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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
22章・今年は冬も慌ただしい

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「あらま……」


 階段の途中から見える光景に、思わず呟いてしまった。


 冒険者ギルドの地下にある、ダンジョン前のロビーは、セリアーナ監修の下ちょっとお洒落に造られている。

 最も利用者はゴツイ冒険者達なので、果たしてマッチしているかどうかは悩みどころではあるが……。

 ともあれ、今日もこちらは盛況で席は見事に埋まっている。


「よお! 副長!」


 階段から降りてきた俺に気付いた一人が、片手を上げて名を呼んだ。

 テーブルを2個繋げて6人で座っているが、どこかくたびれた雰囲気が漂っているしダンジョン帰りかな?

 ただ、そのくたびれたってのも雰囲気だけで、損傷をした様子は無い。

 ヘビたちや【妖精の瞳】抜きでも、立ち居振る舞いから彼等の強さがわかる。


 その彼等は、お茶を飲みながらいくつかの遺物を机に並べて、何事か話をしていた。

 本格的に飲みに行く前に、ここで反省会でもしているんだろう。


「やあやあ! 今日はもう狩りは終わったの?」


「ああ。昨晩から中層に籠っていて、ついさっき戻ってきたところだ」


「飲んでいるのは酒じゃねーがな」


 その言葉に、彼等は苦笑を浮かべながらカップを持ち上げた。

 確かに、中層で狩りを出来るような連中が、このお洒落空間でお茶を飲んでいるってのは、ちょっと笑えてしまうな。


「副長、フィオーラ様からの依頼だったんだが、アンタは何か聞いているか?」


「ぬ?」


 聞いてみると、最近フィオーラの依頼で中層の素材を採集する冒険者が増えているんだとか。

 彼等もその依頼を受けて中層へアタックをしているが、その素材で何を作るかとかは知らないそうだ。


 まぁ、依頼の達成に必要な情報は書いても、使い道までは書いたりしないもんな。

 ちなみに俺は、その使い道は知っている。

 知っているが……勝手に教えていいんだろうか?


 うーむむむ……。


「簡単には聞いてるよ。でも、オレが勝手に教えていいかわからないからね……。変な使い方じゃ無いし、依頼受ける時に聞いてみたら?」


「ぬ……。まあ、そこまでして知りたいわけじゃ無いしな……」


 と、俺の言葉に対してなにやら口を濁している。

 彼だけじゃなくて、他のメンバーもだ。


 あまり依頼品の使い道を詮索するのは、基本的にマナーに反しているが、今回のフィオーラは依頼主だし、使い道は領地に関するものだ。

 聞いたら教えてくれそうなもんだけれど……依頼を受ける時に根掘り葉掘り確認するのは、ベテランさんにとってはスタイルに反するのかな?


「まぁ、知りたくなったら聞いてみるといいよ」


「ああ、呼び止めて悪かったな。依頼自体は、騎士団の援助もあるし満足しているんだ」


「そっか……。んじゃ、オレは行くね」


 そう言って彼等に手を振ると、俺はロビーを後にした。


 ジグハルトほどじゃなくても、腕の立つ冒険者が美味しい狩場ってのはどうしても限られて来る。

 魔境なんかがまさにそうなんだが、そこまで辿り着くのが手間取って、いざ狩りをするって時には、もう消耗してしまうってこともざらだし、ここのダンジョンの様にサポートがしっかりしている狩場は貴重なんだろう。

 もしかしたら、彼等が依頼について詳しく聞かないのは、不興を買いたくないって思いがあったりするのかもしれないな。


 大丈夫とは思うが、それで不満を貯め込まれても嫌だし……帰ったらフィオーラにちょっと相談してみよう。


 ◇


 屋敷に戻った後はセリアーナに報告をして、それで今日の仕事は完了だ。

 完了なのだが……先程の事を思い出して、フィオーラの下へ向かう事にした。

 普段ならもう一日の活動を終了して、後はダラダラするだけなんだが……残業だな!


 んで、向かった先は地下研究室だ。

 つい最近までフィオーラは屋敷に詰めていたが、もう諸々の件が片付いたって事でこちらでの仕事を開始していた。


「フィオさんいるー?」


「いるわよ。入って来なさい」


 ドアを小さく開けて中に向かって声をかけると、返事はすぐに返って来た。


「ちょっと聞きたいことがあるんだけど……何してんの? 設計?」


 この部屋は、入ってすぐの場所にデカい机を置いている。

 打ち合わせだったり道具を広げたりと、色々な事に使われている机だが、今はその上に大きな紙を広げられて、色々な道具を使ってフィオーラが何かを描いていた。

 パッと見た感じ、線と記号で文字でも絵でも無いし、設計図のような印象を受ける。


 魔道具の回路等で、屋敷の設計とかにもフィオーラが関わっているのは知っていたが、実際に彼女が何かを描いているのを見るのは初めてな気がする。

 この世界には当たり前だが、CADなんて便利なものはないし全部手書きでやらなければいけない。

 それはわかっているが、いざこうやって目の当たりにすると、この人も何でも出来るよな……って感心してしまうよ。


 ほー……っと、口を開けていると、フィオーラは道具を机に置くとこちらを向いた。


「貴女が注文していた物よ。それで、どうかしたの?」


セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] なるほどアレを作るんですねアレを
[良い点] 更新乙い [一言] 人間3Dプリンタふぃおさん
[一言] ちゃんと確認してから教えようとするセラちゃん偉い
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