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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 王妃様から、俺を今後どういう扱いにするのかと聞かれたセリアーナは、間を空けずにすぐに答えた。


「その娘は、リアーナ領都に新しく建てる、ミュラー家の屋敷を任せる事が決まっています。1人でなら不安もありますが……補佐役として、任期を終えたおじいさま方も一緒に、王都からそちらに移って貰いますから、役割を十分果たせます」


「私とアリオスが向かうのは、早くても2年以上後になりますが、まだ屋敷の建設には手を付けていませんし、時期的にはちょうどいいと思います。そうですね? セリアーナ」


「ええ。西部との関係の変化の影響で、まだもう少しかかってしまいます。それまではミュラー家のリアーナでの活動は、控えめになってしまいますが……父もそこは承知しています」


 セリアーナとオリアナさんの言葉を聞いた王妃様は、どうやら頷いているらしい。

 何となく背中にそれを感じた。


 まぁ……リアーナの領都に建てる予定の屋敷の方は、まだ土地を確保しているだけだし、俺がいくらミュラー家に入ったからといって、すぐにはミュラー家の活動も始める事は出来ない。

 今まで通り、セリアーナが間に入りつつ、時折俺がゼルキスの屋敷に直接行って、親父さんに報告をする……それだな。


 が、それで話が終わりという訳ではなく、まだ続けるようだ。


「話は分かったけれど、リーゼルと短い時間だけれど話をしたときには、この娘にどこかの街を任せるかもしれないと言っていたわね。それはまだ先の事なの?」


「リアーナの開発計画で、領都の近くに複数の街を置く……そんな案が出ています。確かにセラにはそのうちの一つを任せても悪くないとは、リーゼルとも話していたのですが、セラ自身がそれを拒否したものですから……」


「あら、そうなの? その街には誰を入れるのかしら?」


「そちらはリーゼルに任せようと思っています。既に他の街には私と関係の強い者が入る事が決まっていますから。その事は先日リーゼルにも話したので、もう僅かですが、今回の滞在期間中に彼が何かしら動くかもしれません」


「そういえば、昨日届いた手紙に面会について書かれていたわね……。わかったわ。ならこの娘はこれまでと変わらずに、リアーナで過ごすのかしら? この時期に養子手続きをしたのは、学院に通う事を避けるためだとは聞いているけれど……」


 高位貴族への養子入りは、貴族学院に通うため……ってのが理由では多い。


 で、貴族学院に通うのは、その年に15歳になる者だけ……って年齢制限があるんだよな。

 そして、身分と年齢が該当する者は、原則的に入学は絶対だ。


 やたら国土が広い上に、あちらこちらに魔物がうろつくこの国では、中々他所の土地の人間と交わる機会がとれないし、貴族として今後の国内外の貴族との付き合いへ繋がる大事な期間を、国がわざわざ設けてくれているとも考えられる。

 もちろん、この国の貴族としての心得だとか忠誠心だとかを叩きこむって目的もあるのかもしれないが、それでも貴重な機会には違いない。


 だが、俺の場合はそれを避けるために、あえてこの入学時期からずれた時期に養子の手続きをした。


 一応形だけでも親衛隊に入る事で、リアーナとゼルキス以外でも騎士として動けるようにはしているが、その辺の事は王妃様に伝わっていないのかもしれないな。

 もしくは、理解出来ないか……だ。


 俺は貴族はもちろん、冒険者とも平民とも少し違う価値観で動いているからな。


「ええ。その予定です。結婚に関して話をしたこともありますが、本人にそのつもりが無いようですし……。まあ、この娘は年齢が関係ないのかもしれませんし、好きにさせようと、ゼルキスの両親とも話しています」


「あら?」


 と、驚いたような声を上げる王妃様。


 しかし、俺は俺でちょっとびっくりしていたりもする。

 そして、同時に納得も出来た。


 今までの話って、要はここに辿り着くためのものだったんだな。


 ◇


 貴族の結婚。


 家や派閥、そして領地の結びつきが絡んでくる、一大イベントだ。

 そして、セリアーナの場合は違ったが、貴族学院に通うために王都で暮らす1年が、きっかけ作りとしては非常に大きなウェイトを占めている。

 そこを、時期をずらすなんて小細工をしてまで避ける俺を、この国の女性のトップである王妃様としては、不安に思っていたんだろう。


 ミュラー家の相続権こそ持たないが、俺には色々あるからな。


 いやはや、いらん心配をさせてしまった……などと頷いていると、フッと力が抜けるような感覚が襲ってきた。

 深刻ではないが、これは疲労だな。


「はい、完了です!」


 周りが俺をネタに深刻なんだか何だかわからない話をしている間にも、しっかり黙々と施療を進めていた俺は、その疲労を合図に完了したことを察して、皆に告げた。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 世界の半分に特効の札だからね、行き先がどうなるかで心労も祟るよねって あれ?ハゲとか内臓にも効いてた気がするから、男性にも……あれれー?
[一言] まぁ実質セラちゃんは、セリアーナの嫁だからな(異論は認める
[気になる点] あれ?髪はやらないのかな まあ要請されてないから今回はなしか
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