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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 廊下に出た俺たちは、王妃様の後をついていっているが、どこへ向かっているのかの説明は受けていない。

 王妃様は髪こそ整えたりしたが、着替えとかをしているわけじゃ無いし、この一画から出るような事は無いと思うんだが……。


 王妃様の部屋は、宮殿内の彼女に割り当てられた一画の一番奥にある。

 まぁ、隠し部屋なんかもあるが……今回はそこへは行かないんだろう。

 入口の方に向かって進んで行っている。


「……ねぇ、どこ行くのかな?」


 進んでいる方向は分かっても、それじゃあ、どこに向かっているのか……となると、俺にはわからない。

 俺の一歩後ろを歩くセリアーナたちを振り向くと、どこに向かっているのか心当たりがないかを訊ねた。


「お前の方がここには詳しいでしょう? お前が分からないのなら、私にわかるわけないわ」


「直に分かるはずですよ。場所をおっしゃらないのなら、離れてはいないでしょう」


 俺の質問に二人はそれぞれ答えてくれたが、どうやら答えはわからないようだ。

 まぁ、オリアナさんが言うように、離れた場所じゃないだろうしすぐに到着するか。

 それなら、大人しくついて行こう。


 そのまま王妃様たちを先頭に、長い廊下を進んでいたのだが、突き当りの一つ手前にある部屋のドアの前で、彼女たちは足を止めた。


「ここです」


 そして、王妃様はそれだけ言うと、中へと入っていった。


 あそこが何の部屋かは分からないが……ドアの前では侍女たちが俺たちを待っているし、何より王妃様が一人で入っていったんだ。

 危険って事はないだろう。


「ほんじゃ、オレから失礼して……」


 一瞬、三人で顔を見合わせてしまったが、まずは俺が入ることにした。


 ◇


 入った部屋は窓の無い、さほど広く無い部屋だった。

 王妃様の部屋の前にある、控室くらいかな?


 机が壁に沿っていくつも置かれていて、さらに、窓が無いからか机の一つ一つに魔道具の照明も備え付けられている。

 何かの作業部屋のようだが、いくら宮殿とはいえ、結構贅沢なお部屋じゃないか。


 ただ……。


「ここは……なに?」


 贅沢な部屋ではあるが、ここは何をする場所なんだろう?

 一番奥の机には、何か色々資料らしき物が積まれているが、他は何もないただの机だし、何か棚が置かれているわけでも無い。

 自習室とかそんな印象を受けるが、まさかそんなもんを、この建物に用意するわけないし……。


「この隣が私の書庫なのよ。ここは、そこで用意した資料を使って、作業をするための部屋ね」


「……あ、なるほど……です」


 パッと見の第一印象だけで考えたが、当たらずとも遠からずってところか?

 ついついどもった返事になってしまったが、王妃様は気にしていないようだ。

 しかしまた、なんだってこの部屋に俺たちを連れて来たんだ?


 何か作業でもさせられんのかな?

 王妃様の侍女を排してまで、俺たちに任せたい事ってのはちょっと思いつかないぞ?


「失礼します」


 首を傾げていると、セリアーナたちも部屋に入ってきた。

 彼女たちも部屋の中を見回しているが、俺と同じく机の上に目を留めている。


「そちらは……地図でしょうか?」


「ええ。貴女たちに来てもらったのはこのためよ。……セラ」


「ほ?」


 俺の名を呼んで手招きをする王妃様。

 なんだろうと思いつつ、そちらに向かうと、机の上に積まれた資料を指した。


 セリアーナが先程言ったように、その中には地図も含まれているが……何となく見覚えのある地形もあるし、この国の地図だな。

 んで、地図はいいとして、この積まれた資料はなんなんだろう?


「貴女のために揃えた物よ。全てに目を通す必要は無いけれど、話をするために必要だから、軽く目を通して頂戴」


「はぁ……。それじゃぁ……」


 一体何なんだろうか?


 そう思いはするが、わざわざ揃えてくれたみたいだし、折角だし読ませてもらおう。


 積まれた資料の一枚目を取って、軽く流し見してみたところ、頭に地名と人名が書かれているし、領地と領主一族の情報が書かれているらしい。

 領地の位置を示す縮小地図以外は全部文字ではあるが、シンプルに纏まっているから、簡単に目を通すだけならそこまで手間じゃない。

 まぁ……全部合わせると結構な厚さになるし、どれだけの項目があるのかはわからないが、そこまで時間はかからないだろう。


 振り向いて3人を見てみるが、それぞれ椅子を引っ張り出して向き合っているし、放っておいても良さそうかな?


「よいしょ」


 小さく声を出して【浮き玉】から椅子に移ると、机の上の資料を手に取った。


 それじゃあ、俺はさっさと資料に目を通そうかね。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 執務室でも控室でもなく……そう、そこは書斎っ!
[良い点] 更新乙い [一言] セラちんの能力を活用するなら、地図やらなんやらは叩き込んでおかないとですからねー
[一言] セラが貴族的な活動をしない予定なのはたぶん知ってそうだから、国内貴族の味方の国王派と、敵国に通じてそうなヤバい奴らの名前や配置図とかかな。
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