表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
18章・冬のリアーナのアレコレを

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

628/2078

623

 ダンジョン探索を再開してから10日程が経った。

 その間潜ったのは初日も含めて3回。

 決してサボっているわけじゃ無い。

 ちょっとタフな狩りだし、ダンジョンへ行くのは3日に1度に変更したんだ。

 2時間ほど集中して本気狩りをして、2日間グータラ過ごす。

 これが俺にとってはベストだ。

 そして、昨日はダンジョン探索を行ったし、今日は気合を入れてグータラする日なのだが……。


「下層に行くの? フィオさんが?」


 セリアーナの部屋にやって来たフィオーラなのだが、どうやら彼女はダンジョンの下層に出向きたい様で、その際に護衛役として俺の同行を求めてきた。

 まぁ、護衛と言うよりは【小玉】目当てだろうが……、ダンジョンの素材じゃなくてダンジョンそのものに彼女が用があるってのは、ちょっと珍しいな。

 だが、なにやら彼女にとっては重要な事の様でソファーに座るなり早々に切り出してきた。

 セリアーナもまさか彼女からそんな事を頼まれるとは思っていなかったんだろう。

 目を丸くしている。


「珍しいわね……。何かダンジョンの素材で欲しい物があるのなら、駐留する騎士団に話を通せば貴女なら手に入れられるでしょう?」


「そうね……。私も魔道具の調整で少し関わったけれど、中層の入り口手前に拠点を作ったおかげで、随分とダンジョン内の採集も捗っているそうよ。でも違うの」


 フィオーラは首を振ると、彼女が持って来ていた小さな袋に手を入れて、中から何かを取り出した。

 燃焼玉に似ているが……もうちょっとサイズが大きいし重そうだ。

 ゴルフボールくらいかな?

 ヘビ君たちも気になるのか、袖から体を伸ばしてそのボールの周りを囲んでいる。


「なにそれ?」


 ヘビ君たちの様子を見るに、何かの魔道具なのは間違いないが……。


「燃焼玉を改良した物よ。最近貴女が使用を再開したでしょう? まだまだストックはあるけれど、念の為新しく作っておこうと思ったのだけれど、その際にちょっと思いついた物なのよ」


「ぬぬ?」


 ここ最近の下層の探索で俺が倒したオオザルは、初日を含めて5体だ。

 そして、使った燃焼玉は7個。

 躱されたり頭部に上手く当たらなかったりして、2個使う事もあった。

 だが、狙い通り当たりさえすれば十分過ぎる効果を発揮していたし、特に改良するような点は思いつかないが……。


 疑問に思う俺をよそに、フィオーラは説明を始めた。

 これはスイッチが入っちゃってるね。


「もともと燃焼玉に関しては騎士団から要望が上がっていたのよ。もう少し直接的な攻撃力を付与できないかって。だから少しずつ研究をしていたのだけれど、物が物だけにあまり浅い場所で気軽に試す事は出来ないのよ」


 ……どんな物なんだろう?


「奥様が閉鎖中のダンジョンに潜ったのは聞いたけれど、その時はまだ仕上がっていなかったから渡さなかったの」


「……危険な物なの?」


 説明に不安を覚えたのだろう。

 セリアーナは、やや硬い声でそう尋ねた。


「ダンジョンの魔物にぶつけなければ反応しないわ。効果範囲は狭いけれど爆発とその際に高熱を発するわね。素材はいくつかの金属粉と魔物の核を調合した物よ」


 ……テルミットだったかな?

 アルミの粉で高熱を起こすやつ。

 実験したことは無いけれど、前世の知識でそんなのを覚えているが、それに近い雰囲気を感じるな。

 それに爆発まで加わっているのか……そりゃ気軽に試せないな。


「だから、効果を私の目で直接確認したいの。折を見て上層の空いている場所で試そうと思っていたのだけれど、セラが一緒なら下層まで行けるでしょう? 私達2人だとちょっと守りが大丈夫か不安だったけれど、セラも下層の魔物を安定して倒せるようだし、実験の手伝いをお願いしたいの」


「ははぁ……」


 なるほど。

 フィオーラは火力だけならジグハルトに匹敵するが、こと直接的な戦闘となるとちょっと違う。

 特に防御面だ。

 まぁ……魔導士ってのは本来盾役にしっかり守られた状態で、強力な魔法を放つってスタイルらしいしな。

 俺が一緒なら、機動力と防衛力の両方をクリアできるし、彼女の条件をクリアしているのか。


 一通り説明を終えたフィオーラは、どうかしら? と、こちらを見た。


 一緒に下層まで飛んで行って、そのアイテムを使って魔物を倒す。

 そして、それが終わったら他の魔物も倒して、帰還。

 簡単なお仕事だ。


「オレは問題無いと思うけど、セリア様はどうかな?」


「フィオーラなら問題は無いわね……。いいわ。許可しましょう」


「ありがとう。セラ、貴女は何時行けるの? 私は何時でも良いけれど」


 セリアーナの言葉に嬉しそうに答えるフィオーラ。

 まーだスイッチは切れてないようだな。

 これはもうサクっと済ませちゃった方がいいのかな?


「オレも何時でも良いけれど……今日行く?」


「あら、いいの? それならお願いしようかしら」


 俺の言葉に乗り気のフィオーラ。

 まぁ、日頃から色々お世話になっているし、こういう風に返せるときにその恩は返しておきたい。

 それに、ちょっとどんなアイテムなのか興味あるしな。

 爆発かー……上手く完成したら俺も使えるかな?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・24枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・36枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] テルミットォ!! すごくあつい
[一言] 爆発は芸術だ!
[良い点] 更新ありがとうございます。 [気になる点] >>下層の入り口手前に拠点を作ったおかげで 拠点を作ったのは、(18章・619話によると)上層の手前と最奥では?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ