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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 リアーナを発って、そろそろ10日が経つ。

 2度目の戦闘を終えた後の航海は順調だった。


 その途中で、もう一ヵ所戦闘がおこるかもしれないと危惧していたポイントがあったんだが、今回はそこに群れは形成されておらず、ノンストップで通過する事が出来た。


 ちなみに、今回の王都までのルートは、以前使ったのとは違うルートを使っている。

 前回はもっと手前で川に入って、そこから3日ほど北上していたのだが、今回はその3日間を海で移動していた。


 かかる日数に変化は無いが、今回のルートの方が水深が深い場所を通るため、大型の船で周囲を固める事が出来るし、その方がより多くの荷を運べるから、こちらのルートを好む商人が多いらしい。


 もちろんデメリットもあって、それが魔物との戦闘の有無なわけだが……それは護衛を集めることで対処出来る。

 今回がまさにそうだな。


 昔に比べると、船を使った王国東部との行き来も増えているし、海での活動を専門にした冒険者たちが増えてきている事もあって、それも大分楽になっているらしい。


 少数での移動なら既存のルートで、大人数での移動なら今回のルートを使う。

 そうやって、上手く住み分けが出来ているそうだ。

 まだ始まって数年だが、徐々に最適化されてきているし、もっと発展していくだろう。


 ◇


 さてさて。

 リアーナの今後の発展について考えを巡らせるのはまたの機会にするとして、今日はいよいよ船を降りる日だ。


 今朝方、海から川へと入ったが、昼頃には目的地のアルザの街に到着する。

 どっちのルートを使っても結局このアルザの街が終着点だし、よくよく考えると美味しい街だよな。

 宿泊施設はたくさんあった覚えがあるが、あんまり発展している印象は無いんだけれど……なんでだろうな?

 すぐ近くにも街があるし、荷揚げと宿泊に特化させているのかな?


「お前は何を妙なポーズをしているの……。考え事?」


「んー? ちょっとね……ぉぉぅ。化粧もばっちりするんだね」


 アルザの街の事を考えながら、窓際で【浮き玉】を中心にクルクルと時計の様に回転していると、後ろからセリアーナの声がした。

 俺は振り向いて彼女を見たが、服装や髪形はいつも通りだったが、化粧の雰囲気がいつもと違っている。


 船に乗っている間は、セリアーナは身だしなみは自分で整えていて、別にその間服や髪、そして化粧も全てしっかりとやっていたが……何が違うんだろう?

 別に厚化粧ってわけじゃないし、むしろ薄化粧なくらいだ。


「目と唇の色を変えただけよ」


 と、セリアーナは化粧道具が入った箱を手に答えた。


 言われてみると、確かにいつもより赤が濃い気がする。

 それだけで雰囲気が変わるのか……。

 全体的にキリっと、引き締まった印象になるな。


「お前は?」


「オレはやらない……」


 セリアーナは、手にした箱をこちらに見せてくるが、俺は首を横に振って断った。


 船に乗っている間は、リアーナではいつもしている黒のマニキュアもしていないくらいだしな……。

【影の剣】は右の人差し指に着けているし、その爪は黒くなっているから、カムフラージュのためには、ちゃんと塗っておいた方がいいんだろうが……やらなくて済むのなら、そっちの方がいい。


 化粧と違って皮膚に何かを塗るわけじゃ無いから、息苦しかったりもしないし、何か不都合があるってわけじゃ無いが、気が楽なんだ。


 まぁ、船に乗っている間はほとんど人と顔を合わせる事も無かったし、それでもよかったんだが、今日はどうかな?


「そう。まあ、いいわ」


 道具を机に置いたセリアーナは、彼女が座るソファーを軽く叩いて、俺に隣に座るように言った。


「ほい。お願い」


【浮き玉】から降りて、セリアーナが示した場所に背を向けて座り、髪を適当に結んでいた紐を外した。


「適当でいいよ?」


「そうもいかないでしょう……」


 俺の言葉に、呆れた様な声で返すセリアーナ。


 今の俺の髪の長さは腰まである。

 リアーナにいる時は、基本的にテレサに任せているから、編み込んだり色々凝ったものにしているが、航海中は、雑にポニーテールにしたり、そのまま何もせずに下ろしたり……面倒だから髪形には拘っていなかった。

 船に乗っている連中も、もうそれに見慣れていると思うんだが……駄目だったか。


 船は今日で降りて、外に出るわけだし、今回の俺の滞在は公的なものだから、一応身だしなみを整えないといけないんだろう。

 リアーナなら、好きな恰好でも大して問題は出ないだろうが、よそ様のお庭じゃそうはいかないか……。


 まぁ……狩りに出るわけでも無いし、髪形くらいは我慢しようかな?


セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 一応、爪も皮膚の一部ですよ 確か髪と同じタンパク質の一部で構成され、皮膚の角質が変化して硬くなったものです
[一言] 暇つぶしも兼ねて構おうとしてる( ˘ω˘ )
[良い点] 更新乙い [一言] セラちんは偉い人の直属の部下で、且つ自分も大分偉い人なんだというのをwwww
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