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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
1章・さらば孤児院。よろしく異世界
7/1997

05

「むう…これも外れか…」


女神像に捧げていた聖貨をわきに置く。


聖貨を女神像に捧げるってのが作法だと思ったんだけど、違うんだろうか?

前手にした聖貨と見た感じどれも一緒だし、これでいいと思ったんだが…。

38枚全て試したが、どれも何も起こらなかった。


このまま寝かして換金できるようになるまで待つってのも有りかもしれないが、これだけまとまった量がせっかくあるのだし、それはもったいない気がする。


「気合かな…?」


最初の時を思い出してみるが、気合入れてたっけ…?


「はあああぁあああぁぁぁっ!」

「きえええぇぇええぇええっ!」

「ちょぁあああぁぁぁぁぁっ!…けほっけほ…」


むせた。

そして何も起こらなかった…。


「やっぱ違うか…」


引き当てた時はともかく、ガチャが発動した時は特に気合入れてなかった。

となると…。


「数か?」


2、4、6…10!

キリ良く10枚で行ってみよう。

10枚ずつ重ねていたうちの1つを掴み、女神像に捧げた。


「おっ…⁉」


10枚で正解だったのか、1秒ほどしてから頭の中でドラムロールが鳴り響いた。



「前は隠れ家欲しいなーとか考えてたら見事に来たけど、何かそういうのあるのかな?何がいいかなー。魔法とかいいかも?超強いやつ!」


ソファーから立ち、小躍りしながら気合と共にポーズを決め叫んだ。


「カモンッ!」


ドラムロールがファンファーレに変わり、頭に言葉が浮かんでくる。


「…ん?」


浮かんだ言葉は【浮き玉】

訳の分からない物が来た…。

何だ?これ。


そんな事を考えていると、顔の高さの目の前に、何やら黒い物が現れ、そして…


「お…?って、どぅぇぇええぇぇ⁉」


ゴズン!と重量感の音を立てながら、床に落ちた。

慌てて身を躱したが、裸足だし直撃したら危なかったかもしれない。


「…何これ?」


息を整え、ペタペタと触れてみる。


バスケットボールくらいの大きさだろうか?

黒い球体で、硬く冷たいものの金属とは違う気がする。

そして重たい。

10キロ以上はあるだろうか?持ち上げられるが、無理をせずゴロゴロと隅へ転がした。


少々思っていたのと違ったが、まだ後2回出来る。

気を取り直してやってみよう。


「良いの来い良いの来い良いの来い…」


そう念じながら聖貨を捧げ、ドラムロールが鳴るや即止めた。

浮かんだ言葉は【魔鋼】


「…んんん?」


また知らん物が出た。

さっきの失態を繰り返さないよう、1メートルほど下がりながら様子を見守っていると、黒く四角い物が現れ、そして…


ガンッ!


と、またも重量感ある音をたて床に落ちた。


「……何なんこれ?」


黒く光沢のあるレンガブロックサイズのインゴットだ。

つつくと、キンキンと硬い音がするが、鉄や鋼鉄。

この世界にあるかはわからないが、アルミやジュラルミンとも違う。

【魔鋼】と言うようだが、ファンタジーな物なんだろうか…?


「おっ…重いっ」


見てもこれが何かわからないから次行こうと、隅に持って行こうとしたのだが、これが重い。

さっきの玉も重かったが、それどころじゃない。

多分20キロ以上ある。

俺より重いんじゃないか…?


「ひぃひぃ…」


座って足の裏で押しながら何とか移動させられた。

結構ゴリゴリ行ったはずだが、フローリングに傷は入っていない。

この部屋自体ファンタジーの産物だし、そんなもんなんだろうか?


それはさておき、残り18枚で、多分後1回で終わりだ。

今の所よくわからない物しか出ていない。

共通点といえば重たいって事くらいだが、それは多分関係ないんだろう。


「良いの出ろ良いの出ろ良いの出ろ…」


先程と同じくそう念じながら再び聖貨を捧げた。


「良いの出ろっ!」


例によってドラムロールが鳴り響く中、今度はより気合を込めて叫んだ。

そして浮かんだ言葉は【影の剣】


こっこれは!良い物か⁉

剣!それも何か影!

これは、ファンタジーの香りがするぞ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 100枚貯めて回した方がお得なのかなぁ?よくある10+1
[良い点] 猫ババした38枚の聖貨でスキル38個は流石にイージーモード過ぎると思いました。 しかしそれを裏切り10枚で1スキルとは他人の聖貨のレートが高い! まーその方が社会的には良いのかな。
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