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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 拠点周辺の森で狩った魔物は、一旦拠点まで運ばれることになる。

 そして、そこで解体されるか、そのまま領都まで運ぶかが分けられるが、今回はここで解体するそうだ。


 これが、ゴブリンやオオカミ等の数が多い小型の場合だと、解体の手が足りなくなるので、領都まで運んでいたが、今回は大物が中心で比較的数は少なめだ。

 ここだけで十分対応できるんだろう。


「オレは領都に帰るけど……2人はどうするの?」


 拠点に到着して、冒険者ギルドの前まで行くと、魔物の死体が解体所に運ばれていくのを見送りながら、今日はこれからどうするのかを、2人に訊ねることにした。

 俺は帰るが、彼等は帰ったり残ったり色々だからな。


「今日は俺は残る予定だが……アレク、お前はどうする?」


 ジグハルトは残るそうだが、アレクはどうするのかな?

 アレクの方を見ると、拠点内の様子を気にしているのか、キョロキョロ見渡している。

 だが、それも終わり、ジグハルトに返事をした。


「俺も残りましょう。これだけ中に大型の死体があったら、壁の外にも臭いが漏れるでしょうし……」


 領地の西側の草原では、そこの魔物は死臭を警戒して、そこに近づいてきたりはしないんだが、魔境の場合だと別で、むしろ確実に餌がある上に、強力な魔物もいるかもしれないと、襲ってくることもあるらしい。

 強力な魔物を食らえば、その分自分たちの力が増したりするそうだしな……。


 今回はオーガを複数倒したし、その死体を拠点内に持ち運んでいる。

 ここで解体までやって、その後の作業は領都に運んで行っているが、量が多いと解体が終わるまで何日もかかることがあるし、その間は、こちらに保管することになる。

 もちろん、明日以降はその分も他の荷と一緒に領都へ運ぶが、少なくとも今夜はここに置くことになるだろう。


 んで、それを狙って魔物が襲ってくることを、2人は警戒している様だ。


 どんだけおっかない土地なんだろうな……ここって。


「違いない……。なら、お前にも任せるか」


「ええ。セラ、そういう事だ。兵たちは今日の分の処理が完了したら街へ戻すが、俺も今日はここに残るから、街にはそう伝えておいてくれ」


「りょーかい。それじゃあ、こっちはよろしくね!」


 この2人が残るなら、余程のことがあっても大丈夫だろう。

 お陰で、気兼ねなく帰る事が出来る。


 俺は2人に手を振って挨拶をすますと、【浮き玉】を領都に向けて出発させた。


 ◇


 拠点から帰還した俺は、アレクたちの事を伝えようと、一先ず騎士団本部に向かうことにした。


「…………ん?」


 東門から中央通りを通って貴族街に入ったのだが、そのルートはいつもと変わりないが、上から見ていて、そこはかとなく街に違和感を覚えた。

 別に人通りが増えていたりするわけでは無いが……なんだろう?

 特に何かあるとかは聞いていないし、大したことじゃないんだろうが、ちょっと気になるな。


「ふーむ……? わからん」


 まぁ……ここで浮いていても仕方が無いし、本部で報告のついでに聞いてみるか。

 騎士団本部では妙な動きはしていないし、少なくとも事件って事は無いんだろう。


 ◇


「ミネア様が来てる?」


「ああ。昼を少し過ぎた頃にお越しになったぞ。護衛はゼルキスの騎士とルバン卿の村の兵が務めていたな」


 さて、本部に到着して、騎士団本部の職員に報告を終えた俺は、街に何か起きたかを訊ねたのだが……どうやらセリアーナの母親であるミネアさんが街に来ているらしい。


 俺はもちろん聞いていなかったし、彼等もそうだったみたいだ。

 何の備えもしていなかったんだろう。

 本部の奥にある隊長たちのスペースで、バタバタしている気配を感じる。

 街がいつもと違った雰囲気だったのは、その影響もあったのかもしれないな。


 しかし……ルバンの村の兵も一緒って事は、南回りの水路を利用してリアーナにやって来たんだろうけれど、一体どうしたんだろう?


 そのルートを使った場合は、向こうの屋敷を発ってから3日か4日もあれば、この街に到着出来る。

 だが、たとえその数日の事とはいえ、俺たちには何も聞かされていない。

 流石に、セリアーナにも伝えていないって事は無いと思うが、アレクたちも向こうに残っているし、きっと彼等だって聞いていなかっただろう。


「……何の用かとかは?」


 そう聞くと、職員の彼は困った様な表情で首を横に振った。


「いや……何も聞いていない。屋敷にはリック隊長が詰めているから、何か説明を受けているかもしれないが……。その様子じゃ、副長も何も聞いていなかったようだな。まあ、何かわかったら教えてくれよ」


「ふぬ……」


 ミネアさんがリアーナへか……。

 強いて理由を探すなら、俺の養子入りの件が思い当たるが、それなら王都に行く途中で向こうの屋敷に顔を出せば済むはずだ。

 ミネアさんが護衛付きとはいえ、単身でここまで来るには理由が弱すぎる。


 わからんね。

 さっさと屋敷に帰って聞いてみるか!

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・13枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] サプライズでお洋服をたくさん持ってきたのかもしれない!
[一言] 義母と義姉が揃ったらスーパー義妹いぢりタイムの予感しかしない というか何のご用なんでしょうね?
[良い点] 更新乙い [一言] 偉い人のノーアポ突撃はやめてくださいしんでしまいます
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