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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
18章・冬のリアーナのアレコレを

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 窓から外に出て街から屋敷に繋がる坂に向かうと、そこを上って来る馬車が目に留まった。

 屋敷の馬車だし、テレサはアレに乗っているんだろう。

 街中の施設なら、地下通路を経由したら徒歩でも良いんだろうけれど、今日は街の外に行ってたからな……。

 さて……どうしたものか。

 馬車の窓に張り付くのはまずいよな?


「とりあえず……御者に声かけるかなぁ……、おーい!」


 手を振りながら近づいていくと向こうも俺に気付いた様で、馬車の速度を緩めたりはしないものの手を振り返した。

 これなら大丈夫だな。


「お疲れ様。中に乗ってるのはテレサ?」


「そうだよ。それと部下のお嬢さんも一緒だ。中に入る……っと。テレサ様……」


 この馬車がお目当ての物かと御者に訊ねていたのだが、中に繋がる小窓が開きテレサが顔を出してきた。


「姫、どうぞ中へ」


「あ……うん」


 何となく御者と顔を見合わせてしまうが、話は中でってことか。

 小窓が閉まり、代わりに馬車のドアが開いている。

 速度は出ていないが、開けっぱなしは危ないしさっさと中に入ろう。

 それにしても、部下のお嬢さんか……女性兵の事かな?


 ◇


 さて、馬車の中に入ると、テレサの向かいに若い女性が座っていた。

 恰好は、この街の女性がよく着ているワンピースに上に一枚羽織った地味な服装で、髪は背中の辺りで1つ結んでいる。

 訓練帰りって感じだな。

 テレサと向かい合っているからか緊張していたのだろう。

 俺を見るなりホッとした顔をしている。


「お客さん?」


 私服で馬車に乗っているし、仕事ってことは無いだろう。

 だが、彼女が仕事以外で屋敷に用事があるっていうのも……ちょっと想像つかないな?

 なんだろう。


「奥様の……ですが。姫、お手数ですが奥様に彼女を談話室に通すと伝えていただけませんか? それで伝わるはずです」


「ぬ? それだけでいいの?」


「はい」


 と、テレサはにこりと笑った。


 それ以上説明する様子は無いが……これはアレかな?

 領主夫人のお役目みたいな事かな?

 まぁ……伝えりゃわかるって言うんなら、そうするまでだ。


「わかった。んじゃ、伝えて来るね」


 そう言うと、俺は馬車から出てセリアーナの部屋に【浮き玉】の進路を取った。

 その際に一旦振り返って馬車を見たが……この分じゃ到着はまだ10分くらいはかかりそうだな。

 麓からぐるーっと上って行って、アレクやオーギュストの屋敷を通り過ぎて、ようやく到着だもんな……俺はいつも空から出入りしているけれど、皆は大変だ。

 などと考えていると、いつの間にやらセリアーナの部屋の前に到着していた。


「ただーいま」


「お帰りなさい。誰だったの?」


 部屋に入ると、セリアーナは窓のすぐ側で待っていた。

 そして、テレサに同行していたのが誰だったのかと尋ねてきたが……誰だっけ?

 そういや、あのねーちゃんの名前知らないな……一人一人の名前は聞いていないし……。


「えーと……女性兵の1人だったけど、セリア様のお客さんで談話室に通すみたい。……テレサはそれだけ言えば伝わるって言ってたけど、わかる?」


 言っていて自分でも何言ってんだ? って気がするが、なんでかセリアーナにはしっかりと伝わっているようで、なにやら頷いている。


「その娘は、制服? 私服? どちらだったの?」


「ん? 私服だったけど」


 彼女の服装が何か関係あるのかな?


「結構。なら私たちも談話室に行きましょう。セラ、それを持って来て頂戴」


「ほ?」


 セリアーナが指したのは、部屋の棚に鎮座する聖像だ。

 俺のじゃなくて、セリアーナのだな。

 これを使うって事は、ガチャ……。


「あぁ……。聖像を持ってるのって領主様とか教会とか限られてるんだっけね」


 俺は自前の聖像があるからついつい忘れがちだが、ガチャの監督も領主様の立派な役目だ。

 ミュラー家の屋敷にもあったように、ここの庭にも小さな礼拝堂があって、たまーにそこを使いに来るお貴族様や冒険者もいたりする。

 俺は立ち会ったことは無いが、当たり外れや何が出たのかってのを領主に把握されてしまうが、今のところリアーナではリーゼルの下でガチャを行う者ばかりらしい。

 一応教会にもあるはずだが、領主と折り合いが悪い事がそれなりに知られているこの街で、わざわざ教会の方を利用する者はいないだろう。

 それに、領主様と繋がりを持てるかもしれないしな。


 ただ、今回の彼女は今までの利用者とはちょっとパターンが違うな。

 今までの利用者だと、何かしらの伝手でリーゼルに辿り着いていたが……あぁ、とりあえず彼女の一番近くて頼れる伝手がテレサだったのか。

 んで、ガチャをやりたいだけなのかリーゼルと面通しをしたいのかを確認して、ガチャ目当てだから、それならセリアーナをって事かな?


「そう言う事。行くわよ」


 俺の言葉にセリアーナは頷くと、机から何かの書類を取り出してドアに向かって歩き始めた。


「ぬぁっ!? ちょっと待って」


 慌てて聖像を取ると、置いて行かれないようにセリアーナの下に急いだ。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・19枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・34枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 聖像の製造法を手に入れられないと、教会潰せないんでしたっけ?
[良い点] >今のところリアーナではリーゼルの下でガチャを行う者ばかりらしい。 ガチャを回す奇特な奴、セラ以外にいたのか(失礼)
[良い点] 更新乙い [一言] ガチャアアアアアアアアアア!! いっぱいいっぱい回したいの
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