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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
18章・冬のリアーナのアレコレを

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 今この広間で立って動いている魔物はオオザル1体。

 隙を窺う様な面倒な事をしても、意味は無い。

 前回は燃焼玉を使って単独での退治に成功したが、今日はさらにその時の戦法をアップデートしている。

 さっさと決めちゃうか。

 再度加護を発動して、さらにポーチから燃焼玉を取り出した。


「……ほっ!」


【浮き玉】を加速させた。

 幸いオオザルの周りには、俺に投げつけるような物は無いし、このまま最短距離で真正面から突撃だ。

 オオザルは高速で突っ込んで来る俺を見ても、焦る様子は無い。

 恐らく、普通に迎撃できると思っているんだろう。

 前戦った時のオオザルもそうだったな……。

 ぬふふ……その余裕は命取りだぞ?


「せーのっ!」


 後もう数メートルで接触という所で軌道を上に逸らして、ついでに燃焼玉をオオザルの頭部目がけて投げつけた。


「わっはっはっ! ばーにーんぐっ!」


 この燃焼玉は、ダンジョン産の魔物の魔力に反応して燃え上がる仕組みだ。

 見事頭部に直撃したそれは、豪快に炎を上げてオオザルの頭部を焼いている。

 少々信じがたいが、残念な事にこれでも致命傷にはならない。

 だが……隙を作るには十分!


 通り過ぎた勢いそのままに、オオザルの後方20メートルほどの位置に降りた俺は、即座に【ダンレムの糸】を発動し、発射態勢をとった。

 このライン上には、他の魔物は転がっていないから巻き込む事も出来ないが、今回はそれでいいんだ。

 そして、炎にもがくオオザルの背中目がけて……。


「よいしょーっ!」


 矢を射った。


 どこかで聞いた話だが、生物ってのは基本的に背面の防御力は高い。

 今の一撃だって、余波で地面を抉る毎度の威力を発揮している。

 だがそれでも、背中に直撃したのに仕留められていない。

 俺が背後に回った事はわかっているし、もがきながらも警戒する余裕はあったのかもしれないな。

 まぁ、予測出来ていた事だ。

 以前【ダンレムの糸】で倒した時は、腕を潰して頭部を焼いて……もはや防御に力を回すどころじゃない状況に追い込んでいたからな。


「ふっ!」


 辺りは舞い上がった土砂が立ち込めているが、息を一つ吐いてその中に突っ込んだ。

 視界は悪いが、俺には関係ない。


 さて、オオザルは先程まで頭部の炎に苦しんでいたが、今の一撃でその炎はかき消えてしまったようだ。

 その代わり相応のダメージはあったようで、今では蹲ってしまっている。

 やはりこれが正解だったかな?


 この蹲るって状況は前回と一緒だが、与えたダメージは今回の方がずっと大きい。

 手負いの獣は云々と言うが、いくら何でもここから暴れる余力は無いはずだ。

 それじゃあ、止めを刺させてもらうかね……。


 守りは十分ではあるがそれでも慎重に近づいて行き、背中側から頭部に尻尾を押し当てた。

 弱った今のこいつなら、これで振り向く事は出来ないだろう。


 しかし……やはり背面の防御を固めていたのかな?

 直撃したであろう部分こそ抉れて骨が露出しているが、結局それ止まりだ。

 ダンジョンの壁だって壊せる威力があるんだけどな……。


「まぁ、こうなればそれも意味は無いか。せーのっ!」


【影の剣】を首めがけて振り下ろすと、スパッと綺麗に切断する事が出来た。

 これだけ消耗していたら、【影の剣】も通用するか。


「アカメ」


 指示を出すと、アカメはすかさず死体に潜り込み胸部にある核を潰した。

 死体も消えたし、オオザル退治成功だな!

 オオザルとの戦闘開始から2分もかかっていない。


 初手で【ダンレムの糸】を射って、ある程度動きを制限してからじわじわ削って行き、そして10分ほど時間を稼いだら燃焼玉を頭部に当てて、そして再度【ダンレムの糸】を射って止め。

 これが前回の戦い方だ。

 燃焼玉を使うのは初めてだからって事もあったが、少々慎重すぎた。

 時間もだが、多少なりとも接近戦を行わなければいけないし、俺も神経を使う。


 だが、今日の戦い方は初手に燃焼玉を使って、そして背後から背中へドーンと1発ぶち込んで、動けなくなったところを止め……なんてお手軽!

 もちろん初手で燃焼玉を命中させるってのが前提条件ではあるが、予備はしっかり用意しているし、いざとなれば目潰しも併用したらまず外すことは無いだろう。

 燃焼玉や【ダンレムの糸】が十分通用する事がわかったからってのもあるが、結局戦闘なんてシンプルなのが一番なんだよな。


「さーて……それじゃー残りの魔物は皆でやっちゃおうか」


 毒で地面に倒れ伏した魔物数十体。

 ヘビ君たちの成長の糧になって貰おうかね。

 心なしか、ヘビ君たちの動きが軽快に思える。

 この子らもダンジョンでの狩りは久しぶりだしな。


 ……まぁ、この狩り方だと聖貨が手に入らないって問題もあるが、成長してくれたら、それはイコール俺の戦力アップでもある。

 今日は時間が無いから1部屋で帰還するが、今後は2部屋くらいならいけると思うし、そこら辺は上手い事分け合っていけばいいかな?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・19枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・34枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 戦いの組み立て方の改善! [一言] 下層巡りが捗る!
[良い点] セラさんが久しぶりに尻尾を使った! [一言] アカメとシロジタとミツメ、そのうち魔王種になりそうだなぁ そしたらセラさんは魔王種三匹を身に宿した珍獣になるわけだ
[良い点] 徐々に狩り方が確立していっていい感じ! 蛇くん達が強くなりすぎて 魔力で視てる者たちにはセラちゃん映ってなさそう
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