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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 久しぶりにあったじーさんは、恰好こそ公爵家の屋敷に訪れるからか、いつもよりきっちりしているが、威厳というかなんというか……相変わらずのド迫力だった。

 午前中完成させた服と雰囲気は似ているが、多分俺がアレを着ても、これだけの迫力はどうやっても出ないだろうな……。


 改めてじーさんに挨拶をした後、俺はまじまじとその姿を見ていたが、セリアーナとの言葉を交わしていたじーさんが、その視線に気付いたのか、ふとこちらを向いた。


「どうかしたか?」


「んにゃ、なんでもなーい」


「そうか……。しかし、セリアーナと違って、お前は全く変わらんな」


 じーさんは俺の言葉に小さく鼻を鳴らすと、並んで座る俺とセリアーナを見比べて、そう呟いた。


「セリア様はオレがしょっちゅう【ミラの祝福】をかけてるから、あんまり変わらないのかもしれないけど……。オレは結構伸びてるよ?」


 じーさんがセリアーナと最後に直接顔を合わせたのは、結婚式で王都に訪れていた時だしもう数年前の事だ。


 セリアーナの年齢を考えたら、まだ成長したりはしていてもおかしくないが、元々大人っぽいねーちゃんだったしな……。

 毎日顔を合わせている俺には、変化はいまいち実感しにくいが、じーさんは変わって見えたんだろう。

 まぁ、子供も産んでるしな。

 どこかしら、変化は出ていたのかもしれない。


 しかしだ……俺が変わっていないってどういうことだ?

 会ったのは2年前だし、結構変わっているはずなんだが……!


「ふふっ……。おじい様、この娘もこう見えて少しは成長していますよ? ほんの少しですが……」


「む? そうか。相変わらず小さいので気付かんかったわ」


 そう言うと、じーさんは「わっはっは!」とデカい声を上げて、しばしの間笑っていた。


「ぬぅ……」


 まぁ、このじじいデカいからな……。

 ついでに、俺はいつも浮いているから体のサイズは分かりにくいかもしれない。

 今日はしっかり、その認識を改めて帰って貰わないとな!


 と、俺がむくれたり気合いを入れたりとしている間も、セリアーナとじーさんの会話は弾んでいる。


 時折、手紙だったり直接俺が飛んで行ったりして、リアーナの状況は伝えていたが、それでもどうしても、外に出せる当たり障りのない情報になってしまう。

 もちろん、受け取る側もそれを加味して読み取っているんだろうが、やはり正確な情報は、直接それを運べる立場の者から聞くのが一番だ。


 俺が王都に来る時は、テレサも一緒だったりするし、彼女となら多少は踏み込んだ話も出来るだろうが、厳密に言うと、彼女はミュラー家の人間でもリセリア家の人間でもないからな。


 昨冬からはリーゼルも王都に滞在していたし、彼もじーさんと会ったりはしていたそうだが、やはり、身内のセリアーナ相手の方が、遠慮なく話が出来るんだろう。


 セリアーナが話す、領地の事や子供たちの事を楽しそうに聞いていた。


 ◇


「むぅ……。聞いてはいたが……これは2人にも大分負担をかけてしまったようだな」


 さて、ダンジョンの事だったり、リアーナの領都以外の街や村のことだったり、さらにはマーセナル領の事だったりと、セリアーナは色々な事を話していたが、もちろんそれだけじゃ無い。


 昨秋の教会地区で起きた事件についても、話していた。


 一応、あの件はゼルキスにも伝えていたし、そちらからじーさんや親父さんにも伝わっていただろうから、そこでしっかりと協議していただろうが、やはり直接あの場にいたセリアーナの情報は、正確さが違う。


 ……リーゼルの時も同じような事を考えたな。

 この世界、情報の伝達手段が問題なんだよ……やっぱり。


 ともあれ、セリアーナの話の合間にじーさんも何かと質問をしていたので、少々時間を要したが、ここ数年のリアーナの事情をしっかりと伝える事は出来た。


 元々、リアーナ領はゼルキス領だったが、その最東部。

 今のリアーナ領領都がある辺りは、じーさんの代で少々無謀といってもいいような勢いで開拓・開発した場所だ。


 当時はやれるからやってしまえっていう、脳筋思考で突っ走ったと聞いているが、そちらを優先しすぎて、開拓した領地の統治は後回しにしていた。

 その後、親父さんが苦労してなんとか形を整えるわけだが、それは、問題をルトルに押し込める形にして、それ以外の場所をしっかりと抑え込むって方法だった。


 んで、そのツケが、リーゼルが領地を離れて、セリアーナが代理で守っている状況で爆発してしまった。


 予測は出来ていたし備えてもいた事だが、想定以上の出来事だったからな。

 じーさんからしたら、ちょっぴり自分がはしゃぎ過ぎた事も関係している。


 その事を、改めてセリアーナの口からきいたじーさんは、重苦しい表情を浮かべていた。


 だが……。


「もう解決したことです。気になさらないでください」


 セリアーナは、何事もなかったかのように、そう伝えた。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] セラさんミニマム [一言] > もう解決したことです。気になさらないでください アッこれは静かなる要求の雰囲気
[良い点] 更新乙い [一言] 悲報:セラちん小さいまま (知ってた >>もう解決 ふははー お前らの不始末、尻ぬぐい等小事よ小事ー
[一言] また身長130行ってないんだっけ? あと二次成長期もまだ。
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