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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
4章・王都で金貨もザックザク
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「じゃーねー」


「おう。赤鬼によろしくな!」


挨拶をし、冒険者達と別れる。

これでお使い完了だ。


リーゼルの依頼を終え数日、今一やる気が出ずダンジョンへは行っていなかった。

別に単にだらけていた訳では無い。

ワンミスで最悪死ぬわけだし、万全の状態になるのを待っていたのだ。


と、自分に言い訳をしてダラダラしていたのだが、アレクからお使いを頼まれた。

彼は順調に王都で有力冒険者達と顔を繋いでおり、ダンジョン探索も順調だ。

そんな彼だが、本来の役割はセリアーナの護衛だ。

今日は探索の報酬分配があったのだが、護衛の用が急遽入り、代わりに俺が報酬の受け取りに出向いたわけだ。


ちなみに赤鬼とはアレクの二つ名だ。


魔人の遺した棍棒と盾。

盾は王家に献上し、棍棒はルバン達が辞退したこともあり、ミュラー家の物となった。

あまり記憶に無いが倒したのは俺だが、あんなデカくて重たい物使えないから俺も断り、アレクが使っている。

【赤の盾】とオーガが使うような棍棒を振るう事から、赤鬼だ。

あまり表情を変えないし口数も少ないが、実はそのことを喜んでいるのを知っている。


「む?」


今度アレクをからかってやろうかと考えながら、屋敷に戻る道を【浮き玉】でふよふよと戻っている途中、貴族街の手前で視線では無いが、何かを感じた。


嫌な感じはしないが…ついに俺も気配を察することが出来るようになったんだろうか?

無視してもいいが…気になるし少し探ってみるか。


高度を上げ、何となく気になる方向へ進むと、商業地区の端にある大きな建物に辿り着いた。

ぐるりと塀を廻らせ、表と裏にあまりやる気は無さそうだが警備の人間がいる。

塀の上から覗いてみると、馬車が数台止まっている。

倉庫か何かだろうか?

勝手に入る訳にはいかないが…。


「ん?」


気にはなるが、どうしたものかと思案していると雨樋から垂れている黒いロープの様なものが見えた。


…アレな気がする。


辺りを見回すと、隣接する建物は壁側で窓は無し。

この倉庫らしき建物も同じく壁側で、門前の警備員の死角にある。

通行人もいない。


いける!


塀を一気に越え、そのまま壁を這うように上昇し屋根に登る。

そのまま外から見えないように低い体勢で、目標に近づく。


「何だこれ?」


雨樋に垂れ下がる黒いロープ。

1メートル程の長さだが、何なんだろうか?

これから妙な感じがするのだが…。


「ゎっ⁉」


セーフ…!

何とか声を飲み込んだ。


よく見るため、摘まみ上げようと手を伸ばしたら、急に動き出し一気に俺の影に潜り込んだ。

風に吹かれてとかでなく、明らかに意思を持っている。

生き物なんだろうが、こんな変なのは魔物だろうけど嫌な感じは全くしない。

本当に何なんだろうか?


体の下に広がる影を覗き込むが姿は見えない。

ただ、何故かはわからないがそこに居るのはわかる。

ペシペシ叩いてみるが、特に変わりは無い。


「うーむ……ひぇっ⁉」


何の感触も無かったが、屋根に付いた手に黒い影が這っている。

それに気づき、今度は声を上げてしまった。



見つかりはしなかったものの、あのまま屋根に張り付いているわけにもいかなかったので、ギルドと迷ったが屋敷へ移動をした。

危険かどうかわからないので中には入らず裏庭に降り、上着の袖をまくり肌を露出する。


「蛇だよな…?」


蛇の様な姿の影が腕にしっかりと巻き付いているが、痛みは無い。

試しに触れてみるが、自分の肌だ。

腕も触れられた感触がある。

蛇は触られている感触はあるんだろうか、もぞもぞ動いている。


…蛇は嫌いでは無いけど好きでも無いんだが、嫌な気はしない。

不思議だ。


「セラ」


「⁉」


後ろからエレナが声をかけてきた。

裏庭の、それも端にいるのになぜ気づかれたんだろう?


「お嬢様が呼んでいるよ。おいで」


あー…そういやあの人レーダーみたいなスキル持っていた。

この蛇の事もバレてるな…。

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】・6枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・19枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【】・【赤の盾】・2枚

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