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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
18章・冬のリアーナのアレコレを

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 それじゃーっ!

 気を取り直してっ!

 もう一回いくぞー!


「……ほっ」


 心を落ち着かせてから新たな聖貨の束を掴み、聖像に捧げた。

 そして脳内に鳴り響くドラムロール。

 興奮せず、穏やかな心で……無の心で……むむむ。

 そして……。


「ふぬっ!」


 気合いを込めて、ストップさせた。

 ドラムロールはすぐに鳴り止み、浮かんだ言葉は……。


「んがっ!?」


【魔布】だった。


「あら、外れたみたいね……」


「2連続。セラだとちょっと珍しいでしょうか?」


 俺の反応を見て、好き勝手な事を言うセリアーナたちは無視して、現れた【魔布】をキャッチする。

 これもなー……物自体は良いんだよ。

 魔糸と一緒に使うと、よりその性能が発揮できるし、セットで考えると悪い物じゃ無いんだ。

 ガチャで出たんでなければ。


 ……いかん。

 よくよく考えたら、これもう聖貨20枚消費しちゃったぞ。

 聖貨1枚で金貨20枚。

 金貨1枚が大体10万円くらいの価値って考えたら……4000万円?


 ……まじ?


「…………ぉぉぅ」


 思わず呻き声が漏れてしまった。

 ガチャを回すと決めた事こそ後悔はしていないが、もうちょっと……なんというか……1回1回全力でやったらよかった気がする。

 なんかこれ、以前も考えたことがある様な気がするな。


「セラ、お茶が入ったからお前も頂きなさい」


 聖像を睨みつけて、ぐぬぬ……と唸っている俺に向かって、セリアーナがストップをかけてきた。

 いつの間にやら新しいお茶が入っていて、部屋の中にはその香りが広がっているが、どうやら集中し過ぎていたようで、気付かなかった。


「……ぬ。もらう」


 少々思考が迷走していたし、一息つくには丁度良いか。

 セリアーナの言葉に頷き、セリアーナの隣のソファーに座った。


 ◇


 お茶を飲んでお茶菓子を食べて……ちょっと頭がリフレッシュできた気がする。

 2連続の外れでついつい動揺してしまっていたが、後1回あるし、そもそもそこまで痛手ってわけじゃ無い。

 確かに数字だけを見ていくと、結構な額になるが、その気になれば俺ならすぐ取り戻す事が可能だ。


「んじゃ、最後の1回いくぞー!」


 再び聖像の前に立つと、両手を上げて気合を入れた。

 ついでに【祈り】と【ミラの祝福】も発動だ。

 気楽にいってもいいが、だからといって無気力でやっちゃうのも女神様に失礼ってもんだ。

 効果は多分無いんだろうが、気分的なものだが……自分の周りが光っているとアガるね!


「ほっ!」


 聖貨を捧げて、三度鳴り響くドラムロール。

 先の2回のガチャは、謂わば前座。

 今回で当たりを引くための布石に過ぎないんだ。


 きっと出る……なんか出る……凄いの出る……。

 いいの出ろっ!


 目を閉じながらそう強く念じて、ストップをかけた。

 そして、浮かんだ言葉は……【猿の腕】。

 当たりだ!


「……あら? 当たりかしら」


 セリアーナの声に目を開けると、眼前に少しキラキラとした光が見えた。

 彼女もそれに気付いたんだろう。

 ぬふふ……当たりだぜ。


「【猿の腕】だって。なんか聞き覚えあるんだけど……なんだっけ?」


 周りで恩恵品を持っている者も、コレは持っていなかったはずだが……何故かその名に聞き覚えがある。

 なんかの物語に出てたっけ?


 なにはともあれ、宙に現れたソレをキャッチした。

 銀一色で幅1センチメートルほどの金属製の輪っか。

 腕って名前が付いているくらいだし、バングルかな?


「お前の【蛇の尾】が出た時に、ソレと似たような物があるって話をしたな。覚えているか?」


「……うん? あっ!?」


 アレクの言葉でふとその時の記憶が蘇った。

 確か肩当てか何かで、そこから腕が生えて自由に動かせるとかなんとか言っていたな。

 今はバングルだけれど、開放したらまた形が変わるタイプかも知れない。


 とりあえず、アレクに聞いたのと同じ物なら危ない物って事は無さそうだし……サクッと済ませて発動してみようかな!


「セリア様!」


 下賜と開放を行おうと、パタパタとセリアーナの下に駆け寄ったのだが……。


「コレは必要無いわ。お前が使いなさい」


「あら?」


 尻尾とか羽とか足環とか……結構えり好みが激しいな、このねーちゃん。

 自分の体に直接作用する物は嫌いなのかな?

 まぁ、いいや。


「んじゃ、開放するね」


【赤の剣】と違ってコレなら俺が自分で扱えそうだし、何かとバタつくことの多い俺にとっては、腕が一本増えるっていうのは中々の大当たりだ。

 ちょっと楽しみになってきたぞ。

 バングルを腕に装着して何となく腕をイメージすると、ほんのりと淡い光を放ち、銀地に黒いラインが1本走った。

 そして、光は消えてもう何も起こらない。


「……あれ?」


 確か肩当てだったはずだけど……バングルのままだぞ?


 周りを見ると、皆も同じ様な表情を浮かべている。

 実物を知っているはずのアレクもだ。

 ここからもう一段階変形するとか……?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・39枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 伝え聞いてた情報がフェイクだったのかな? ……セラさんによってフェイク情報を暴かれた恩恵品それなりにあるな
[良い点] だんだん魔王化してますね。貧弱魔王様!
[一言] ようやく腕が増えるのか… 目指せ姦姦蛇螺!
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