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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
18章・冬のリアーナのアレコレを

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 クッションが届いてからの数日。

 俺の日課に読書と昼寝の他、新たなクッションのデザイン制作も加わった。

 まぁ……デザインと言っても、読書の合間のただの落書きに過ぎないんだが……。

 俺が思っていた以上に、職人たちの技量が高かったからな。


 ネコのクッションはシンプルな物にって考えていたが、今度はもう少し凝った物でも大丈夫そうだし、ちょっと気合が入っている……のだが、少しダレてきた。

 面白いからついつい張り切ってしまったが、そもそもそんなにクッションってあっても使わないんだよな。

 それよりも、木工の工房にオオカミの魔王種の彫刻を注文するべきだろうか……基本的に冬の間は職人たちは忙しいそうだしな。


 チラっと壁の方を見ると、今日は【赤の剣】はかかっていない。

 今日はテレサは昼から訓練場の方に出向いているから、持って行っているんだろう。

 確か女性兵の訓練を行うはずだが……そこで披露しちゃうのかもしれない。

 彼女たちは襲撃の際は屋敷の警備に就いていたからな……お初かな?

 俺もダンジョンで牽制程度にちょろっと使っているのを見ただけで、あまりまともに振るっているのは見た事が無いんだよな。

 刺激が強すぎたりしないだろうか……。


「ぬぅ……」


 今日はもう終わりだと、ペンを置いてソファーに寝転がり、クロネコのクッションに頭を乗せた。

 俺の体重じゃ座っても中々実感できないが、頭だとクッションの芯を感じられる。

 程よく押し返される感じ……いいね。


「……なにをしているの?」


 ボフボフ頭でクッションの弾力を楽しんでいると、セリアーナの声が飛んできた。

 背もたれで俺の姿は見えないはずだが……音かな?


「気分転換。うるさかった?」


 体を起こしてセリアーナを見ると、どこか疲れたような顔の彼女と目が合った。


「いいえ……でも、そうね。私も今日はもう終わりにするわ。お茶にしましょうか? セラ、用意をするから奥に行くわよ」


「お? はーい」


 机について手紙を書いたり読んだり……セリアーナも飽きている様だ。

【隠れ家】でちょっと家事をして、リフレッシュでもしたいんだろう。

 セリアーナは、既に席を立ってカップが置いてある棚に向かっていた。


 ◇


【隠れ家】でお茶を淹れて、再びセリアーナの部屋に戻ってきた。

 お茶菓子はこの部屋にあるものを出して、2人でまったりしているのだが……クロネコのクッションを取られてしまった。

 ……クロネコが好きなのかな?


「ねぇ……セリア様って好きな動物とかいる?」


「なに? 突然に……」


「クッションのデザインがねー……。クロネコ好きならもう1個注文するけど?」


 ちょっとアイディアに詰まっていたし、ここはセリアーナの意見を取り入れるのも悪くない気がする。

 クロネコをチョイスするならまたちょっと違ったデザインにするのも有りだしな!

 と、軽い気持ちで聞いただけだったんだが……。


「ああ……。特に嫌いな動物はいないわね。お前に任せるわ」


「……ぉぅ。がんばるよ」


 だが、帰って来た答えは何の参考にもならないものだった。

 それどころか、なんかセリアーナの分を注文する事だけは決まってしまったかもしれない。

 ぬぬぬ……と唸りながらお茶を飲んでいると、セリアーナの手が止まっている事に気付いた。

 そして、部屋の外……本館側を向いている。


「どしたの?」


「テレサが戻って来ているわ」


「うん? 仕事が終わったのかな?」


 部屋の時計を見ると今は昼の3時をちょっと回った頃だ。

 今日のテレサの仕事がどんな内容なのかは俺も知らないが、別に帰宅するのにおかしな時間じゃない。

 特にセリアーナが引っ掛かる様な事は何も無いと思うのだが……どうかしたのかな?


「そうね……。ただ、誰か1人テレサと一緒にいるのよね。私が覚えのない者だけれど……」


 と、首を傾げている。


 セリアーナの加護は、どんな風に識別しているのかちょっと想像出来ないが、それでも慣れた相手なら誰が誰かってのはわかるらしい。

 俺たち近しい者や、この南館で働く人間は把握出来ているって言っていたが、どうやらセリアーナの様子から見るに違うみたいだ。

 テレサにはテレサの付き合いもあるだろうが、仕事の帰りに屋敷に一緒に来るってなると、彼女のプライベートの相手ってわけじゃ無いだろう。

 それなら、セリアーナへの客の可能性が高いだろうが……訓練場から連れてくる相手……?

 確かにちょっと気になる。


「ちょっとオレ見てこようか? 今どこにいるのかな?」


 テレサの事だし誰かを使いに寄こすだろうが、それなら俺が彼女の下に行った方が多分早い。


「そうね。今坂の中腹にいるわ。行って頂戴」


「外なのね……。りょーかい」


 気合いを入れたら相当な範囲を見れるってのは知っているが、この息抜きのお茶の時間でも屋敷の外まで見ているのか……このねーちゃん。

 気が休まる暇あるのかね?

 まぁ……なにはともあれお使いだ。

 残ったお茶を一気に流し込んで【浮き玉】に乗っかると、窓の外に一気に飛び出た。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・19枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・34枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] でふぉるめ・セラたん・クッションを希望。 セラ的にはジョーク。セリア様的には大満足抱き枕。 セリア「別に、肌触りとかが好みなだけよ?」
[一言] 一瞬デフォルメセラさんのOTLクッションなんて物を思いついてしまったw
[良い点] 更新乙い [一言] 何でも良いとか言ってると、ブーブークッションを仕込まれてしまうゾ
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