっていうのは、ちょっと薄すぎる気もするが……ここ自体が総長のホームだし、総長本人も、戦っている姿こそ見たこと無いが力はじーさん並だったのを覚えている。

 これくらいでいいのかな?


「セラ様、こちらが総長の執務室です。それでは、自分はこれで失礼します」


「うん。ありがとー」


 ここまで案内してくれた彼は一礼すると下がっていった。

 スタスタやたらと早足だが、もしかしたらここは彼にとっては苦手な場所なのかな?

 上司よりもっと上の人間の部屋だもんな……。


 しばし小さくなっていく彼を見ていたが、クルリとその場で半回転して前を向いた。


「セラ様。どうぞ」


 部屋の方を向くと、いつの間にやら総長の部屋のドアは既に開けられていた。

 ドアのすぐ正面に壁があって、外からでは部屋の中の様子はわからないが、厚い壁や黒い絨毯などで、重厚な雰囲気が伝わってくる。

 これは確かに、近付きにくい雰囲気だが……。


「ほいほい」


 今更だしな。

 軽く返事をすると、部屋の中へと入っていった。


 ◇


 部屋に入るとすぐに壁があり、そこを曲がって壁沿いに進んで行くと、また曲がり角。


 移動した距離は10メートルも無いくらいだったが、何のために……と一瞬考えてしまったが、これは防犯や警備上の問題かな?

 距離自体は大したこと無いが、壁を破るなり走り抜けるなりしても、中の人間が構えるだけの間は作れるだろう。


 なんだ。

 警備が緩いと思っていたけど、そんな事はないんだな。


 ともあれ、ようやく部屋の中が見える場所に出た。

 広い部屋で、執務用の机が複数に、応接用のテーブルとソファーも複数セット置かれている。

 会議室とまではいかないが、この部屋でもちょっとした集まりは出来そうだな。


 本部は大きな建物だし会議室も複数あるだろうが、それでも内密な話をしたりする際に、ここを使ったりするんだろう。


 ともあれ、中に向かってとりあえず一声。


「お久しぶりでーす……?」


「久しぶりだな。セラ」


「あ……うん」


 俺の声に応えたのは、部屋の主である騎士団総長ユーゼフだ。

 彼は、執務用の机ではなくて応接用の席についていた。


 相変わらずの強面のじーさんだが、今日は鎧を外している。

 テーブルに隠れて下はどんな服なのかわからないが、上はラフなシャツ姿だ。


 奥を見ると、ユーゼフ用の色々飾り紐等が付いた黒のジャケットがかかっていた。

 アレを着たらまた印象はだいぶ変わるんだろうが、今まで何度か会った際は、ほとんど鎧姿だっただけに、随分と柔和な印象を受ける。


 もっとも、顔を見たらすぐにその印象は消え去るんだけどな……!


 それよりもだ。


 ここはユーゼフの部屋だが、彼だけがいるとは思っていなかった。

 近衛隊長のゼロスや、他にも秘書役や護衛の人間がいてもおかしくはないだろう。

 あるいは、もっと無関係の者がいたって、別におかしいことではないんだ。

 なんといっても、お偉いさんの部屋だからな。


 そして、実際にゼロスを始め、偉そうな雰囲気のゴツイおっさんたちに、その彼等の補佐役と思しき、騎士というには少々細身の男性たちが部屋の中にはいた。

 部屋の中にはいた。


 ただ、中にいたのはそれだけじゃない。


「じーさんもいたの?」


 見慣れた強面のじじい。

 アリオスが、ユーゼフの向かいの席に座っていた。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] あれ、 後ろの方で「部屋の中にはいた」と言う表記が重複してますよ?編集ミス?
[一言] 事務方騎士「新しい女性騎士が誕生したと聞いていたのですが、やってきたのは空中にぷかぷかと浮かぶ装飾品をジャラジャラさせた貧弱そうな少女でした。話しかけると気が抜けるような返事をしてくるし、リ…
[良い点] 更新お疲れ様です [気になる点] ユーゼフが戦っている姿は、リアーナ領ダンジョン初回の時に見てませんでしたっけ?
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