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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
19章・春のリアーナは忙しい?

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2月4日にドラゴンノベルス様より2巻が発売されます。

また、活動報告で簡単にですが、記事を上げています。

どうぞご覧あれ。

 さて、室内履きを履いたはいいが裸足のままだったので少々落ちつかない。

 ってことで、パタパタ走り始めると、俺の部屋の前で待つ2人を通り越して一旦セリアーナの寝室に向かった。

 そこで、滅多に使った事の無い靴下を履いたのだが、うむ……やはり、素足のままよりも靴下を履いた方がしっくりくるな。

 準備が出来たところで、再びセリアーナたちの下へ急ぐと、セリアーナは腕を組んでこちらを睨んでいる。


「お待たせ!」


「ええ、待たされたわね」


 セリアーナはそう言って、目の前まで駆け寄った俺の鼻を人差し指でピンと弾いた。

痛くは無いが、ついつい鼻を押さえてしまう。


「まあ、いいわ。お前から入りなさい」


 その俺を見て気を取り直したのか、さっさと中に入る様に手でドアを指して、俺の肩を押した。

 どうやら俺に先を譲ってくれるようだ。


「うん」


 それじゃー、中に入りますかね。

 買ってきた物は把握しているけれど、一体それをどう置くのかってのはちょっと予測できないし、俺も楽しみだ。

 ふふん……この世界のお貴族様のセンス、試させてもらうぜ!


 ◇


「……わぉ」


 部屋に入った俺の第一声はそれだった。


「あら、悪く無いわね」


 ちなみにセリアーナの感想はこうだ。


 この部屋は、2階の廊下の一部と隣接する部屋の間の壁を取っ払って、一つの大きな部屋に繋げたものだ。

 といっても、その間の壁は全部取り除いたのではなくて、ドアがあった場所を中心に片側だけそのまま残していて、ちょうど仕切りの様になっている。

 さて……その部屋なのだが、元廊下だった部屋の手前側が、大幅に雰囲気が変わっている。


 左側に棚が並んでいて、反対の右側に絵が飾られているのは今朝までと一緒なのだが、この広い部屋はそれだけではまだまだスペースが余っていた。

 んで、まずは左の棚は少しずつずらす事で隙間を作り、その間に買ってきたトルソーを置いて、俺の狩り用の服を着せている。

 昔誕生日で貰ったケープや、王都で作った狩り用の服なんかもだ。

 手前から順に並んで行って、今俺が使っているオオカミのジャケットやサイモドキの帯なんかもしっかりある


 それらに4つトルソーを使い、残りの1つにはミネアさんから貰った服の中の一着である、青のワンピースが着せてあった。

 そして、その並びの奥の仕切りになっている壁には鏡が置かれている。

 この手前のエリアで着替えを済ませる様にしているんだな。


 反対側には絵が並んでいる。

 それは今まで通りだが、違うのは壁際に置かれた背が高いスタンディングテーブル。

 それが2脚。

 さらにその側には同じく背の高い椅子がある。


 ……見えるわ。

 反対側で着替えた俺に対して、この机に肘をつきながらあーだこーだ言う姿が。

 まぁ……セリアーナが肘をつく姿ってのはちょっと想像できないが、多分そのために置いたんだろう。


 奥のソファーを置いたスペースも見てきたが、そちらは変化は無かった。

 大きく変わったのはこちらのエリアだけか。

 だが、いくつかの家具を追加しただけで、雰囲気はガラリと変わった。

 模様替え前までは、シンプルで広い部屋だったが、なんというか、これって……。


「どう?」


「おわっ!? びっくりしたー……」


 部屋の変わり様に驚きながら、ぐぬぬ……と戦慄いていると、横から飛んできた言葉に思わず声を上げてしまった。

 声のした方を見ると、フィオーラが机に肘をつきながらこちらを眺めている。

 俺の感想を待っているんだろうが……口元に笑みを浮かべているし、自信有りって感じだな。

 うむ……出来は認めよう。


「うん……なんか凄いね」


 一見ブティックや画廊といった雰囲気なんだが、ちょっとそれらとは違うんだ。

 俺が一番近いと感じたのは、カフェだ。

 個人経営のこじんまりとしたものだが、そこで何故か服や絵、雑貨そして本……。

 店主の趣味の品を扱っている、そんなお店。

 それだ。


 この部屋も、負けず劣らずお洒落空間。


 しかし……それをどう表現したものか。

 あんまり捻りの無いことしか言えないな。


「フィオーラ、アレはどうするの?」


 部屋の中のあちらこちらを見ていたセリアーナが、こちらに戻って来ると入口を指してそう言った。

 彼女の指す方を見ると、ドアの隣には今日買った帽子掛けが置かれている。

 部屋の変わり様に気を取られて、見逃してたな……。


 この部屋に来る前にセリアーナの部屋を経由するし、帽子を脱ぐならそこだよな。

 そもそもここに通されるような面子で、帽子を被る人っていたっけ?


「ああ、アレはセラのゴーグルやポーチを掛けるのに使ってもらうわ。今はまだ整備から戻って来ていないけれど、使うでしょう?」


「そうだね。今まで奥に置いてたけど、ここに置けるなら外に行く時とか便利かも……」


 フィオーラの言葉にコクコクと頷いた。


【隠れ家】にいろんな物を置いているが、中にはメンテナンスが必要な物も有ったりする。

 で、職人だったり商業ギルドからの使いが御用聞きに来る事もあるが、その時俺がいない事も多い。

 意外と俺は出かけている事があるんだ。


 先日纏めてロブの店にメンテに出したのも、何だかんだで機会を逃していたからだ。

 流石に俺の私物を、セリアーナの執務室に置いておくわけにもいかなかったからな。


 しかし、ここならそれも問題無いだろう。

 後で、ヨガマットも出しておこうかな……?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・39枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラの部屋がただの物置から、豪華でお洒落で瀟洒な物置へと! >> トルソー 服は畳んだまま置いていたりハンガーに吊り下げたりするよりも、トルソーに着せておいた方が長持ちする可能性も……?
[一言] これが伝説の人差し指鼻ピン!?(見るところが違う)
[一言] お部屋がオシャンティーに!
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