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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
18章・冬のリアーナのアレコレを

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「ふんふんんふ~ん……」


 鼻歌を口ずさみながら、【隠れ家】の照明のスイッチを落として、外に出た。

 ジャケットに帯と、2種類の魔王種の防具もしっかり装備済みで、燃焼玉を始めとした各種のアイテムも腰のポーチに入れている。

 これで準備は完了。

 昼食も食べたしコンディションもばっちりだ!


 セリアーナの寝室から隣の執務室に出ると、セリアーナとエレナが例によって誰か宛の手紙を書いていたが、手を止めてこちらを見た。

 彼女たちに準備が完了した事を、クルクル回りながら見せる。


「準備出来たよー」


「ええ。今日は再開の顔見せも兼ねて、地下からじゃなくて冒険者ギルドから行くのよ?」


 と、セリアーナが。


「聞いた話じゃ、そろそろ冒険者たちも中層に狩場を移しているそうだからね。君が狩りをするのは下層になるのかな……? あまり無理をしては駄目だよ?」


 そしてこちらはエレナが。

 2人揃って注意をしてきたが……問題無い!


「大丈夫大丈夫。今日は2時間くらいで戻って来るよ。んじゃ、行ってきまーす!」


 彼女たちに挨拶を済ませると、俺は一気に窓から外に出た。

 さあ、久々のダンジョンだ!


 ◇


 ここ最近モニカに付き合って街の外の水路を見回っていたが、本来の目的である【緑の靴】の試用も十分だという事で、彼女の任務は第2段階に移った。

 俺は同行していないからよく知らないが、なんでも騎士と並走して街道沿いの見回りを行っているらしい。

 彼女自身は魔物を相手取る様な戦闘能力は無いから、戦闘面では役に立たないが、馬に比べると小回りが格段に利く。

 そのため、騎馬間で走り回りながら、伝令役のような事をしているそうだ。

 それは他の【緑の靴】の所有者もやっている事で、ある意味基本的な使い方とも言えよう。


 ただ……まだ領都以西の比較的安全な場所でのみなんだよな。

 まぁ、今後に期待だ。


 ってことで、モニカが俺の手から離れてフリーになったので、久々のダンジョン探索という訳だ。

 ダンジョンの熱狂も再び落ち着いて来たというし、そろそろ俺が行っても問題にはならないだろう。

 エレナが言っていたように冒険者が遂に中層にも足を延ばしたってことは、浅瀬も上層も満遍なく狩りが行われていることになるが……俺のお目当ての狩場はさらにその先の下層だ。

【ダンレムの糸】をぶっ放す纏め狩りは出来ないが、準備も万端だし、ちょっとクレバーな狩りでもやっちゃいますかね。


 さて、今日の狩りのイメージを固めていると、あっという間に冒険者ギルド上空までやって来た。

 相変わらず冒険者や依頼をする商人たちの出入りはこの寒い中でも多いようだが、それでも襲撃直後の馬車が列をなす混雑ぶりは収まっている。

 地上に降りて中に入ると、うん……そこそこ繁盛。

 昼を回っているってのもあるかもしれないが、冒険者以外の姿は少なめだ。

 普段は俺はダンジョンに潜る時は朝からが多かったが……今後もこれくらいの時間が狙い目かもしれないな。


 中の冒険者たちと軽く挨拶なんぞをしながら、探索の届けを出すため受付に顔を出した。

 ちょうど空いていたのは何度か話をした事のある、温厚なおっさんの職員だ。

 そのおっさんが、少し驚いた様な笑みを浮かべている。


「おや、セラ副長。入口から来るのは珍しいね。探索かい? それともお使いかな?」


 俺は普段はダンジョンへ行く時は地下の通路から行くもんな。

 こっちから来るのは、リーゼルたちのお使いがほとんどだ。


「こんちわ。そうそう探索です。今日は下層に行くけど、中層とか誰かいるかな?」


「中層の届けは……2組だね。聞いているかもしれないが、上層の手前と最奥に騎士団が拠点を築いているから、そこでも尋ねてみると良いよ」


 浅瀬や上層に騎士団のたまり場の様な物を作っているのは知っているが、最奥まで範囲を広げていたのか。

 知らなかった。

 ともあれ、今日もダンジョン内は特に異常はない様だ。

 何か調査をやっている事も無いし、サクッと下層まで行って狩りを楽しみますかね。


 ダンジョン入り口のある地下に向かうべく、おっさんに礼を言ってカウンターを離れた。


 ◇


 ダンジョン入り口前のホールではいつもと変わらぬ光景が広がっている。

 探索前の打ち合わせだったり、一緒に潜る仲間を待っていたり……活気がある。

 見慣れぬ顔が多いが、それはいつもと時間が違うからかな?

 その彼等とも適当に挨拶を交わして、真っ直ぐダンジョンへと向かった。


 そして、やって来ました。

 ダンジョン浅瀬!


「ほっ!」


 通路を抜けるまではそんな事ないのに、いざ抜けてダンジョンに入り込むや否やすぐに蒸し暑い空気が……。

【祈り】と【風の衣】、おまけで【琥珀の盾】も発動した。

 さらに追加で【妖精の瞳】を発動して、アカメたちも顔を出させる。


 一旦天井近くまで高度を上げて、浅瀬全体を見渡すが……そこかしこで戦闘が繰り広げられている。

 盛況盛況。


「よっし……それじゃー行きますかね!」


 まずはサクッと浅瀬を抜けよう。

 首に提げていた笛を取り出すと、口に咥えて音を鳴らした。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・19枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・34枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] モニカさんの恩恵品はダンレムの糸のような高い性能と尖った使い勝手とは違って、緑の靴という走力・跳躍力の強化みたいな汎用性の高い恩恵品が手に入ってよかったですよね。肉体労働業ならどんな職場でも…
[一言] 笛?? ↓なるほど、上空通過の警笛か。
[一言] そういや緑靴ちゃんて捕まえてきた魔物の狼をテイムしたら戦力不足を何とか出来るかな?魔物だし弱すぎるとテイムされてくれないか。
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