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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 今日の俺の服装は、飾りのないシンプルな薄いブルーのワンピースで、普段からリアーナで着ている服と似ているが、今回の王都行きに合わせて新調した物だ。

 そして、つい先ほど完成した髪形は俺が想像した通りで、頭の天辺付近には三つ編み部分で作ったお団子があって、金の簪で纏めていた。

 さらにそこから三つ編みを解いた髪を、ポニーテールの様に垂らしている。

 青、赤、金と、鏡に映る俺の姿は中々カラフルだ。


 簪なんてそんなに目立つ物じゃ無いしなー……とか思っていたんだが、中々どうして。

 立派なアクセントだ。


 しかし、俺はスッキリして気に入ったが……全体的にシンプルな恰好だし、お貴族様的にはどうなのかはわからない。

 まぁ、セリアーナプロデュースの恰好だし、今日は人とも会わないから気にしなくていいか。


「それじゃー、オレはこれでいいとして……。セリア様はもう終わったー? …………ん?」


 リビングのセリアーナに声をかけたものの、返事が無い事に首を傾げつつ、そちらへ向かうと、彼女の方はまだメイクの途中だった。

 丁度口紅を塗っている最中で返事は出来なかったようだ。

 視線だけこちらに寄こしてきた。


 とはいえ、もうその口紅が終わればメイクは完了らしい。

 前髪をヘアバンドの様な物で上げていて、おでこ全開のセリアーナ……ちょっとレアだ。


 邪魔しないようにしないとな。


 それにしても、10分も経っていないと思うが、いつものセリアーナとメイクの出来は変わらない様に見える。

 少なくとも、俺には違いが分からないな。

 普段の彼女のメイクに使う時間は、もっとかかっていたんだが……。


 そんな事を考えながら、しばし近くを漂っていると、メイクが完了したらしい。

 化粧道具を片付け始めた。


「終わった?」


「ええ。お前も準備はいいようね」


「うん。それよりもさ、いつもよりメイクの時間が短いけど、いつもと変わらないよね?」


「使っている化粧品の数が違うのよ」


 そう言うと、その違いを語り始めた。


 今日のメイクは普通の化粧品を使ったそうだが、リアーナでのメイクは、さらに数種類多く使っているそうだ。

 もっとも、出来栄えという意味では大差は無いらしい。

 俺の目がポンコツってわけじゃ無かったのは何よりだ。


 ともあれ、その化粧品だが、肌の修復作用があるそうだ。


 俺は今まで数えるくらいしかしたことが無いからよくわからないが、メイクは肌に負担がかかってしまうそうだ。

 だから、それを同時に使う事で、肌へのダメージを抑えこむらしい。

 基礎化粧品の凄い版みたいな物かな……?


 使用目的は違うが、俺が普段使っているマニキュアも同じような効果がある。

 あれは女性騎士や音楽家等の、爪を痛めるような女性に限定されるので、貴族の女性が使う事は少ないそうだが、この化粧品はそうじゃない。

 品質や価格に上下はあるそうだが、高位の貴族はまず間違いなく普段から使っているらしい。


 極論だが、俺の【祈り】や【ミラの祝福】があれば必要は無いのだが、もはや使う事がマナーというか嗜みの様なものになっているそうだ。

 面倒でも、使っていなかったら隙を見せることになってしまうと……。

 俺じゃわからないが、使い慣れている女性同士なら、見たらわかるんだとか。


 んで、それは効果を発揮するのにちょっと時間が必要で、今日のメイク時間が短かったのはその差らしい。


「今日は使わなくていいの?」


「ええ。一応昨日は万が一の面会に備えて使っていたけれど、今日はもう誰にも会う予定はないもの。そもそも私には必要のない物だし、問題無いわ」


「そっかー……」


 まぁ、俺の次に【祈り】と【ミラの祝福】の効果を受けているのはセリアーナだもんな。

 セリアーナだって本来は使う必要は無いんだろう。

 今日はもう、王都に向かって出発するし、王都に着いたら着いたでウチの屋敷に一直線だ。

 誰にも会う事は無いし、今日くらいは手間を省いてもいいだろう。


 セリアーナはソファーから立ち上がって、化粧道具を持ち上げた。

 その際に、セリアーナの全身を見たのだが……。


 青のワンピースに、黒いストール。

 そして、髪には赤い髪留め。

 刺繍や飾りは俺の服よりも多く、何となく華やかというか派手に見える。

 全体の色のバランスや雰囲気は同じなのに、全然印象が違うのが面白いな。


 化粧道具を仕舞いに寝室に向かうセリアーナを見て、ついついそう思ってしまった。


 ◇


「待たせたわね。それじゃあ、行きましょうか」


 化粧道具を寝室に置いてきたセリアーナは、リビングに戻って来ると、そう言って手をこちらに向けた。


「はいはい」


 俺はその手を取ると、【小玉】を彼女に渡した。

 これで出発の準備は完了だな。


 今日で王都か。

 何だかんだで2週間近く経っているし……やっぱり王都行きは大変だな。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 髪編んだり身だしなみだけで1話2話使うのは、かなりもどかしいですね。一気読みの為に顕著なのでしょうが、700話前後から時間稼ぎのような、引き延ばしてる感じの展開で、前半の時間展開の爽快…
[一言] まあ、セラさんにくっついてるだけでお肌も髪もツヤツヤになるもんね
[一言] 基礎化粧品の類いは日本と比べても遜色無さそう…?
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