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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
19章・春のリアーナは忙しい?

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 冒険者ギルドを出ると屋敷に真っ直ぐ向かい、リーゼルの執務室から入ると、セリアーナの部屋に向かって風呂に入った。

 そして、着替えを済ませた後に再びリーゼルの執務室へ。

 まだ髪は乾いていないが、タオルを巻いているし向こうで誰かに乾かしてもらうつもりだ。

 まぁ……髪を含めていつもの事だな。


 さて、執務室に到着して部屋の中に入り、髪を乾かしてもらおう……そう思ったのだが。


「あれ? アレクがいる」


 部屋の中のセリアーナ側の列で、我らが隊長のアレクが文官に交ざって机で何やら書類仕事をしている。

 先程俺が窓からここに入った時は、彼の姿は無かったんだが……。


「ああ。ついさっきな」


「ほーぅ……。何してるの?」


 ふよふよと近づくと、机の上には数冊のファイルと書類が広げられている。

 ちらっと見た感じ、人名に出身地と思しき地名が併記されていた。

 アレクの事だから、てっきりまた何か魔物の生息地とか面白そうなことを書いているのかと思ったんだが……違ったかな?


「無所属の冒険者のリスト作成だな……。ほら、お前はさっさと向こうで髪を乾かしてもらえよ。そろそろ昼飯だぞ?」


 つまらなそう……と、顔に出てしまったのか、アレクは苦笑しながらセリアーナたちの方を指してそう言った。

 タオルを巻いているし水滴を垂らす様な事はしないが、言われてみたらごもっとも。

 セリアーナたちの方を見ると、既にテレサが席を立ち準備に取りかかっていた。

 うん……さっさと乾かしてもらおう。


 ◇


 昼食後は午後の仕事前に、リーゼルの執務室の隣に備え付けられた談話室に集まって、お茶をすることになった。

 メンバーは俺たちセリアーナ組に、リーゼルとカロスにロゼ。

 そして、オーギュストとミオに、1番隊からは副長でついでにカロスの息子でもあるアシュレイが参加している。

 いつもよりちょっと大人数だな。


 リックがまだ調査から帰還していないからだが、彼は普段あまりこういった場に顔を出す事が無いので、ちょっと珍しい。

 もっとも彼は会話に参加したりはせずに、ミオと共にオーギュストの給仕に徹しているあたり、しっかり線を引いている気がする。

 まぁ……彼の役職は副官でもあるし裏方さんだな。


 と、いう訳で、立派な副長の俺はふんぞり返ってお茶を飲みつつお喋りに興じている。


「今日さ、ダンジョンの帰りに冒険者ギルドの1階で、ジグさんが街を離れているのは本当かって聞かれたんだよね」


 今日もダンジョンに異常はなく、俺の狩りも冒険者たちの狩りも順調だという事を話していたのだが、ふと帰還時の事を思い出した。

 彼が街を離れた事はともかく、その理由である竜種の事は隠す必要があるから適当に誤魔化したが……あれで良かったのかな?


「お前の答え方で問題無いけれど……その冒険者はお前が知らない相手だったの?」


「うん。見た事無い人たちだったね。まぁ、冒険者ギルドでも馴染んでたから、変な人たちじゃないと思うけど」


 セリアーナは話を聞いて怪訝な顔をしているが、別に返答に問題は無かったようなのに、何か気になる事でもあるのかな?


「セラ君が見覚えの無い冒険者となると……まだこの街に来て時間が経っていない冒険者だね。時期的には雨季前かな?」


「かも?」


 リーゼルの言葉に、首を傾げつつ応える。

 雨季前は冒険者ギルドに近づいていなかったし、多分その頃だろう。


 冒険者は私生活はともかく、狩りに関する事は結構規則正しかったりする。

 特に魔境ともなればな。

 俺に声をかけてきた冒険者は他所から来たんだろうし、尚更だろう。

 だから、彼等は恐らく普段からあの時間帯に冒険者ギルドに集まっている冒険者だと思う。

 俺がダンジョンでの狩りを切り上げる時間と被っているが、今まで見た事無かったし……うん……リーゼルの言う通りのはずだ。


 しかし、セリアーナは何を気にしてたんだろう?

 再度首を傾げていると、エレナが小さく笑いながら話しかけてきた。


「君は随分親しまれているんだね」


「ぬ?」


 親しまれ……なるほど。


 これでも騎士団の副長サマだ。

 本来ならもうちょっと壁があってもおかしくない。

 それも、まだこの街に来て間もない者たちなら、距離を置いてもおかしくない。

 我ながらよくわからない存在だしな。

 よほどの緊急事態ならともかく、少なくとも噂の確認程度の事で話しかけるっていうのは少々危険だろう。


 親しまれている……いいえて妙だ。


「侮られているだけじゃなくって?」


 しかし、セリアーナは呆れた様な顔でそう言ってきた。


「ぬぬ?」


 侮られている……それも有り得る気がしなくもない……か?


 若干不安になりかけたところで、アレクも加わってきた。


「大丈夫でしょう。少なくともこの街で活動している冒険者で、セラを侮る者はいません。他所から来た冒険者は、現地の冒険者に倣う事がほとんどですからね。その連中にしても、リアーナに慣れていないからこそ、ジグさんが街を空けた事を気にして、敢えてセラに声をかけたんでしょう」


「あー……確かにそんな感じだったかも」


 そう言うと、アレクは「な?」と笑っていた。

 セリアーナは少々不服そうではあるが、俺はアレクの言った通りだと思う。

 最近領主のマントを纏ってちょっと目立ったし、その事はそれなりに知られているだろう。

 そんな中、冒険者ギルドの1階って目立つ場所で俺を侮る様な素振りはしないはずだ。


 うん。

 セリアーナの気にし過ぎだな。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・6枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・39枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] >セリアーナの気にし過ぎだな。  いやいや。  セラと面識がないのに、セラをセラと確実に認識して声をかけたってのは怪しすぎですって。  特徴とかは事前にどこかで聞いていてある程度知っていて…
[良い点] 更新乙い [一言] 何か色々ゴチャゴチャくっ付いてるから、本体サイズだけ見て侮るのも中々難しそうなセラちん
[一言] 普通なら侮らないだろうけど……わからんぞ( ˘ω˘ )
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