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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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「……お?」


 目を覚ますと、ベッドの隣にセリアーナの姿は無かった。

 部屋の中を見渡すも、部屋の中は薄暗くてよくわからないが……ここにいないのなら隣か。

 今何時なんだろうな……。


 まだ起こされてないし、もうひと眠り……。


「っ!? ちげーわ!」


 いや、別に何かが違うって事はないんだが、ついつい声に出してしまった。


「起きないと起きないと……」


 今日は城で養子の手続きを行う日だ。

 城に行くのは昼からだが、その前にしっかり準備をしておかなければいけないし、二度寝は駄目だ!


「よっこらせっ!」


 俺は気合いを入れてベッドから跳ね起きると、ベッドの下に転がしている【浮き玉】に乗って、隣室へ向かうことにした。


 ◇


「おはよー」


 隣室に移動すると、昨晩に引き続きソファーでくつろいで読書中のセリアーナの姿があった。


「あら? そろそろ起こそうと思っていたのだけれど……自分で起きたのね」


 寝室から出てきた俺を見て、セリアーナは少し驚いたように目を丸くしてそう言った。

 2度寝しかけたが、なんか感心してるみたいだし、その事は黙っておくか。


「今日の予定は頭に入っているわね?」


「お? うん、大丈夫。昼前にじーさんたちが来るんでしょう? んで、昼食後に馬車で出発」


「結構。いつもと違って化粧もしっかり施すから、そのつもりでいなさい」


「はーい。今は……10時ちょっと前か。朝食食べといた方がいいかな?」


 服だけじゃなくて、化粧もしっかりか……着替えるのが昼食の前か後かはわからないが、昼食の時間は早めになるだろう。

 いつもはこのくらいの時間に起きたら朝食は抜くんだが……今日はしっかり食べておこうかな。

 セリアーナもそれに同意らしく、こちらを見ると頷いて口を開いた。


「そうしなさい。予定通りにいけば時間はそれほどかからないけれど、誰かと会うかもしれないし、どうなるかはわからないものね」


 今日の俺は、養子の手続きと騎士団の手続きの2つをこなさなければならない。


 どちらも城内で済む事だが、それぞれ手続きをする場所が違うからな。

 そして、一緒に移動するのがセリアーナやじーさんたちっていう大物だ。

 どこで誰からお話の誘いを受けるかわからないし、予定通りに進むかどうか……。


「それじゃ、食堂に……セリア様も行くの?」


 食堂に向かおうとしたのだが、セリアーナは読んでいた本を机の上に置くと、立ち上がった。

 改めて正面から見ると、彼女の恰好も普段通りで正装ではないし、まだ準備に入っていないようだ。


「ええ。食事はもう済ませたけれど、お茶を頂くわ。行きましょう」


「ほいほい」


 そう答えると、セリアーナの前に出て、ドアに向かって【浮き玉】を進めた。


 ◇


 着替えを始めとした、俺の準備は昼食後に行うことになった。

 別にガキじゃあるまいし、服を汚したりはしないんだが……まぁ、あまりお固い恰好は慣れていないし、疲れるからな。

 出来るだけその恰好でいる時間を短く出来るのはありがたい。


 そんなこんなで、じーさんたちもやって来て昼食を一緒に済ませた後に、俺は部屋に戻って恰好を整えることになった。


「こうしてしっかり正装をすると、少しは成長しているように見えますね」


「ええ。それに、黒のジャケットに赤い髪もよく映えますし、大変お似合いですね」


 ちなみに、部屋にはセリアーナと使用人の他にも、オリアナさんとイザベラも一緒だ。

 今日のために仕立てた服を着た俺は、彼女たちの前に立ってその姿を見せているが、2人の評価は上々らしく、それぞれ賛辞を述べている。


「凹凸が少ない娘ですからね……。セラ、来なさい」


「はーい……」


 なんかチクリと言われた気もするが、手招きしているセリアーナの下へ向かった。


 そちらでは、昨日俺の髪と化粧を担当した使用人たちがいて、自分たちの出番を待っている。

 昨日も一応それなりにしっかりと整えていたんだが、あまり厚化粧をしないこの世界の基準でも、アレは相当な薄化粧だったのが俺にだってわかるし、髪にしたって、簡単に結んだだけだった。


 折角城へ送り出す客人なのに、その腕を全く発揮出来ずに不完全燃焼だったのかもしれない。

 先程からセリアーナとの打ち合わせをする声が漏れてくるが、やたら気合いが入っているのはわかる。

 彼女たちは、俺が座るための椅子や化粧道具などの準備をして、待ち構えていた。


「セラ様、どうぞこちらへ。まずは化粧から済ませますので……」


「うん……お手柔らかにね」


 椅子に座ると、前世の美容院の様にケープをかけてきた。

 恐らく服に化粧品が付かないようになんだろうが……昨日はこんなの使わなかったし、これは本気だな……。

 ちょっとだけ、その気迫にビビりながら、俺は大人しく彼女たちが化粧を始めるのを待った。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラさんがピッカピカに磨かれる( ˘ω˘ )
[良い点] 更新乙い [一言] そばかすをどうするのかはちょっと気になる
[一言] 登録済んだら 「セリアねーちゃん」 ってまた言えることになるな… 言えるか?
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