表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
22章・今年は冬も慌ただしい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

762/2049

757

 今俺がいる場所は会議室で、そこにはこの周辺の簡易地図が広げられている。

 この地図には、普段は目撃されないような場所で魔物を見た時などの、冒険者が狩場で目撃した情報を記していた。

 地図そのものは色分けなんかはされていないが、情報を提供される都度入れるチェックや備考で、大分カラフルになってきている。


 ちなみに、俺は広範囲を移動出来るから発見数も他の冒険者よりずっと多く、半分近くは俺からの情報だ。

 聞くところによると、有益な情報には報奨金みたいなものが払われているそうだが、俺は領主側の人間だから、無償だったりする。


「なるほど……」


 さて、俺からの報告を聞いた職員は、小さく安堵の表情を浮かべながら頷いた。


 俺の今日の報告は、どこも異常無し……っていう地味なものだったんだが、彼は結構役職的には上の方だろうし、教会地区の事も聞いているはずだ。

 だから、俺が最近川を中心に見回りをしている理由がわかっているんだろう。


 まぁ……実際は狩りをしたいからってのが大部分を占めているんだがな……。


「この分ならもう心配はいらないのかもしれませんね」


「だね。フィオさんも、何週間も異常報告は上がっていないし、もし川に流れ込んだりしていても、希釈されて問題無い濃度になってるだろうって言ってたよ」


 地上でも魔物や植物に異常は見られなかったし、川に関しても問題無しだ。

 これで、あの施設関連の問題は解決したって言っていいんじゃないかな?


「そうですね。ありがとうございます。冒険者に依頼するにも少々範囲が広すぎますし、ましてや季節が冬で、どうしてもダンジョンを優先したがるので……」


 そう言って苦笑を浮かべている。


 やっぱ狩りをするのはダンジョンが多いのか。

 外ではほとんど見かけなかったし、1階のロビーでも、たむろしている冒険者の姿はあまり見なかった。

 ダンジョン前のホールに集まっているのかな?


「今ダンジョンはどんな感じなのかな? 上層とか?」


 何だかんだでダンジョンにはもう大分行っていないし、狩場のトレンドとかも変わっているかもしれない。

 夏頃は上層がメインで、少し中層で狩りをする者がいるって感じだったけど……。


「ダンジョンですか? 今は中層が多いですよ。もうダンジョンが出来てから1年経っていますし、元々リアーナの冒険者は腕が立ちますから。それに、ここのダンジョン探索は内外でのサポートが充実していて、上層以降を目指しやすいそうです」


 そういった彼はどこか誇らしげな様子だ。


「ほうほう……」


 中層が増えている……と。


 ダンジョン前のロビーは、ちょっとしたカフェみたいな造りで、探索前の仲間集めだったり打ち合わせがしやすいようになっているし、内部のあちらこちらに騎士団や戦士団が事故に備えて目を光らせている。

 彼が言っているように、ここの冒険者は腕がいいし、サポートがしっかりしているのなら、奥を目指しやすい環境が出来ていた。


 ここのダンジョンは中層が大きな一つのホールになっていて、大量の魔物と戦わなければいけないため、少数で挑むのは危険が大きく、上層が中心になっていたが……人数を揃える事が出来るのなら、中層の方が効率はずっといい。

 あそこまでのルートがしっかり出来上がったのなら、補給や交代も可能だろうし、今後は複数パーティーが常駐することになるだろう。

 他所のダンジョンではなかなか出来ない事だな。


 そうなると、安定してダンジョン中層の素材が入手出来るようになるし、立派な売りになる。

 さらに冒険者を他所から呼べるようにもなるだろう。

 騎士団との連携がしっかりあって、リーゼルたちがその方針を取っているからって事もあるが、それを実現したのは冒険者ギルドだ。

 リアーナの発展には今後も冒険者の存在は必須だし、そりゃー胸を張れるだろう。


 しかしだ……。

 そうなると俺の中層でのあの熱い狩りはマジでもう出来そうにないな。


「浅瀬とかはどうなってるのかな?」


「浅瀬ですか? 死体が丸ごと必要な依頼などでは利用されていますが、今は浅瀬に留まって狩りをする者はほとんどいませんよ。また春になって、新人が増えてきたら変わるかもしれませんが……」


 空いてはいるが、狩りをする人もいるにはいるって事か。

 俺が狩りを出来る空気じゃなさそうだな。


「そか……。よし、報告はこれでもういいかな?」


「あ、はい。大丈夫です、お疲れ様でした」


「うん。お疲れ様ー」


 挨拶をすると、俺は出口のドアへと向かった。


 折角だし、帰りは地下通路で帰るか。

 途中でダンジョン前のロビーも見ておきたいし……。

 それにしても、結局今日も何だかんだで真面目に仕事をしただけになっちゃったな。


 息抜きのための川の調査だったけれど、狩りも出来ないままに終わっちゃったしなぁ……。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 体は闘争を求める( ˘ω˘ ) セラさん養子入りして落ち着くまで狩りできないんじゃないだろうか?
[良い点] 更新乙い [一言] 高まる狩り欲
[一言] > 真面目に仕事をしただけになっちゃった 大多数の大人はそれでいっぱいいっぱいなんですよ、セラ副長…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ