表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
22章・今年は冬も慌ただしい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

805/2047

800

 領都の一つ西にある、アリオスの街。

 そこから街道を西に10キロほど下ったところの、さらに道から外れた場所に、俺はいた。


 リアーナは、街や村の外は、農場に使われている場所以外は大抵森になっていて、街道のすぐ側もそうだ。

 そして、その森には普段から魔物が潜んでいる。


 冬の2月、3月は、貴族学院の入学に合わせて王都に向かう者たちが、一気に移動をするため、その彼等を危険に遭わせないために、騎士団が見回りをして、魔物の討伐を行っている。

 もちろん、この一帯の魔物も討伐を行っていたのだが、魔物がいない空白地帯が出来ると、それはそれで、他所の魔物が流れ込んでくることがある。


 魔物は基本的に夜行性で、日が出ているうちに森から出てくることは滅多に無いが、絶対という訳じゃない。

 新しい場所にやって来た群れは、まだ縄張りを上手く固めておらず、昼間にも関わらず、フラフラと森から姿を現したりもする。


 まぁ……所詮は急造の群れが、同じく急造の縄張りではしゃいでしまっているだけだから、ちょっと突けばすぐに森に引っ込むそうなんだが、俺はセリアーナに退治を命じられたし、その際の権限も得ている。

 それなら、しっかり仕事をこなさないとな。

 普段から怠けている自覚はあるが、それでも仕事に関しては、俺は今まで手を抜いたことはほとんど無い。


 ってことで、真面目にお仕事お仕事。


 ◇


 数日前にセリアーナから命じられた、街道周辺の見回りに出ていたのだが、そこで街道を移動しているオオカミの群れを発見した。


 幸い、近くに人はいないし人里からも離れた位置で、相手をしなくてもいいんだが、わざわざ倒すべきかどうかで迷っていると、こちらに向かって吠えかけてきた。

 少し無視して移動してから下を見たのだが、未だに追って来るし……。


 以前夜間に移動した際にずっと追ってきたことがあったが、これはこいつらの習性なのかもしれんね。


「よっし……。ふっ!」


 このまま移動を続けてたらそのうち諦めるかもしれないが、今の俺の任務は移動じゃなくて、討伐だ。

 一息で恩恵品と加護を発動すると、群れの真ん中めがけて急降下を開始した。


 昼間だし、目潰しは無しだ。

 やるぞー!


「ほっ! てぃっ!」


【緋蜂の針】を発動した右足で、真ん中の1体を踏み潰すと、すぐさま真横のもう1体めがけて振り抜いた。

 その一撃を食らったオオカミは、悲鳴を上げること無く何メートルも吹っ飛んでいき、起き上がる事は無かった。

 一撃だな!


 ただ、オオカミはその2体だけじゃなく、群れの残りはまだまだいる。

 だが……。


「やれっ!」


 背後から飛びかかってきたオオカミたちを、俺の号令に従ってヘビたちが迎撃する。

【琥珀の盾】と【風の衣】があるから、オオカミ程度の攻撃じゃーどうともならないんだが、だからと言って攻撃を食らって気分がいいわけは無いし、しっかり迎撃してもらわないとな。


 群れの残りをヘビたちに任せて、俺は周囲の索敵を行うが……森の端には魔物の気配があるが、こちらまで出てくる様子は無い。

 あいつらは放置してOKだな!


 一方、その森と街道を挟んだ反対側の草原地帯では、俺たちを狙ってなのか、あるいはそのオオカミの死体を狙ってなのかはわからないが、魔物や獣がジワジワと包囲の輪を狭めてきている。


「お? 終わったかい?」


 近づく魔物たちを睨んでいると、残りのオオカミたちを片付け終えたのか、アカメが俺の顔の前に頭を伸ばしてきた。

 アカメだけじゃなくて、他の2体も消耗は無い様子だ。


 リアーナの魔物ではあるが、魔境の魔物じゃ無いしな。

 俺がさっき蹴り飛ばしたオオカミもそうだったが、同じ種族でも、魔境の魔物に比べてあまり強くはない。

 というよりも、むしろ通常よりも弱いだろうか?


 今俺たちに近づいて来ている魔物たちもそうで、どれも弱いし危険度って意味では無視していいんだ。

 普段の俺だったら、そうしていると思う。

 その程度だ。


 本来魔物は、森や山といった魔素が濃い場所に生息していて、こういった開けた草原には生息しないらしい。

 魔素が散らされてしまって、魔物が育ちにくい環境なんだろう。


 じゃあ、今ここにいるのは何なのかって話だが、本来の住処を追われた魔物が移り住んだんだ。

 草原は広いし水場もある。

 そして、小動物もいるから餌には困らない。


 もっとも、草原の魔素は薄いから、定住しても世代を重ねる毎に弱くなっていくそうだ。

 ほとんど普通の獣と大差ないし、襲い掛かってでも来ない限りは、無視してもいいんだが……。


「やる気みたいだしな……!」


【影の剣】と【紫の羽】と【琥珀の剣】を除いて、一気に発動している威嚇モードも効果は無いようだ。

 一の森の魔物とかだとこの状態の俺を避けたりするんだが……すぐ側に餌になりそうなものが転がっているとはいえ、こいつらちょっと鈍ってんのかな?


 放置するわけにもいかないし、しゃーないな。

 殲滅だ!

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 殲滅だおじさんになったセラちん 殲滅だ!!
[良い点] 久しぶりに蛇君達が出てきた!
[一言] オオカミも普通のオオカミだと魔王種装備の効果は無いか。なんなら懐いてお腹出すのが何匹かいたら領地的にはありがたいかもしれないけど。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ