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ミネアさんが部屋の中を一通り見終えたことで、こちらの話を進めようとなった。
皆でソファーに座り、俺は例によってミネアさんの膝の上だ。
さて、指定ポジションに付いたところで、いい加減俺も聞きたいことを聞こう。
頭を上に向ければ、すぐにミネアさんの顔があるが……流石に何で来たの? と、本人に言うのは俺でもちょっとね。
だから、正面に座るセリアーナにそれを聞くことにした。
「そんでさ、ミネア様はなんでまたウチに来たの? それも少人数でさ」
「もうすぐ王都に行くでしょう? その間子供たちの事をお願いしたかったからよ」
当たり前の様に言い放ったが、この言い方だとセリアーナがミネアさんを呼んだようだ。
だが、王都に行くから子供をお願いって……。
「……セリア様も行くの?」
俺が行くだけならそんなもん必要ない。
ってことはセリアーナも屋敷を離れるってことだし、このタイミングでなら、彼女も王都に行くってこと……だよな?
「そうよ」
俺の質問にセリアーナは、これまた当たり前の様に一言で答えた。
そのやり取りがおかしいのか、ミネアさんは声こそ出していないが笑っている様だ。
背中越しにそれが伝わってくるぞ。
「セリアーナさん、貴女の事だからセラさんに碌に説明していないんでしょう? それだけじゃ、伝わらないわよ」
「碌に……っていうよりも、何も聞いてないです」
俺の言葉を聞いて、小さいが今度は声を上げて笑っている。
楽しそうで何より……。
俺は初耳でびっくりしているよ。
「王都には、ウチはリーゼルが。ミュラー家はおじい様とおばあ様がいるけれど、3人はあまり面識が無いのよ。お父様も領地に戻っているでしょう? お前じゃ何かあっても間を取り持つ事は出来ないでしょうし、私も向かうことにしたの」
「……なるほど?」
何やるのかはわからないが、リーゼルなら大抵のことは無難にこなせそうな気もするし、大丈夫だとは思う。
ただ、セリアーナが言うように、両者の間を俺が上手く取り持つことが出来るかって言うと、自信無いしな……。
そう考えると、セリアーナも一緒に行くっていうのは理解出来る。
だが、そうなると領地に領主夫妻がいなくなってしまうし、屋敷には子供だけが残る事になってしまう。
いくらエレナたちがいるとはいえ、それはどうなんだろう。
ウチで謀反が起きるとは思えないが、あまり隙を見せすぎるのもいい事ではない。
だからミネアさんを呼んだ……のか?
「去年の春頃に、セリアーナさんから連絡を受けていたの。もしかしたら来年の春に自分も王都に行くかもしれないから、夫が領地に戻って来ているようなら、こちらに来れないかって」
「ほーう……」
「私がリアーナを離れるには、領都の問題を片づけておく必要があったけれど、そちらも無事済んだし、王都に出向く事に問題はないわ」
去年の春って事は、俺は聞かされていなかったけれど、戦争について動き始めていたころだよな?
その頃から計画していたのか。
セリアーナが言うように、領地を左右しそうな問題は、昨年秋にしっかり片付いたもんな。
相変わらず、こういう微妙に長期間の策を考えたがるねーちゃんだな……。
そう、呆れ半分に感心していると、セリアーナの後ろに立つテレサが「姫」と口にした。
「少し前に、姫が街道の見回りをしていたのもその一環なんですよ」
「……ほぅ? あぁ……確かに、結構な数を倒したもんね。少人数での移動だったら、どこかで襲ってきてたかも。あぁ……いや、船で来たんだっけ?」
俺が見回っていた領都以西の、街道沿いの草原等に生息する魔物は、ちょっと勘が鈍っていて、あまり相手の力とかを考えずに襲いかかったりもする。
しかも、数が多かった。
ミネアさんは、ゼルキスから少数でやって来たみたいだが、もちろんそんな少数での移動を許されるんだから、護衛の兵は一流なんだとは思う。
それでも数が多ければ脅威になるし、それを考えたら、俺に街道沿いの魔物の掃除を任せたっていうのは理解出来る。
ただ、船を利用した南経由でやって来たんだよな……。
もちろん、予定を急遽変更したってのは考えられる。
1週間以上かかるところを、半分以下の日数で済むわけだしな。
だが、違ったようで、セリアーナは俺を見ていつもの笑みを浮かべている。
「お前に任せたのは、街道に目を集めるためよ。領都にはもう怪しい者はいないけれど、まだ領内がどうかは分からないもの。流石に、お前に手を出すような者はいなくても、他所の貴族が移動していたら、それを狙う者が絶対にいないとは言えないでしょう?」
「……なるほど」
普段は何もしない時期に、俺が街道の見回りをしていたら、重要人物が来ると考えるかもしれない。
そして、まだ領内に残っているかもしれない反乱分子をそっちに集める……。
俺が見回りを始めてから一ヶ月近く経っていたもんな。
それだけ時間があれば、情報が領内に知れ渡るのには十分だ。
で、そっちに注意が集まっているうちに、より安全が強化された南回りのルートで、ミネアさんたちは悠々とやって来る……と。
……なるほど。
もう一度俺は頷いた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・13枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




