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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!
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 視点を下にしながらふよふよと移動をしていると、そこにあるものを発見した。


「……お? ここにも見っけ」


 見つけた物は魔物の死体だ。

【浮き玉】の速度を落として、手にした紙におおよその位置とその種類を記す。

 そして再び速度を上げて、移動を開始した。


「やっぱ街に近づくと増えて来るな……」


 今俺は領都からアリオスの街へ向かっている。

 特に何か急ぎの用があるってわけじゃ無いんだが、今朝のアリオスの街からの報告を受けてその返事を用意した時点で、セリアーナたちの仕事は終わった。

 で、彼女たちはそのまま休憩に入ったわけだが、俺は既にグッスリ休んだ後だった。

 どうやら街の外は既に落ち着いている様だし、2度寝にチャレンジしてもよかったが……流石にそれは気が咎めたので、何かやることは無いかと聞くと、ある仕事を一つ任された。

 それが、領都‐アリオス間の街道沿いの魔物の死体状況を調べる事だ。


 この2都市間は北に森が広がり、街道を挟んで南側には草原だったり農場地帯だったりが広がっている。

 南側は見通しがよく身を隠す場所が無いため、追い詰められた魔物が逃げるんなら北側の森だ。


 ただ、そこから更にあぶれてしまった魔物が、街道沿いに力尽きているんだ。

 幸い季節は冬でそうすぐに腐る様なことは無いが、かと言って放置するわけにもいかない。

 そのため、これらは領都から出向した兵たちが帰還する際に一緒に回収するわけだが、どれくらい量があるかってのは事前にわかっていた方が、出発前に色々準備出来るもんな。

 ってことで、俺が事前調査ってわけだな。


 一つ気になる事は、リーゼルたちの署名が入った指示書を持たせた伝令たち。

 俺、既に彼等を追い抜いてるんだよな……向こうで出くわしたらどうしよう。


 ◇


 アリオスの街のすぐ手前にやって来たところで、街壁のすぐ手前にテントのようなものがいくつも並んでいるのが見えた。

 すぐ側に馬が繋がれていたり兵がいったり来たりしているし、あそこが本陣代わりなんだろう。

 他にも少し離れた場所に人だかりが出来ているが……一先ず本陣に降りるか。


「おつかれさまー」


 声をかけながら上から降りていくと、すぐさま返事が返ってきた。


「よう! 副長、あんたも来たのか!」


「領都の方は随分派手だったらしいな!」


「うーん……多かったよ。ジグさんが大活躍してた」


 彼等も領都の状況は簡単には聞いているのか、魔王種が複数出た事等は知っていた。

 俺も簡単に答えていると、他にもおっさん共がワラワラと……随分活気がある。

 あまり詳しくは聞いていないが、死者が出たって雰囲気じゃ無いな……完勝か?


 その後はおっさん達を適当にあしらいアレクはどこかと聞くと、彼は代官の屋敷にいるらしい。

 今後の街の警備や森の捜索についての話をしているんだろうな。


 指示書に関しては後で伝令が持ってくるわけだし、俺がわざわざ顔を出すことは無い。

 そのうち戻って来るだろうし、それまでここで待つのも有りだな。


「ね、アッチ。何がいるの?」


 ここで待つとなると……上から見えたなんかの人だかりが気になってきた。

 賭け事でもしてるのかな?


「ああ……、行ってみるか?」


 俺が訊ねた男は、ふと思いついたようにそう提案した。

 街のすぐ側だし、何か不味い物を隠しているってわけじゃ無いだろうが……直接見た方が早いのかな?

 ともあれ、向かってみるかね。


 ◇


 相変わらずの人だかり。

 そこは、1辺10メートルほどの簡単な木の柵が2つ用意されていて、その中にいたのは……。


「魔物じゃん!?」


 片方にはオオカミが2頭。

 もう片方には栗毛のウマが1頭大人しく待機していた。

 本気で索敵していなかったからってのもあるが、人が多過ぎて気付かなかった。

 それぞれ肉や飼葉、デカい桶に入った水と、そこそこ丁重に扱われているが、全く暴れる素振りを見せないし……大人しいもんだ。


「どうしたの!? あれ!」


 想定していない事態にしばしポカンとしていたが、我に返りアレはどうしたのかと、声を上げた。

 少なくとも俺は、2番隊だったり領都やアリオスの街で活動する冒険者に、従魔を連れているのがいるって聞いた事は無い。

 ってことは、昨日の襲撃で捕まえたんだろうけれど……。

 俺もダンジョンや森で対峙した事はあるが、その時は討伐する事が前提でじっくりと姿を見ることなんてない。

 間近で見ると、なんというか……やっぱデカいわ。

 魔物と獣……似た種族がいて見た目も近いのだが……牙だったり蹄だったりがゴツイ。

 まぁ……凄い迫力だ。


「昨日群れが崩れて追撃に移った際に、いくつかのパーティーが捕らえたんだ。待たせたな、セラ」


「あ、アレク」


 俺の疑問に答えたのは、ここまで案内して来たおっさんではなくて、いつの間にかやって来ていたアレクだった。

 鎧を纏い【赤の盾】と魔人の棍棒も手にしている。

 いつでも戦闘に移れる格好だ。

 代官のところにもそれで行ったのかな……?


「お前が来たって事は、旦那様たちからの指示書を持って来たのか?」


 どこかホッとしたように見えるのは、それがあればこれからの負担が減るからだろうか?

 だが済まぬ。


「あ、ごめんそれは追い抜いた」


「あ?」


 俺の言葉に、怪訝な顔をするアレク。

 許せ。

 ソレは俺の役目じゃない。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・33枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] そしてしばらく後、元気に走り回る狼の魔獣(わんこ)の姿が( ˘ω˘ )
[一言] 伝令の名手が伝令をしてない不具合
[一言] 伝令を追い抜くというパワーワード 日本で言うと飛脚の時代に長距離運用可能なドローン持ち出すようなもんだしな…
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