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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
22章・今年は冬も慌ただしい
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 しかしまー……豪快な話だよな。

 街の拡大が難しいからって、近くに街を作ろうって考えるのは、土地が余りまくっているからこそだけれど、他所の領地だと中々出来ないだろう。


 俺が知っているのは、リアーナから王都までの街道沿いの景色だけだけれど、一見土地が余っているようでも、平地は農場に使われていたりしていて、ろくに空いていなかった。

 小ぢんまりとした村でもいいのならそれでもいいんだろうが、発展が望めない場所にわざわざ移住しようって者は、そうそういないだろう。


 俺が移動していたのは王都より東の、まだ開拓が完了していない領地であるにもかかわらず、そうだからな。

 王都以西は、余っている土地なんてないんじゃないかな?

 もちろん、それだけ領地の開拓が進んで、発展しているって証なんだろうけどな。


 先日訪れたゼルキスの領都がそうだが、領地のハード面で発展させるには、街の内部に手を加えていくだけだ。

 そして、ソフト面では人材育成かな?


 ウチもそのうちそうなるのかもしれないが、それはまだまだ先だな。

 今は、領都の東側……魔境を切り拓いていく事に集中だな。


「……あ」


「今度は何?」


 ふと頭に疑問が湧いて、再び声を上げた。

 そして、またもセリアーナが俺を見る。


「うん。領都の東と南と北に街を作ることになるんでしょう?」


「ええ。もっとも南は今ルバンが治める村をそのまま発展させるだけになるけれど……。それがどうかしたの?」


「街を作るのはいいとして、そこって誰が代官をやるの? 南はルバンがそのままやるんだろうけれど、他は? 新しく連れてくるのかな?」


 リアーナの民は排他的……とまではいかないが、それでも全く縁のない人間がいきなり代官になっても、大人しく従うかどうかだよな。


 ルバンの場合は、南の拠点を作る際にパトロンまで連れてきたし、その拠点を守るのにも彼自身が大活躍していたそうだ。

 そこまでやってくれたのなら、地元の者たちも彼に従おうって思うだろうけれど、ルバンは元々、貴族になって自分の治める地を持とうと準備をしてきたわけだし、中々彼ほどの人材は見つからないだろう。


 かといって、領内から拠点の発展の指揮を執りつつ、代官を務められるような者がいるかどうか……。

 いたかな?


 ぱっと思いつくのはオーギュストやアレクだが、オーギュストは騎士団の団長で、いざって時のリーゼルの護衛でもあるわけだし、この街を離れる事は出来ない。

 ってことで、彼は無い。


 アレクにしたって、2番隊の隊長で街の防衛も任されている身だ。

 そして、街にいる冒険者たちに睨みを利かせるためにも、彼はここを離れる事は出来ないはずだ。


 それに、二人ともこの街に屋敷を構えているが、その屋敷は街の防衛施設の役割も持っている。

 うん……無いな。


 となると……だ。


 ジグハルトは、出来るか出来ないかでいえば出来るだろうけれど、彼が代官を務めるとなれば、きっと住民も頼もしく思うだろうけれど、彼の性格を考えると引き受けるとは思えない。


 リックは……1番隊隊長の役目があるってのを差し引いても、ちょいと微妙かな?

 能力的には問題無いと思うが、住民からの人望はどうだろうな。


 うむ。

 無いな。


 それじゃあ、お次は……駄目だ。

 思い当たらない。


「お前が言うように、南はそのままルバンに任せる予定よ。西部との交流に変化が起きるし、南の村の役割がどう変わっていくかはわからないけれど、リアーナの水路の窓口であることに変わりは無いし、任せる事が出来るのは彼くらいでしょう。将来的に、彼が独立を考えているかはわからないけれど、あそこを任せるのは彼しかいないわね」


「うん」


 ベッドで転がっていた体を起こしてセリアーナの方を見ると、こちらを見下ろす彼女と目が合った。

 中々真面目な表情だし、結構重要な話なのかもしれないな。

 ちょいと真面目に聞こうかな?


 そう考えて、体を起こすことにした。


「東の拠点は、アレクに任せるわ」


「……アレクに? 領都はどうするの?」


 アレクは無いって考えた身としては、セリアーナがアレクに任せるつもりだって事に少々驚いてしまった。

 流石に、アレクへの負担が大きすぎないかな?


「問題無いでしょう。お前は東の拠点に行ったことがあるでしょう? 馬で数十分もあれば行き来が出来る距離よ。もちろん時折向こうに滞在する事はあっても、作業は日が落ちるまでに終わらせるでしょうし、それからでも差して時間がかからずに街に戻って来れるわ。それに、その時間は今の道の状態でだけれど、そのうち街道の拡大や整備も行うから、きっと時間をさらに短縮出来るようになるはずよ」


「……なるほど」


セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 出張、単身赴任、とかよりは普通に通勤だなあ
[一言] 領主の一族で機動力もある都合のいい娘が居るんだけど、政務能力は未知数だからどうなるか…
[一言] 誤字報告した場所で、行の途中(誤字報告では文末)が改行されています。 ※改行文字絡みの誤字報告はできません。
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