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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 王都に到着した翌日。


 今日はまだ人と会ったりはせずに、屋敷でゆっくりと部屋の中で過ごす事になった。

 船から降りてまだ2日しか経っていないし、疲れも溜まっているだろうと、リーゼルが配慮してくれたんだろうが、それだけが理由ではない。


 この世界の長距離移動は、非常にハードだ。

 揺れまくる船は言うまでも無く、馬車の移動だって負担が大きいからな。

 さらに、そもそも長距離移動をすること自体が滅多に無いし、体も慣れていないだろう。


 俺もセリアーナも、何だかんだでずっと浮いていたし、時折【隠れ家】を利用したりもしていたから、実は負担らしい負担は無かったんだ。

 だが、一般的にはそうじゃないし、長旅を終えた当日や翌日から、領主夫人としての仕事をやらせるってのは外聞がよくない……とか、そんな感じらしい。


 とりあえず、明日はじーさんたちが会いに来て、さらにその後は、服の仕上げをするために職人たちがやって来る。

 身内と職人……まずは気楽な相手とから始めるんだろう。


 2週間近くの間、まともに貴族との会話をしていなかったし、セリアーナが口を滑らすような事はないだろうが、それでも他所の貴族と会う前に、リハビリみたいなものは必要なのかもしれない。


 しかし……。


 セリアーナが慎重に動く必要があるのは分かるが、俺はどうなんだろう?

 一応俺が護衛役ではあるが、同じ屋敷にはリーゼルがいるし、オーギュストだっている。

 この屋敷にいる限り、俺が必要なシーンなんて無いだろうし、ちょっとお出かけくらいしてもよさそうなんだけれど……駄目なのかな?

 俺は特にやる事ってのが思いつかず、朝から部屋の中を漂っているだけなんだよな。


 ちなみにセリアーナは、応接室のソファーに腰掛けて、お茶を飲みながら本を読んでいる。

 実にくつろいでいるな。


 彼女が今読んでいる本は、領都から持って来た物じゃない。

 一応、【隠れ家】には暇潰し用の本をしっかり用意しているのだが、それとは別の王都で新しく仕入れた本で、昨晩のうちに注文を出して、今朝屋敷に届いた物だ。


 新刊が、買おうと思ったその日に手に入る。

 流石は王都って感じかな?


 特に俺が欲しい物は無いが、それでも本くらいは王都にいる間に、俺もちょっと買っておこうかな?

 まぁ、それは今日考える事じゃない。


 とりあえず今は……。


「ねー」


「なに?」


「オレって屋敷にいる方が良いのかな?」


 勝手に出かけるわけにはいかないし、セリアーナにお伺いを立ててみることにした。


「外に出るのは止めた方がいいわね。お前が何のために王都に来ているのかは、もう目ざとい者なら知っているでしょうし、危険は無いと思うけれど、色々面倒なことになるかもしれないわね」


「……ぬぅ」


 今回の俺の養子入りの件は、そこそこ注目を浴びているらしいのは察している。


 国内の有力伯爵家であるミュラー家が、貴族社会とは無縁の娘……つまり、俺を養女に迎え入れるんだ。

 いくら、元々ミュラー家の長女であるセリアーナの使用人兼護衛と、ミュラー家に近い場所で働いているとはいえ、そんな話には普通ならないだろうし、それ自体が大ニュースだったりもするからな。


 ゼルキス領領都で暮らしていた俺は、両親を亡くしたのを機に、何故か貴族学院入学前のセリアーナに拾われて、そのまま入学するために共に王都へ。

 セリアーナは学院を卒業した後に、この国の第四王子であるリーゼルと婚約・結婚。


 そして、リセリア公爵家を創立して、この国の東端に新たな領地を構えることになった。

 新公爵領であるリアーナは、何かと危険ではあるがその分見返りも大きい土地で、リセリア家は、今のところ上手く開拓を進めながら治めている。


 んで、俺はセリアーナが独身の頃から変わらず、公爵夫人となった今も彼女に仕えていて、何故かリアーナの領主屋敷で一緒に暮らしている。

 その縁もあって、ミュラー家とリセリア家の両家はもちろん、王家にも顔が利く、訳の分からない娘。


 俺の紹介文はもの凄く簡単に書くと、こんな感じになるだろう。

 重要なのは最後の文で、俺は王家も含めたら三家に繋がりを持っているって点だ。


 俺は今は平民で、実際に上手くいくかどうかは別にしても、声をかけたり面会の申請をしたりは、簡単に出来る身分だが、それも貴族になる事で変わってしまう。

 これはリアーナでもそうだったが、それなら今のうちにって思う者もいるだろう。


 大人気だ。


 ただでさえ俺は浮いているから目立つのに、その状態でフラフラ外に出たら……うん。

 面倒そうだよな。


 逃げるだけなら簡単だが、それはそれであまりいい印象を周囲に与えないだろう。

 これは、大人しくしているのが吉か……。


 セリアーナの言葉に唸りながらも、納得してしまった。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] まあセラの場合常に浮いてるから気にしてないと見つけられないけどな
[良い点] 更新乙い [一言] 戦闘ユニットとしては多方面に優秀な点があって、再現性の無い貴重な技能があって 非戦闘ユニットとしても、最低でも世界の半分ぐらいから狙われる貴重な技能があって うーん、…
[一言] セラちゃん暇なら歩くトレーニングしないとダメなのでは? 流石に王城では浮き玉禁止されるだろうし、長い距離を歩く体力があるのか不安になってきました!!
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