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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
22章・今年は冬も慌ただしい

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 全ての国の代官の役割がそうなのかはわからないが、リアーナの代官ってのは、任地を守るのと住民の抑え役ってのが大きい役目だ。

 魔境と接する最前線じゃなくても、魔物は他の地域よりもずっと遭遇頻度は高いしな。

 そして、冒険者の様に荒っぽい連中も他所に比べて比率が高く、気を抜くと、街全体が荒れてしまう事もある。


 昔のルトルがまさにそんな感じだな。


 まぁ、あれはゼルキス領都と距離がありすぎる上に、当時は教会を中心とした一派が力を持っていたため、街を維持する事に専念して、無理に市井に介入する事を避けていたからってのが理由ではあるが……それなりに秩序は保ててはいたが、ほとんど無法状態だったらしい。

 だから、そうならないように代官はしっかりと自分の任地に屋敷を構えて、目を光らせているんだ。

 それだけじゃなくて、細かい事務作業だってあるにはあるが、やはり、一番大事な役目はそれだな。


 じゃあ、アレクはどうなのかってなるが……。

 馬でちょっと飛ばせば、東の拠点は領都からすぐに行き来出来る。領都で暮らしながらでも、十分代官の役目を果たせる。

 それに、アレクの名前はやっぱり大きいからな。

 領都のすぐ近くで、彼が治めるとなれば、そうそう変な事態にはならないだろう。


 うん……いい采配だ。


 なら次は……。


「んじゃ、北は?」


 アレクが東の拠点の代官に収まるのはいいとして、それなら北はどうなんだろう?

 アレクがやるのならオーギュストもって訳にはいかないだろう。

 アレクを東の代官に据えるのは、短時間で行き来出来るっていう特殊な立地があってこそだ。


 北ってまだ何も作っていないよな?

 何日か行ったところには街があるし、作るとしたらそことの中間くらいか……?


 まぁ……どこに作るのかはともかく、オーギュストはただでさえ騎士団団長の仕事が忙しいし、流石に彼に任せるって事はないだろう。

 それでも代官に就けるのだとしたら、そちらに専念してもらうことになるはずだ。


 公爵領の騎士団団長と公爵領の領都至近距離の街の代官……。

 どちらが名誉な事かはわからないが、魔王種討伐や魔物の襲撃の撃退等々、武の方面で彼には箔付けをしてきたわけだし、そう簡単に彼の代わりを務められるような者がいるとは思えないし……無いな。


 どうするんだろう?


 寝転がりながらセリアーナの言葉を待ちながら、彼女の方を見たのだが、いまいち表情がすぐれない。

 もしかしたら、まだ決まっていないのかな?


「お前、街は欲しい?」


「いらない」


 なに言ってんだこのねーちゃん。


「でしょうね……。北に関してはまだ白紙ね。そもそもまだ何も手を付けていないもの。一応候補地はいくつか挙がってはいるけれど……」


「あぁ……。もうちょっと後になる予定だったの?」


 そういや、西部が手を退くっぽいから、これを機に進めようとしているんだ。

 本来ならもう少し後になってからだったろうし、どこからか招聘するか、あるいは育てるかしていたのかもしれない。


「そうよ。お前が欲しいのなら本当に任せてもいいのだけれど……。まあ、アレクもルバンも私の派閥だし、北はリーゼルに譲ってもいいわね」


「オレはいらないなぁ……。んじゃ、誰になるかってのはまだ決まってないんだね」


 なんか声色が本気っぽいが、それでも俺はいらないしな。

 しっかり断っておこう。


 しかし、派閥の問題もあったか。

 順当に行くと、領都の周囲を固める三つの都市のうち二つの街の代官が、セリアーナ派閥になるわけだ。

 それは、俺たちの代はよくても、先のことになるとわからないし、注意しないといけないんだろう。


 代官職は、確か世襲ってわけじゃ無いんだが……。

 それでも、敢えて代えるような事をやらかさない限りは、そのまま引き継ぐことが多い。

 ゼルキス領の時もそうだったもんな。

 そんで、リアーナ領に分割される際の再編で、ちょっとゴタゴタしたんだった。


 領都を囲む街がセリアーナ派閥で埋められて、何代か後に結託して領都に対抗されたりしたら、厄介なことになったりもするし、一つはリーゼル派閥の人間に任せておいた方がいいよな。


 俺に任せるっていったのは、地位に固執しないから取り上げやすいとでも思われてるのかな?

 当たっている。


「ええ。リーゼルも今は折角王都にいるわけだし、向こうで人を色々調べているんじゃないかしら? それに、一度に何か所も街づくりをするのは、西を警戒する必要がなくなったとはいえ、流石に負担が大きいわ。ダラダラする訳にはいかないけれど、任せられる人材がいないうちから無理に進める必要も無いわ。まずは東から……。北はそれからね」


「ほうほう」


 丁度今は、まだ王都に国中の人間がいるはずだ。

 そして、リーゼルは王都にいるし、人材探しなら好都合かな?

 彼ならあちらこちらに顔が利くし、情報集めついでに色々やっているだろう。


「王都に行った時に旦那様に聞いてみるかなー……」


「そうね。その頃には向こうの用も片付いているでしょうし……」


 そして、再びコロコロ転がり始めたが……そろそろ眠気が……。

 頭使ったからな。

 セリアーナがまだ何か言っているが……だんだん怪しくなってきた。

 ここらで休ませてもらうか!

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 町長セラちん!! 頭を使うと眠くなる特技持ちです
[一言] ほしいと言わないだろうけど言ったらもらえる やはり姫だな
[良い点] やる気さえあれば街を一つ任せて貰える信用( ˘ω˘ )b セリア様はそう言う冗談は言わないからセラさんはもっと自覚すべき
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