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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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「うぬ……?」


 ベッドでスヤスヤと寝入っていたはずだが、何かの気配を感じたのか、目を覚ましてしまった。

 部屋には明かりが灯っているし、セリアーナだろう。


「あら、起こしたかしら……」


「うん……どっこいしょっと。おや? まだ寝ないの?」


 体を起こしてセリアーナの方を見ると、楽な髪形に結い直している最中だった。

 ただ、服装はラフなものではあったが寝巻じゃないし……まだまだ寝ないようだ。


 今何時なんだろうね?


「ええ。書いておきたい手紙があるのよ。眠るのはそれを終えてからね」


「……そっかぁ」


 また向こうに向かうみたいだし、それじゃあ俺は再び布団に潜ろうかな……と、横になろうとしたところ、セリアーナは何かを思いついたのか「そういえば……」と呟いた。


「オーギュストから話を聞いたわ」


「ぬ? ……あぁ。夜のね」


 セリアーナが言っているのは、夕食後に彼女と別れた後に、オーギュストと話をした時の事だろう。


「ええ。明日から面会の予定はいくつか入っているけれど、どうするの?」


「んー……明後日にしようかなって思ってるよ? 行くならお昼過ぎからでしょう?」


 リアーナの騎士団は、朝は朝礼みたいなことをやっているし、夕方になると朝と昼の任務報告の取り纏めを行ったりと、忙しい時間帯になっている。

 丁度時間が空いているのは、昼食を終えた後から1時間くらいだ。

 だから、事前に予定に入れていないような用事の場合は、その時間帯に埋めるようにするのが、マナーだったりする。


 それはリアーナだけじゃなくて、この国の各地の騎士団も一緒で、当然王都にある騎士団本部もそうだ。


 俺の用は総長か隊長のどちらかに会って、挨拶とオーギュストに頼まれた、王都の警備状況なんかの話を聞く事だけだ。

 時間がかかるような事でも無いし、便宜上とはいえ俺は彼等の部下になるわけだから、向こうもわざわざもてなすような事はしなくていいわけで、そんなに互いに構えるような事でも無い。


 フラッと行って、簡単に済ませてくる……そんな感じでも問題無いと言えば無いんだが……マナー的にはよろしくない。

 折角リーゼルたちが、他家に配慮して大人しくしているのに、たかが挨拶とはいえ、俺が突っ込まれる様な隙を作っちゃうのは駄目だよな。


「そう……わかったわ。こちらで適当に面会の時間は調整しておくから、何時にするかはお前が好きにしなさい」


 それだけ言うとセリアーナは立ち上がり、俺の返事を待つことなく部屋の明かりを消して、出て行った。


「……寝るか」


 話をしていると何となく目が冴えてきたが、セリアーナもやる事はあるだろうし、邪魔しちゃーな……。


 俺は、寝直すために気合いを入れて布団に潜った。


 ◇


 俺が貴族になった翌日。


 セリアーナが面会客と対談をするついでに、俺も施療を行うスタイルで立ち会っていた。


 俺たちが王都に着いた当初にも、オリアナさんが選別した相手と対談していたが、セリアーナのお貴族様的振舞いのリハビリ代わりの、比較的気やすく接する事が出来る相手だった。

 ただ、そのリハビリももう十分だろうってことで、今日からは中々身分が高い相手がお客さんだ。


 会話に出てくる人名とかも、俺ですら知っているような人だったりするからな……。

 施療に集中している事にして、何も聞こえないふりをしているが、中々スリリングだ。


 彼女たちの仲が険悪だとかそんな事はないんだが、一々出てくる単語が物騒なんだよな……。

 普通に他国の王族とか貴族がどうのこうのって話をしている。


 セリアーナは、俺以外領地から側に置く人間を連れてきていないから、侍女代わりにイザベラを同席させていたが、彼女や相手が連れてきた侍女も、心なしか表情が硬かったもんな……。


 俺も領地でのセリアーナの対談に同席する事が多々あるが、その相手は、基本的に領内の貴族がほとんどだ。

 こういう雰囲気の場に同席するのは、何気に初めてかもしれない。


 とはいえ、その緊張する対談も、今日の分はつい今しがた一先ず何事も問題無く終了した。


 セリアーナはもちろん、イザベラだって緊張してはいても、流石は王都の屋敷を任されているだけあって、しっかり話についていけていたし、振舞いにも問題は無かった。

 恐らく、滞在中はあと何回かこういった対談があるだろうが、上手くいくだろう。


 さて……それはそれとしてだ。


「これどうしようか……」


「お前の好きにしたらいいでしょう」


「好きにってもなー……」


 俺たちが対談をしていた談話室のすぐ隣にある控室に、今俺たちは来ているのだが、その部屋には大小様々な箱がいくつも積まれていた。

 俺への贈り物だ。


 名目は……なんなんだろうな?

 養子入りってのは別にお祝いするような事でも無いし、親衛隊の加入かな?


 昨日の今日でこれだけ用意出来る、高位貴族の情報網。

 油断はできないよな。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 貢がれるセラちん!! 死蔵するのもなんだかなーではあるけれど、どうするんだろう
[良い点] 888回更新乙ですパチパチパチ(人*´∀`)。*゜+ [一言] それでも流石に猫のぬいぐるみを贈ってくる情報通はいないでしょうねえ というわけで姫の貢物開封ショー始まります?
[良い点] セラ姫貢がれてる( ˘ω˘ ) [一言] 高位貴族の情報網無くても城で息切らしながら歩いてる幼女?少女?が居たら普通に噂になって分かるって
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