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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
4章・王都で金貨もザックザク
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「…ぉぉぉぅ」


高い!風が強い!怖い!


村とついでに森も一望できる高さまで高度を上げたんだが…何メートル位だろう?

5~60メートル位かな?

気持ち的には100メートル以上ありそうだけど…。

付いて無いけど何かがヒュンとしそうだ。


さて、村はそんなに大きくない。

全部で20戸程だろうか?

村全体を木の柵で囲ってある。

近くに畑は無いし、狩猟が中心なんだろうか?


振り返り森の方を見てみる。

川で分断されているが中々の大きさの森だ。

見える範囲だと小動物と、鹿らしき動物がいる。

奥の方に魔物っぽいのがいるが…よくわからんな。


「よっし、出来た!」


上からの簡単な見取り図だが、何かの役に立つかもしれない。

あまり上手くは無いが、画材のせいにしておこう。


「んじゃ、行くか」


高さに慣れてきたし、大分落ち着いてきた。


村から伸びている道を辿り街道に出る。

来た時は右に曲がったから進路はその逆だ。


まだ俺を捕まえに行った連中は戻って来ていないようだけど、どこまで行ったんだろうか?

緩い傾斜はあるが遮蔽物の無い草原地帯だ。

にもかかわらず姿が見えない。


【隠れ家】の事は知られていないだろうし、【浮き玉】に乗っている事は気づかれないだろうから、上の警戒は薄いと思うが…。


もう少し高度上げるか…?



月や星の光はあっても、視界はほとんど黒一色。

そこに煌々と浮かぶ王都。


「ぉぉ…アレが文明の光……!」


脱出してから1時間半といったところか?

川を越えたり、森を迂回したりと、街道を辿るだけながら中々手間取ったが、途中でどこかは知らないが領都を発見してからは速かった。


領主の館の正門は、王城の反対側にある。


王都の屋敷で掃除を手伝っている最中に聞いた豆知識だが、そのお陰で20分程で無事王都に辿り着くことが出来た。

お礼にいいお酒でも用意しよう。


しかし、暗いね。

この世界は!


まぁ、灯りはお金かかるからね。

ここまで遅い時間だと、領都ですらほとんど灯りが落ちていた。

にもかかわらず、真夜中だってのに、王都のこの明るさ。


思わずアホなこと言ってしまう位、他所と格の違いを見せつけている。


さて、いざ王都に戻ってきたはいいがどうしたものか。

この時間だと門も閉じているだろうし、事情を話そうにも普段の格好ならともかく、今は甚平だし…。


……越えるか?


検問破りは罰せられるとは聞いたが、見逃しただけかもしれないが結局俺を捕まえに行った連中はここまで見かけなかった。

いくつか分かれ道もあったし、途中の村に拠点でもあってそこで休憩しているだけかもしれないが、捜索を諦めて、この下町での待ち伏せに切り替えられていたら、見つかってしまうかもしれない。


下町の方を見るとこの時間でも活動している人間の姿は少なくない。


「やるか」


どこから越えよう。


商業地区のある西側は本来なら一番警戒が緩いだろうけど、穴掘ってあったのここだし、今は警備が一番多い。


南の王宮や貴族街は論外。

詳しい事は知らないが、あの一帯は街壁や城壁に仕掛けた魔道具で警備システムが作られているそうだ。

俺もあそこの出入りはちゃんと門を使っているし、無理だ。


教会や外国人居住区のある北側も、要人が多いだろうし警備は厳重なはずだ。


となると、東の冒険者地区だろうか?


…マジで?

普通に見つかる気がするんだけど…。

見つかっても話せばわかってくれそうだけど、その前に撃ち落とされるかもしれない。


暗闇に王都を見た時はほっとしたけど、突破するとなるとこの明かりが憎いぜ…。


高度を上げればいけるかもしれないけれど、これ以上上げるのか…。

止め止め。

眠くなってきたし、一旦【隠れ家】で休んで明日にするかな。


早く戻るにこしたことは無いだろうけど、そこまでの無理をする事じゃない。


「ん?」


決してビビったわけでは無いが、突破を諦め、【隠れ家】を発動するのに良さそうな場所を見繕っていると、門が開き、馬車と護衛なのか騎馬が一騎出てきた。


そして騎馬は迷うことなく浮いている俺のもとに走ってくる。

明かりを上に向けて振っているし、俺への合図だろうか?


「ん~…?ってアレクじゃん」


なるほど…俺がここまで来ていることに気づいたのか。

てことは、馬車に居るのはセリアーナかな?

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】・11枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・19枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【】・【赤の盾】・2枚

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