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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
4章・王都で金貨もザックザク
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エレナの後に付いてセリアーナの部屋へ行くと、アレクも居た。

護衛とは言え一応男性の為あまり入らないようにしているのに、珍しい。


「丁度良かった。はい、アレク」


忘れたりはしないが、先に渡しておこう。


「ああ…助かったよ」


お使いは完了だ。

さぁ来いっ!


「それで、何を拾ってきたの?敵意は無いようだけれど…魔物よね?」


難しい質問だ。


「…多分魔物なんだけど、何かはわかんないんだよね」


袖をまくり見せようとしたが…いない。

反対の腕もまくるが…いない。


「【浮き玉】から降りて、後ろを向きなさい」


どこだ?とあちこち自分の体を見ていると、そう言われた。

背中にでもいるんだろうか?

まぁいいかと、【浮き玉】から降り、背中を向ける。


「……ねぇ」


セリアーナがスカートと、下に着ているシャツもまくり背中を露出させる。

そうだよなー…俺ワンピース着てんだよなー…。


「ああ、いるわね。コレは何かしら?2人はわかる?」


抗議を無視し、3人で俺の背中を見ている。

照れるじゃないか…。


「アレク、これは…」


「ああ、潜り蛇だな…。セラ、手に移動するよう命じるんだ」


潜り蛇っていうのがこれの名前なのかな?まぁ、やってみよう。


「手に来い手に来い手に来い……ぉ?」


体を移動している感触は全くなかったが、シュルシュルと左腕を伝い手のひらに現れた。

20センチ程だが、手から離れ蛇の姿を見せている。

赤い目で中々愛らしい。

こちらは俺に巻き付いている部分と違って、丁度ロープの様な太さがある。

見つけた時と同じだ。


「蛇ね…不思議だわ」


手のひらに現れた蛇を不思議そうに眺めている。

このお嬢様は蛇は平気な様だ。

簡単な指示を出すとちゃんと言うことを聞いて、面白い。

中々賢いんじゃなかろうか?


「それで、どこで拾ったの?」


そういえばあの建物は倉庫でいいんだろうか?

それなら誰か持ち主がいるはずだが…。

流石に貴族じゃ無いよな?


「ふむ…」


経緯を説明したところ、アレクとエレナが考え込んでいる。

ちょっと深刻な顔しているけど、何かおかしなところでもあったんだろうか?

セリアーナは変わりないが…。


「潜り蛇自体は問題無いはずです。セラの言う事を聞きますし、拾った経緯といい、テイム出来ているはずです。後で騎士団本部に申請に行けば許可も下りるでしょう」


エレナが気になることを説明し始めた。


なんでも潜り蛇ってのは生き物の魔力に潜り込み、その状態で周囲の魔素を取り込む事で生きていくそうだ。

俺が拾った時は魔素を取り込む事が出来なくて弱っていたのだろう。


そして、俺がテイム出来たのは、【影の剣】と潜り蛇の相性が良かったからだ。

通常は捕らえてから餌付けをし、最終的に魔道具やら何やらを使って契約するようだが、ガチャ産のアイテムを持っていると稀に魔物側から近づいてくることがあるらしい。


今回が正にそれだ。

干からびかけていた時に自分に似た力を持つ者を発見し、呼びかけを行った。

あの妙な感覚はそれだったのだろう。


…何か俺運いいなー。


「それで?」


セリアーナが先を促す。

確かにこれだけだと何も問題無い、で終わるな。


「潜り蛇は深い山や森に生息し、そこを縄張りにする魔物や獣と共生するんです。そして、そこから滅多に移動しません」


「王都に居るのはおかしいってことね?例えば猟師や冒険者に付いていたのがはぐれたっていう事は考えられないの?」


「絶対に無いとは言えませんが、死にでもしない限り共生相手を変えることは無いと言われています。拾った建物が何かはともかく、人が出入りしているのに衰弱していた以上それは考えにくいです」


「アレク、貴方はどうなの?」


「俺も妙だと思います。考えすぎかもしれませんが、御館様に伝えた方がいいでしょう」


「まだ戻って来ていないわね…戻って来次第伝えるわ。貴方達も同席して頂戴」


じーさんにまで話が行くって事は…もしかして大事なんだろうか?


困ったね?


そう首を傾げながら蛇を見ると、向こうも同じく首を傾げている。


良い子じゃないか!

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】・6枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・19枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【】・【赤の盾】・2枚

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[良い点] 毎日更新楽しみにしてます! ペット枠来ました!!
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