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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
18章・冬のリアーナのアレコレを

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ダンジョンから帰還して、まず俺が向かったのは屋敷の地下にある研究室だ。

冒険者ギルドの地下通路からも繋がっているため、外の人間とは顔を合わせることは無い。

冒険者たちも、何かの実験をしている事は知っているわけだし、別に極秘任務ってわけじゃ無いが、もしかしたら探索の難易度に変更が生じるかもしれない事から、商人連中の耳に入ると冒険者をせっつく者も現れるかもしれない。

もっとも……それで探索具合がどうこうなる様なことは無いだろうが、余計な手間は増えるだろうしな。

コソコソ出来るんなら、そうするのが良いだろう。



「こんにちわー」


研究室に到着して中に入ると、中では相変わらずよくわからない器材が稼働していたり、薬品の調合だったり、何かの図面を引いていたりと、皆が忙しそうに仕事をしている。

ここはもう、季節とか関係無いな。

記念祭の前後以外はいつも誰かが作業をしている。


そして、その中には……。


「セラ副長! お疲れ様です」


「あらモニカ。今日はこっちでお勉強?」


「はい!」


俺の言葉にハキハキ答えるモニカ。


彼女にはフィオーラ経由で話が行き、最近は大型魔道具の勉強をやっている。

恐らく春にはメンテナンスの手伝いとかをやったりするんだろう。

もちろん外での任務もやっていくんだろうが……多分こっちの方が重要度は上そうだしな。

今後はここで彼女の姿を見る事も増えそうだ。


んで……だ。

モニカと話をしていると、奥からフィオーラも姿を見せた。


「ご苦労様。今日のはどうだったかしら?」


前置きも無く成果を確認するフィオーラ。

彼女らしい。


「うん。バッチリ! オオザルの他にも試したけれど、十分だったよ。これならオレ以外が使っても大丈夫じゃないかな?」


それを聞いて満足気に頷くフィオーラと、喜びの声を上げる他の術師たち。

彼等も加わっていたのかな?


「あの……」


盛り上がる彼等に遠慮してか、コソコソとモニカが話を聞きに来た。

爆発玉に関してはどうやらほんの少ししか知らないらしい。

まぁ、彼女はダンジョンに入る事は無いからな……無理もない。


ってことで、説明と言えば大抵フィオーラが行っているが、今は彼女もアッチにいるし、代わりに俺がやろう。


「コレの最初のは知ってる?」


「はい……少しですが。強すぎて? 駄目だったと聞いています」


戦闘用なのに強すぎると駄目ってのがいまいち理解できないのだろう。

不思議そうな顔でそう言った。


「そうそう。コレって魔物に当たったら発動するんだけど、動いている魔物に何十メートルも離れた所から当てるのって難しいでしょ? だから近づいて投げなきゃいけないんだけど、それだと自分や周りの人間まで巻き込んじゃいそうだったんだよね。ダンジョンは人が死ぬのは駄目って聞いてるでしょ? だから、周りに被害が出るような物は駄目なんだ」


魔物に体当たりされたらってのもあるが、それはこの際省いておこう。

ともあれ、なんとなく初期型の問題点は伝わったようだ。


「で、ちょっとずつ改良を重ねていって、出来上がったのがコレなんだよね。魔物に命中したら発動ってのは一緒だけど、効果が違うんだ。ダンジョンに入った時から、ダンジョン内の魔素を一定量吸収するんだって。んで、発動した時にその魔素が中身と反応して、破裂するんだ。その音と衝撃で、魔物を足止めする物だね。威力だって最初のに比べたら低いけれど、ゴブリンくらいなら1発で倒せるんだよ」


結局、魔物と接触したら発動するだけに、体当たりなんか食らった時の危険度は変わらないが、初期型と違って衝撃だけだし、よほど当たり所が悪くない限りは、怪我をしても命を落とす様なことにはならないはずだ。

少なくとも、死体が消滅するって事態は避けられるだろう。


「ああ、その問題も解決できるわよ」


「ぬ?」


もうアッチはいいのか、こちらへやって来たフィオーラが話に加わってきた。


「接触といっても、要はダンジョンの魔物の魔力が流れ込まなければいいのよ。だから、魔力を遮断する袋を用意すればいいわ。どうせそれもここのダンジョンでしか使えない物だし、素材も豊富よ」


素材は何かわからないが、この口振りだとダンジョンの魔物を使うのかもしれないな。


「……なるほど。それなら受付とかで支給して、ダンジョンから帰還する時に回収するとかでもいいね」


「ええ。使用頻度も調べられるしね。それはそれで面白いデータが取れそうね。セラ、協力感謝するわね。貴女用に初期型もいつでも用意しておくから、必要な時は何時でも言いなさい」


随分とフィオーラはご機嫌な様子。

若干モニカが後ずさりするくらいだ。

……ジグハルトが帰還するまでの暇つぶしに丁度良いのかな?


まぁ、初期型爆発玉は、俺が気を付けて運用する分には問題無い。

核ごと消滅させてしまうが、それでもオオザルクラスを一撃で倒せるのは魅力的だもんな。

使うかどうかはともかく、あるならあるでダンジョン内の探索範囲が広げられそうだ。

いい加減、あの入り口そばの広間も飽きてきたからな……。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・29枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] モニカ一等兵さんさんがモニカ魔導技士へと羽化しようとしていますね! 実際、(魔導)技術士官になればおちんぎんも上がりそう。数年後では魔道具の保守点検をして街中を跳び回るかたわら、市民達からは…
[一言] 浮き玉を足輪で掴んだまま立ってカーテシーしながらスカートから爆発玉を投下……( ˘ω˘ )
[良い点] 更新乙い [一言] 破壊力抜群の強力お手玉ゲット!!
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