表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

889/2046

884

「それにしても、数が多いよね……。なんでだろ?」


 今日のお客さんは、朝から合わせて合計5組だった。

 合間合間に休憩を挟んでいたが、対談ついでに5組に俺もずっと施療をしていたし、いくら加護の使い方に慣れたとはいえ、それくらいが限界だな。


 基本的に領地から動かない、発展著しいリアーナ公爵領の領主夫人との対談と、自分で言うのも何だがハイソな奥様間で評判がいい俺の施療だ。

 一石二鳥ってわけじゃ無いが、セリアーナとの対談と俺の施療をセットで行う事で、効率よく相手側に恩を与えられる。


 まぁ……俺の施療に関しては、しっかりお金を頂戴するが……その事はもう知られているし、そもそもその程度の額を高いと感じるような家の人間じゃないだろう。


 ってことで、遠慮なく貰っていたんだが、この頂き物は想定外だった。

 1組一つずつなら、頂き物の数は5個になるんだが、なんでか5組とも複数持って来たんだよな。

 お陰様で、控室の半分程が埋まってしまっている。

 全部俺宛てなんだよな……。


 その積まれた箱を見て、ついつい頭の中に浮かんだ言葉を漏らしてしまった。

 そして、その呟きが聞こえたのか、セリアーナが箱に手をかけながら説明を始めた。


「付き合いのある家から預かって来たんでしょう。大分面会の申請を断っているもの」


「……あぁ。派閥みたいなものかな?」


 今日のお客は皆高位貴族だ。

 派閥の長……とまではいかなくても、下につく家や商会が複数あってもおかしくはない。

 下位貴族とも会ってはいるが、オリアナさんと親しい家ばかりだったし、他の家は断っていたんだろう。


 俺やセリアーナの予定が、他の家にどれくらい知られているのかはわからないが、長々王都に滞在するわけじゃ無いのは分かっているだろう。

 戦争以来リーゼルも領地を離れていたしな。

 だから、とりあえず挨拶だけでもって感じなのかな?


「それにしても、よくまぁ……集まったよね」


 王都にいる下位貴族っていうのが、どれくらいの財力や権力を持っているのかはわからないが、昨日の今日でよくもまぁ揃えられたもんだ。今日屋敷に来た高位貴族なら、城にも伝があってもおかしくは無いし理解出来るんだが、ひょっとして王都の貴族って、全員が何かしら城や騎士団に伝があるのかな?


 感心している俺を無視して、セリアーナは箱の蓋に手をかけると「開けるわよ」と一言告げて、手前に置かれた箱を開けた。

 中身が見えたが、銀色の輪っかだ。

 ブレスレットか何かかな?


 セリアーナは、他の箱もいくつか開けていったが、どれも似たような物ばかり。

 全部アクセサリーだった。

 これがリアーナとか東部でなら、きっとネコグッズとか変な物がいくつか含まれているんだろうが……見事にご令嬢向けのラインナップだ。


「工房は違うけれど、どれも同じような物ね。……上役が纏めて揃えたのかしら? イザベラ?」


 ひとしきり黙って見ていたが、何か思いついたのかセリアーナはイザベラを見ると口を開いた。


「恐らくは。元々セラ様の件を知る者はいましたし、予測することは不可能ではありませんが、それでもこれだけの品を、全ての家が揃えられるとは思えません。おっしゃるように、事前に彼等や彼女たちの纏め役が揃えていたのでしょう。明日からも同じようになると思いますよ」


 イザベラはそう答えた。

 ちなみに、最後の言葉は俺に向けてだ。


 とりあえず、彼女の話を聞いてこの山にも納得出来た。

 今日来た人がグループの代表みたいなものか。


 どうやら、頂き物の大半はアクセサリーの様だが、どれも職人の手による一品物だ。

 前世の様に工場で量産ってわけにはいかないから、この世界ではそれが当たり前だが、素材の問題もあるからいつでも店頭に並んでいるってわけじゃ無い。

 もしかしたら、こんな時に備えて色々キープとかしてるのかもしれないな。


「さて……。とりあえず部屋に運ばせましょうか」


 返礼のために、送り先と中身を照らし合わせる必要があるが、別にここでやらずに部屋でやってもいいもんな。


「はい」


 イザベラは一言セリアーナに返事をすると、使用人に指示を出し始めた。


 ◇


 部屋への移動は【祈り】も使って、一気に終わらせてしまった。


 箱自体は一つ一つが抱えるようなサイズだったが、梱包が厳重なだけで重さはそれほどでもないようだ。

 何往復かしてもらったが、幸いそこまで疲労している様子は無かった。


 そして、この頂き物は、やはり俺への挨拶だったらしい。

 屋敷の侍女が、荷物を受け取る際に手紙なども受け取っていたが、その中にはしっかりと目録も同封されていた。

 一日当たりの量は少なくても、今後も続くとしたら、目録作りだけで疲れちゃうし、気が利いているよな。


 イザベラも知らなかったことだが、もしかしたらこれが王都のマナーなのかもしれない。

 今度オリアナさんに聞いてみるように、言っておこうかな。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 大量の令嬢風アクセサリ……持て余す! コレクションアイテム扱いになるのかなあ。
[一言] >自分で言うのも何だがハイソな奥様間で評判がいい俺の施療だ。  ちょっとした興味で、ハイソサエティじゃなくてハイソで画像検索したら、ハイソックスばかり出て来たんですよ。  それの所為でハイ…
[一言] 少しでもセラさんの気を引きたいのかも?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ