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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
22章・今年は冬も慌ただしい
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 つい先日、街壁の照明のメンテナンスを行っていたのだが、最近はさらに貴族街の照明のメンテナンスも行うようになっていた。


 こちらで行うのは街壁ではなくて、通りのあちらこちらに立っている我が街自慢の街灯の魔晶交換だ。

 コレのお陰で、貴族街は夜でもいつも明るく、安全に出歩くことが出来るようになっている。

 ……もっとも、夜に出歩くことは滅多にないけど。


 それはおいておくとして……貴族街は当たり前だが貴族の屋敷が建ち並んでいるし、作業をする者が少々うろつきにくい空気が漂っている。

 この一画だけは、他の領都や王都にだって引けをとらないレベルだ。

 そもそも、今が冬ということを差し引いても、あまり人が徒歩で出歩くようなことはないし……目立つよな。


 もう少し大がかりな作業だと、モニカを始めとした騎士団の兵が動くから、まだ少しはやりやすいだろうけれど、今回の作業はなぁ……。

 ほとんどただの電池替えだ。

 仰々しくやるような事じゃない。

 大事な作業なのは間違いないけれど、それだけの事で騎士団を動かすっていうのも、それはそれで良い印象は与えないだろうし、俺がやるのが正解だな。


 ってことで、ここ数日は貴族街のアチラコチラを飛び回っている。

 時折用事で屋敷から使用人が通りに現れるが、俺を見ては一瞬ギョッとして、すぐに俺と気付き用事を片付けに行く。

 自分でいうのもなんだけど、作業中の俺って結構珍妙な姿だと思うんだけどな……。


 お陰様でスムーズに作業を進められているし、いいんだけれど……あんまり感覚が麻痺しちゃうと、それはそれで大丈夫なんだろうかって気がして来るよ……。

 まぁ……屋敷を警備する兵は流石に俺から目を離さなかったし、それで十分かな?


 ◇


「……ここもOKと。後は……むむ?」


 この作業は貴族街の入り口手前から始めているのだが、連日ふらふらふよふよと街灯を求めて飛び回りながら作業を消化していき、今日は貴族街の南西側までやってきた。


 貴族街は、この街で暮らす貴族はもちろん、他領や外国の貴族の屋敷も建っていて、入口周辺から奥に行くにしたがって身分や立場が上がっていく。


 最奥の高台の上に領主の屋敷が建っていて、その途中に防衛施設も兼ねたアレク宅とオーギュスト宅が。

 そして、麓には騎士団本部を始めとした行政施設が建っている。

 だから、この高台周囲は除外だ。

 実質身分が一番上なのは、その高台の周辺の屋敷になる。


 リアーナ領は将来有望という事もあって、他所の多くの貴族が屋敷を持とうとしていた。

 ここの一等地を押さえる事が出来たなら、将来的にも大いに権勢を見せる事が出来るもんな。

 大人気だ。


 ……で、その大人気の土地にポッカリと空いた土地があった。


 貴族街の入口から真っ直ぐ進んだ突き当りがあって、そこはちょっとした広場の様になっている。

 で、そこを右に行くと領主の屋敷がある高台に行けるが、その土地は左に曲がって、2軒屋敷を過ぎたところだ。


 一応この貴族街でも、まだ土地だけ確保して屋敷の建設に着手していない場所もあるにはある。

 まだ、リアーナが出来て数年だしな。

 ただ、そんな場所でも資材を置いたり、その土地を押さえているってアピールをしている。


 だが、この土地は柵で囲って綺麗に整地こそされているが、何も置かれていないただの空き地になっていた。

 今まで気付かなかったが……なんだここ?

 一等地なのに、何でこんな風に無造作にしているんだろう?


 普段は屋敷から出て外へ行く時は大抵真っ直ぐ東に飛んでいくし、こちら側に来る事って街に移った初期くらいだ。

 今回の仕事でたまたま通りかかったから気付いたけれど……。


「セラ副長、どうかしましたか?」


 うぬぬ……と、その空き地の前で首をかしげていると、近くの屋敷を警備していた兵士が声をかけてきた。


「ん? うん……ここの空き地って、何かにするの?」


「そこですか……。確かご領主様が押さえていると聞いています。こちら側は領内ではなくて他領の方が利用されているので、ご領主様か奥方様の縁者の方が利用されるのではないでしょうか?」


 俺の問いかけに、彼は南西側を示しながら答えた。


「なるほどー……ありがとう」


「はっ」


 そう短く答えると、彼は再び持ち場へ戻っていった。


 詳しいことは聞く事が出来なかったが、それでも何となく今のでわかった事がある。

 ここの警備を担当できるのは1番隊だし、その彼が詳しいことを知らないとなると……これはリーゼルよりはセリアーナ側が確保した土地な気がするな。


 リーゼルは割とオープンな主義だし、よほど極秘にするような事でもない限り、情報は教えるだろう。

 セリアーナは逆に、秘密主義ってわけじゃないが内輪以外にはあまり情報を伝えたがらないもんな。


 考えてみれば、ゼルキス領の屋敷がここには無いんだよな。

 いざとなれば、俺がすぐに飛んでいけるし必要が無いのかと思っていたが、もしかしたらここに建てるつもりなのかもしれない。

 じーさんが、王都での役目を終えたらこっちに来ようかなとか言っていたし、それ待ちなのかもしれないな。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラ「そういえばオレもセリア様(奥様)の縁者なんだっけ」
[一言] セラ屋敷用の土地かな セラ倉庫用とも言う
[良い点] 更新乙い [一言] 大使館みたいなやつ
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