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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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「ふぬ……こちらも異常無し。まぁ、そりゃそうかな?」


 寝室に移動した俺は、こちらも隣室と同様に念入りにチェックをした。

 目で見るだけじゃなくて、壁や天井を手で押したりも試したが、怪しいところは何も無かった。


 広さは12畳かもうちょっとあるくらいで、出入口は応接室から繋がるドア一つだけ。

 中庭に面した窓際には大きなベッドがドンと置かれていて、その反対側に服を収納するための大きなタンスが二つ。

 家具はこれだけだ。

 そして、魔道具も壁に設置された照明や空調のみのシンプルな物ばかり。


 領都のセリアーナの寝室は、ソファーやテーブルだったりが置いてあるし、人が集まって色々話が出来るような部屋になっているが、こちらはただただ寝るためだけの部屋になっている。


 まぁ……ここは王都へやって来た賓客が滞在するための部屋で、屋敷には談話室だってあるし内密な話をするのなら、それこそ隣の応接室を使えばいいわけだ。

 わざわざ寝室に客を通す必要は無い。


 セリアーナが、寝室を内輪の会談の場にしているのが、そもそもおかしいんだ。

 これが本来のあるべき寝室の姿だよな。


「外は……よくわからないね。何か建てているっぽいけど……朝になったらわかるかな?」


 部屋の中は異常無しってことで、窓から中庭を見てみるが、何かを建設中だというのは分かるが、それ以外はよくわからない。

 中庭が広い上に照明の数が足りていないからか、夜という事もあって、いまいち様子が分からない。

 巡回の兵らしき気配が複数あるし、警備は万全だから問題は無いか。


「さて……と。部屋のチェックはこれでいいとして、どうすっかね?」


 セリアーナはまだ戻って来ていないし、待つ間何をしようか?

 隣に積んだままの荷物があるし、それをこっちに運ぶかな?

 数はあったが、あまり大きい物でもないし【蛇の尾】は使う必要も無いだろう。


「よし。やるかー!」


 久々の力仕事になりそうだな!

【祈り】を発動すると、気合いを入れるために腕を回しながら隣室に向かった。


 ◇


 気合いを入れて挑んだ荷物の移動は、10分もかからずに完了した。

 中身を出して整理したりはせずに、ただ移動させただけだしな……むしろ時間をかけすぎたかもしれない。


 ともあれ、これで俺がやる事は終わったのだが、セリアーナはまだ来ていないし、待っている間どうやって時間を潰そうかとなってしまった。

【隠れ家】に引っ込むのも、部屋に誰かが来たら困るし、それは無しだよな。

 もう一度応接室の方をチェックしておこうかな?

 いざって時に備えて、壁や天井で蹴破れそうな所を調べておくのも有りかもしれない。


 もっとも、この屋敷は多くの警備の兵がいて、しっかりと守りを固めている。

 それに、場所だって貴族街の一番奥にあり、お城のすぐ手前だ。

 巡回の兵に加えて、お城の警備兵もすぐ側にいるから、この屋敷に何かを出来るような者はそうそういないだろうし、壁を蹴破って脱出するなんて、ダイナミックな事をやる機会はまず無いだろうな。


 ◇


 壁を調べ終えた俺は、お次は天井の調査に取り掛かっていた。

 手でノックするように、板の一枚一枚を叩いているが、どれも固い上に分厚そうな音がする。


 手抜きじゃ無いな……これは。


「………………お前は何をしているの?」


 腕を組みながら天井を睨んでいると、ふと俺の体の下から声がかかった。


「お? 話はもういいの?」


「ええ。それで、お前は何をしているの?」


 リーゼルとの話を終えたんだろう。

 部屋のドアの内側には、いつの間にやらセリアーナと使用人の姿があった。

 セリアーナは腰に手を当てて俺を睨み、使用人の方は口元に手を当てて目を丸くしている。


 天井に張り付いているのが珍しいのかな?


 しかし、何をしている……か。

 セリアーナなら、俺が何をしているのかなんて一目でわかるだろうに。

 敢えてボカシているのかな?


「うん、ちょっとね」


 と、適当に答えると、セリアーナは一つ溜息を吐いて、使用人に下がるように命じた。


「何か異常は見つかったのかしら?」


「いや、何も無かったよ。壁も天井も床もしっかりしてるし、その向こう側も怪しいところは何も無し! いいお屋敷だね」


「でしょうね……。ウチが入手して改装する前からも、それなりのモノだったはずよ。家格に関係なく、城のすぐ側に建てる屋敷で手を抜くような事はないでしょうしね」


 そう言うと、セリアーナは応接室の中をキョロキョロと何かを探すように見回した。


「あ、荷物なら寝室に運んでるよ。運んだだけなんだけどね?」


「あら、ご苦労様。それなら荷開きのついでに明日からの事を話しましょうか」


「ぬ。了解」


 簡単には俺も聞いていたけれど、あの後リーゼルとさらに詳しく話したんだろう。

 俺がやる事なんて何も無さそうだけれど……とりあえず聞いておこうかな?

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラ「いい仕事してますなぁ」 セリアーナ(呆れ顔)
[一言] 姫の仕事っぷり?に浮き球の毒っ気が抜ける奥様の図
[一言] セラさんが思ってるミュラー家の養女なる、と周囲が思ってるミュラー家の養女になる、の間にはエベレストとマリアナ海溝くらいの認識の差がありそう。
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