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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
22章・今年は冬も慌ただしい

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 さてさて、慰霊碑製作の方は順調だが、教会地区の方はどうなんだろうか?


 俺があそこの作業に立ち会っていたのは、もう1週間以上前の事だし、

 今やっているのは、あの場所をドカッと地下施設の場所まで掘っているところだが、あれだけの広さだもんな……。

 どれくらい進んだんだろう?


 一応セリアーナには報告は上がっているが、毎日毎日わざわざ詳細を報告してくるわけじゃ無いし、大体の事しかわからないんだよな。

 あの作業は1番隊が仕切っていて何となく近付きづらいから、俺も持っている情報量はセリアーナと大差は無い。

 って事で、騎士団とのやり取りを任されているテレサに、細かく話を聞くことになった。


 あの一帯全部を掘っていくと、掘り出した土が凄いことになるから、孤児院の地下にあったあの部屋を完全に破壊する事を最優先にしている。

 そのため、侵入口である井戸からではなくて孤児院跡地をまずは掘っていっているそうだ。


「この街の地盤は大分強固で少々時間はかかりましたが、つい先日地下の施設まで掘り進めて、あの部屋の天井部の破壊に取り掛かっています。事前の調査であの部屋が特に厚く頑丈に出来ている事がわかり、魔素が抜けかけていても少々手間取りそうですね。完全に破壊と撤去が完了するには、まだ少々時間がかかると思われます」


「そう……。まあ、事故が起きても困るし、急ぐような事でも無いし……問題無いわね」


「はい。ただ、あそこを破壊しさえすれば、魔素の抜ける速度もまた上がるでしょうし、作業の進行具合は変わるかもしれません」


「そうなの?」


 テレサの話を聞いたセリアーナがフィオーラの方を見てそう言うと、フィオーラは頷き、地下施設の素材やこの街の魔素の相性がどうのと、アレコレと説明を始めだした。


 そっちはそっちで話をしてもらうとして……この街の地盤は固いのか。

 先日の調査で分かったのかな?

 そうなると、確かに掘るのは大変かもしれないけれど、周辺の崩落とかにそこまで神経質にならなくていいのかもしれないな。


「あれ?」


 ふと疑問が頭に浮かんだ。


 一応建物を建てる際なんかは調査をしているだろうけれど、高層建築物とかは無いしそこら辺はあまり調べていなかったのかもしれない。

 ただ、冒険者ギルドとかこの屋敷の地下通路と繋がっている通路網とかはどうしていたんだろうか?

 アレは教会地区の地下の何倍もの規模だけれど……。


「どうかしたの?」


「ん? ……うん。あんまり関係ないことだけど、屋敷の地下から繋がっている通路とか作る時はどうしたのかな……って思って」


 俺はその作業には全く関わっていなかったから事情とかは知らないけれど、それでもセリアーナたちには何か伝わっていなかったんだろうか?


「作業は主に1番隊が担当したけれど、あの地下通路や冒険者ギルドの地下は謂わば街の機密でしょう? 内々に留めていたんでしょう。オーギュストは知っていたかもしれないけれど、私は特に聞き出そうとしなかったし……」


「あぁ……確かに。一々土が固かったとかは報告しないか……」


「そう言う事ね。……他にもこういう事はあるのかしら?」


 俺の疑問に答えつつも、首を小さく傾げるセリアーナ。


 この国は思いっきり縦社会ではあるが、身分の壁もある。

 今回の事はそこまで大事になる様な情報ではないが、天辺のセリアーナとリーゼルまで上がって来ないで、途中で止まっている情報はもっとあるかもしれない。

 加えて、横の繋がりもそうだ。


「責任者が私だけのうちに、一通り集めてみるのもいいかもしれないわね」


 リアーナだって領主のリーゼルとセリアーナの2人が派閥みたいなものを持っている。

 本人たちの仲は良好だし、それもあって協力する時は協力するが、派閥はそれぞれが独立して互いに連携をとるのはあまり無い。

 一応魔物とかに関しては、冒険者ギルドは騎士団の管轄だから、そこからの情報はリーゼルとセリアーナの2人がそれぞれ共有出来ているから、心配ないとは思うが……。

 本人たちにとってはそうで無いと思っていても、他からしたらそうではないって事もあるかもしれない。


 セリアーナが言うように、今なら彼女1人に権限が集中しているもんな。

 集めた情報の精査は大変だろうけれど……。


「それは良い考えですね。こちらで情報を纏めておけば、旦那様が帰還された後に渡せますし」


 テレサの方を見ると、彼女はむしろ涼しい顔でセリアーナに同調していた。

 まぁ……今はリーゼルたちがいない事もあって、領地の仕事は抑え目にしている。

 それに、冬の間は元々比較的仕事は少ないし、何とかなるのかな?

 兵と違って文官はそのまま街に残っているもんな。


 セリアーナも仕事に復帰したとはいえ、あまり忙しく無さそうだったし、丁度いい退屈しのぎになるのかもしれないね……。


 テレサとフィオーラも一緒になって、どこか楽しそうに計画を練っているセリアーナを見て、そんな風に考えた。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 普通なら権力の乗っとりもよぎるけど 優しい世界状態だから平気だな!
[良い点] 更新乙い [一言] 役割分担、専業化は大事だからね ライバル視程度なら健全な範疇かなあ?
[一言] 暇潰しにお仕事。 仕事が増えて、下は困惑。
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