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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
19章・春のリアーナは忙しい?

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 リーゼルの執務室で、みんな揃っていつもの様にお仕事タイムだ。

 昼食をとった後も、再びこちらで黙々と。


 昨晩セリアーナがしたためていた、オオカミの活用法についても議論され、無事可決された。

 ついでに、魔物のオオカミはもちろん、獣の狼の捕獲や繁殖も視野に入れていくんだとか。

 イヌの方が手間はかからないが、戦闘力を考えると、その手間を含めてもオオカミの方に軍配が上がる。


 まぁ、騎士団を動員して積極的に捕獲に動くってわけじゃなく、魔物の討伐や領内の警備任務のついでだったり、捕獲した冒険者の情報を回してもらうように冒険者ギルドに話を持って行ったりと、気の長い話ではあるが、そのうち領内の各街でオオカミを見かけるようになるのかな……?

 ちょっと楽しみ。


「粗方片付いたし……少し休憩にしようか」


 ソファーでゴロゴロしながら、第3第4のオオカミ君たちに思いをはせてウヒウヒしていると、仕事がひと段落したからか、リーゼルが休憩を提案した。

 時計を見ると3時過ぎで、終業にはちと早いもんな。


 リーゼルは、執事のカロスにお茶の用意を命じると、俺が寝転がっている応接スペースに向かって歩き始めた。

 それを見て、部屋の面々もそれぞれ休憩に入っている。

 セリアーナたちもこちらに向かってくるが……隣の部屋じゃなくてこっちで休憩をするのか。

 ほんじゃ、俺も寝転がってちゃいかんね。


「よいしょ」


 体を起こすと、枕代わりにしていた本を脇にのけて、彼等が座れるスペースを作る事にした。


 ◇


 セリアーナたちもこちらにやって来て、しばしお喋りをしていたのだが、お茶が運ばれてきた事でその会話が中断された。

 そして、一口飲んだところで、一つセリアーナに聞きたいことを思い出した。

 別に夜でも構わないのだが、リーゼルがいる今の方が丁度いいかもしれない。


「ねーねー、セリア様?」


「なに?」


 彼女もカップを置くと、隣に座る俺を見た。


「あのさ、今年は俺って何時頃ゼルキスに行くの? いつもだとそろそろだと思うけれど……」


 例年……というほどではないが、それでも春の雨季前には、俺はお隣のゼルキスに数日だが滞在している。

 といっても、大した事はしていない。

 セリアーナやリーゼルの手紙を届けて、親父さんやミネアさんたちにこちらの様子を伝えて、たまに【ミラの祝福】をかけて……。

 後は、ちょっとダンジョンを覗きに行ったりと、ほとんど遊びに行っている様なものだ。

 向こうでの扱いもただのお客さんで、リアーナの使者ってわけじゃないしな。


 だが、それでも俺が行く意味ってのはあったりする。

 いつもなら、そろそろセリアーナなりリーゼルなりが、俺を向かわせると連絡をしていて、このあたりで行って来いって伝えてくるんだが……今年はまだ何も言ってこない。

 俺は何時でも行けるが、それでも雨季は避けたいし、向こうだってあまり忙しくなる時期は避けたいだろう。

 そこら辺はどうなってるのかなーと思い、尋ねたのだが……。


「ああ……。今年は無しよ」


「ぬぬ?」


 セリアーナからの予想外の言葉に思わず、変な声を出してしまった。

 ついでに驚きが表情にも出てしまったようで、ペチっと俺の額を叩くと、セリアーナが口を開いた。


「今年は、向こうが少し忙しくなるのよ……」


 以前少しだけ話題に出たが、大陸西部の一部の国との交流が上手くいっていない問題は、どうやらウチだけじゃないようだ。

 ゼルキスも船を使った輸送を行っているしな。

 この分じゃ、南のマーセナル領も影響がありそうだ。


 魔物絡みなら少しは役に立てそうなんだが、これは完全に政治的な問題で、俺がどうこう出来るような問題じゃない。


「ぬー……ん……。ちょっと予定が空いちゃうな。何しよっかな?」


 しかしだ……。

 てっきり今年もお泊りする事になると思っていたから、ゼルキス行きに間に合うように、ゴーグルなどのメンテを出していたのだが、そんなに慌てて出す必要は無かったかな?


 まぁ、別にいつも大した用事を入れているわけでも無いが、ゼルキス行きを想定していた期間も含めて、思ったよりも長い空白期間が出来てしまった。

 何すっかなー。


 そんな事を考えて腕を組みながら唸っていると、リーゼルが良いことを思いついたといった顔で、話を振ってきた。


「雨季前だし、ダンジョンも外の狩場も混んでいるからね……少し狩りはし辛いだろうね。どうだろうセラ君。君は自分の部屋を持たないか?」


「部屋?」


 今この屋敷に俺の部屋は無い。

 ゼルキスから移って来た当初は俺の部屋も用意する予定はあったのだが、結局セリアーナの部屋に居ついて、今に至っている。

【隠れ家】もあるし、護衛の役割も考えると一緒にいられる今の状況は、理に適っていると思う。

【隠れ家】の詳細を知らないリーゼルも、その事はわかっていると思うんだが……はて?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・39枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] >> イヌの方が手間はかからないが、戦闘力を考えると、その手間を含めてもオオカミの方に軍配が上がる。 大型犬なら狼に引き取らない戦闘力を持っていると思う。 魔物の方にはさすがに敵わないけど…
[良い点] ウヒウヒしている [一言] 本を枕に、ヘソ天でソファーの肘置きに足を乗せて、パンツが捲れた所から覗いて、クッションを抱えて涎を垂らしながら夢想する。誰にも見せられない! 公然の恥態。
[良い点] 新しいお部屋楽しみです! リーゼル様、策士!セラの荷物置き場を作るだけでなく、これでセリア様をちょっとセラ離れさせて子供をもっと作る気ですか!?
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