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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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「お部屋はこちらになります」


 案内された先は、女性棟の一番奥の部屋で、リーゼルの部屋の反対側だな。

 廊下に並ぶドアの間隔から考えて、反対側と同じ間取りなのかな?


「……お?」


 使用人の彼女がドアを開けて、俺は中に入ったのだが……。

 既に明かりが点けられていた部屋の中を見回すよりも先に、目の前に積まれた荷物が視界に飛び込んできた。

 俺とセリアーナがリアーナから持って来た物だ。


 それが、ドドンと部屋の真ん中に積み重ねられている。

 俺たちがリーゼルと話をしている間に、こちらに運び込まれていたんだろう。


「リーゼル様から、セラ様とセリアーナ様はお部屋が一緒なので、お二人の荷物はこちらに運ぶようにと言われています。別々にした方がよろしかったでしょうか……?」


 俺の様子に、恐る恐るといった様子で、使用人が声をかけてきた。

 この感じ……懐かしいな。


 リアーナの屋敷でもミュラー家の屋敷でも、俺の扱いはずいぶんラフになっている。

 まぁ、リアーナは住んでいるし、ミュラー家の屋敷の方だって、もう顔なじみはほとんどいないものの、それでも以前はそこで働いていたし、客として遇されてはいるが、かしこまられる様な事はないんだよな。


「いや、このままでいいんだけど……」


 しかし……俺への接し方は別にいいとして、俺ってリセリア家の人間ってわけじゃないんだよな。

 厳密にはまだ違うが、どちらかというとミュラー家の人間だ。

 その俺を、領主夫人と一緒の部屋に突っ込んでいいんだろうか?


「そうですか。滞在されるお部屋もこちらになります。荷開きはせずに、このままでいいと言われていますが……」


 積み重なった荷物を前に、俺のこの屋敷での立ち位置に少々疑問を持っていたのだが、使用人には関係ない。

 何か手伝うかと聞いてきた。


「あ、うん。オレがやるから、そのままでいいよ。ありがとうね……」


「はい。それでは、失礼します」


 そう言って、使用人は部屋を後にした。


「さて……」


 部屋に1人になってから、ドアの前で大人しくしていたが、2分ほど経ったところで、もういいだろうと【妖精の瞳】を発動して、ついでにアカメたちを呼び出した。


「それじゃー、開始しますか」


 一言呟いて気合いを入れた。


 ◇


 部屋に入ったばかりのときは、目の前に積まれた自分たちの荷物に目を奪われてしまい、あまり部屋の様子を見る事は出来なかったが、改めて部屋を調べてみると、基本的な間取りはリーゼルが使っている部屋と一緒だった。


 大きな応接室に、そこと直接繋がっている寝室。

 うん……一緒だ。


 だが、小さい事ではあるが、違いもあった。

 応接室にはリーゼルの方と違って、料理をするのは難しいかもしれないが、お茶を淹れるには十分なキッチンが併設されている。

 これは、やはり女性側の方が、部屋だけで過ごす事が多いからなのかな?


 それと、部屋に設置された窓が、リーゼルの部屋の物よりも小さい窓だった。

 向こうは大きな窓がドンとあるのに対して、こちらは半分くらいのサイズになっている。

 女性用だからかもしれないな。


 ともあれ、違いはそれくらいだし、中々くつろげそうな部屋じゃないか。


「ふぬ……。とりあえず、こっちの部屋は問題無しかな」


 使用人が部屋を出て行ってからしばらくして、俺はまずは応接室の調査を開始したんだ。

 セリアーナが基本的に屋敷から出る事は無いし、滅多に出番が来る事はなかったが、彼女が宿泊する部屋の調査は俺の役目の一つでもある。

 ここは自分の家の物ではあるが、訪れるのは初めてだし、しっかり見落としなく調べないとな。


 ってことで、床に壁、そして天井……【妖精の瞳】にヘビたちの目を発動して、入念に調べたが、異常はどこにもなかった。

 もっとも、異常があったら困るし、何も無いのはとてもいい事なんだが……。


 それにしても、まだ応接室だけだが、短時間であっさり終わってしまった。

 なんというか……色々確認しやすい造りなんだよな。

 凝ったところが無いというか、シンプルというか……。


 元々この屋敷は、誰かの屋敷をリフォームしたかなんかだって聞いた気がする。

 だからなのか、部屋に設置された魔道具を繋ぐ導線の張り巡らせ方とかは、ミュラー家の王都屋敷とかと似た気配を感じた。

 同じ王都の貴族街に建っていて、同じような基礎設計だし、もしかしたら同じ工房で建てているのかもしれないな。


「次は寝室か。こっちはどうかな……?」


 一先ず応接室の確認を終えた俺は、次は寝室に向かうことにした。


 リーゼルの部屋も寝室は見ていないし、こっちはどんな感じなんだろう?

 応接室の雰囲気を考えると、多分同じ様な感じの部屋なんだろうけれど……。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 相変わらず叔母と姪ムーヴしてますねぇ。
[良い点] 更新乙い [一言] お屋敷探検!! と書くと、まるで幼女みたいだあ
[一言] 結果的にミュラー家に養子入りする事が決まったけど、その課程でリセリア家に養子入りする可能性もあった(リセリア家からそれだけ大事にされてる)人を邪険にはできないだろうねぇ
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