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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
22章・今年は冬も慌ただしい

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「そうね……。まだ準備が出来ていないけれど、来月の10日かその辺りになるはずよ。お前は今の街道の見回りを終えたら、その後は遠出する予定を入れないようにしなさい。もっとも何も無ければお前は屋敷から出たりはしないでしょうけど……」


 そう言って、セリアーナはフフっと小さく笑っている。


「ほむ……」


 今度は小馬鹿にされたような気がするが……王都には結構早く行くことになりそうだな。


 今もそうだが、大事な用が控えている以上、ダンジョンで狩りをする訳にはいかないだろう。

 俺がそうそう危険な目に遭う事は無いだろうが、それでも、万が一って事もあるかもしれない。

 ……というよりも、ダンジョン外ではあるが、その万が一ってのも何回か遭遇しているな。


 一応向こうにはリーゼルたちがいるし、ウチの王都屋敷もあるから、生活する分には問題無い。

 近くにミュラー家のお屋敷もあるから、顔を出したりして、暇を潰すことも出来はするだろう。


 しかし……それでも2週間くらいは時間が出来ちゃうな。

 セリアーナが言うように、屋敷でゴロゴロするだけになりそうだけれど……どうしたもんか。


 その考えが、俺の顔を見ていたエレナに伝わったようで、今まで聞き役だった彼女も会話に加わってきた。


「セラ。君の外での任務は後1週間ほどで終わるんだよね? アレクやジグハルト殿が、今は東の拠点を中心に行動をしているから、君もついていったらどうかな? セリア様、2人がいるなら問題無いでしょう?」


「ぬ?」


「ああ、そうね。屋敷でずっと転がっているよりかはマシかもしれないわね。セラ、いいわね?」


「うん」


 俺の返事に、セリアーナは満足そうに頷くと、次の話題に移っていった。


 春間近になって、人の移動が再開し始めたことから、各地の流行の情報も入っているらしく、王都を中心とした他領のファッションについて話をしている。

 服のシルエットがどうの、色がどうの……。

 あまり彼女たちは普段の服装を大きく変更する事は無いが、それでもやっぱりファッションは好きらしい。


 んが、俺はそっちに興味はない。


 それよりも、東の拠点周辺での狩り。

 そっちの方が大事だ。


 今まで俺はあの辺りまで足を延ばす事はあっても、狩場として利用する事は無かった。

 あくまで、ただの見回りだな。


 理由は色々だ。


 まず、単純にあの辺りの魔物は強いという事。


 1対1ならそうそう後れを取る事は無いし、仮に倒せなくても逃げるだけなら余裕だが、呑気に1体だけでうろついている魔物はほとんど見ないからな。

 どうしても、複数を相手取るとなると、危険度が増してしまう。


 次に、死体の処理が面倒な事。


 張り切って倒しまくっても、死体の処理をどうするか……だ。

 あの辺で、俺の回収依頼を受けてくれるような冒険者がどれだけいるかわからないし、巡回の兵を利用しようにも、昔ならともかく、今は見回る範囲も広がって彼等も忙しいだろう。


 かといって、回収しないとなったら、死体を灰になるまで燃やすくらいしか無いが、あそこでそれはな……これは、森全般で言える事だが、森のど真ん中でそんなでかい火を起こせないし、やっぱり死体は回収するしかない。


 他にも色々あるが、あのハードな狩場で狩りをするよりも、もっと手前でやっても俺の場合は結果が変わらないし、わざわざあそこまで行く必要が無かったんだ。


 そこへ、アレクたち保護者付きで行く。

 当然、その2人だけじゃなくて他の兵も一緒なわけだし……ちょっと楽しくなりそうだな!


 ◇


 街道の見回りを開始してから1週間ほどが経った。


 毎回戦闘になるわけではなかったが、それでも戦闘になる時はなる。

 戦う魔物の種類に大差は無く、大半がオオカミとゴブリンで、強さも通常の魔物よりは弱く感じる程度だった。

 余裕の勝利だな。


 俺の場合は一人でフラフラしているから、襲ってきていたが、武装した人間がまとまった数で移動していたら、そうそう襲われることはないだろう。


 ってことで、順調に見回る範囲を消化していき、今日のこの領境にあるソールの街でラストだ。

 ここでは街から街道を少し西に行った場所で戦闘が起きたが、問題無く一掃する事が出来た。


 そして、街に駐留する兵と商人と、たまたま手が空いていた冒険者を連れて、死体の回収にやって来たわけだ。


 他の場所と一緒で、やはり戦闘跡には魔物も獣も近付いて来ようとしないようで、魔物の待ち伏せに遭うようなことは無く、護衛に腕利きを揃えるような手間は必要なくなっていた。


 もちろん、それで気を抜くような事は無く、俺はしっかり周囲の警戒をしていたのだが、そこへ、この隊を率いている隊長が、俺に向かって声をかけてきた。


「セラ副長、回収は終わったが、魔物の気配はもうないか? 後ろを突かれたくは無いが……」


「無いね。他の場所でもそうだったけど、死体の臭いで近付こうとしないらしいよ」


「確かにひどい臭いだしな……。よし、さっさと撤収するぞ!」


 その声に、あちらこちらから返事が返ってくる。


 結局何のためにこの街道の見回りと魔物退治をしていたのかはわからないが、大きな問題も無く完了したし、良かった良かった。

 王都に行くまでちょっとの間だが、これで東の拠点で遊べるな!

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
ここまで読み進めてみたんですがなんというかカタルシスがないですね… ほぼ全ての出来事が誰かの想定通りで驚きの展開がないというか…
[良い点] 更新乙い [一言] 皆で遊びに遠出する ピクニックかな?
[一言] ソロ狩り(お仕事)からソロ狩り(プライベート)へ 魔素の濃度差は狩りに影響しますかね?
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