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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!

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 ボスは倒したし、取り巻きも倒した。

 森にある拠点も無事な様だし、後は追撃と掃討だ。


「オレはどうしよう? また南端に行った方がいいかな?」


 ってことで、これから俺はどうするかを尋ねた。

 一番距離がある上に、特に指揮をする人間をこちら側から送る必要が無い戦場だしな。

 支援程度に俺がいれば十分だろう。


「いや、南全体は私が見る。それよりもセラ殿には領主様へ報告を頼みたい」


「ぬ?」


 南側全体の指揮をオーギュストが執るってのはともかく、報告なら適当に誰か伝令でも送ったらよさそうだけれど……俺が行った方がいいのかな?


 ◇


「お? こっちももう報告を受けたのかな?」


 戦場から離れて屋敷を目指す途中、冒険者ギルドの上空を通ったのだが、そこは夜が更けたにもかかわらず、俺が出発した時よりも人の出入りが増えていた。

 主に商業ギルドの連中だな。

 魔物の素材の取引だったりと、彼らも早いうちから関わっておきたいんだろうが……それだけじゃない。


 なんだかんだで、この襲撃が始まってからもう4時間5時間経っている。

 戦っていた者たちはその間ほとんど食事なんか碌にとれていないってことで、彼らへの食事を用意する必要がある。

 要は炊き出しだ。

 俺は【風の衣】があるから気にならないが、もう冬だし外は相当冷える。

 温かい物でも食べないと、回復できないよな。

 そこら辺の事は既に打ち合わせ済みで、だからこそ今用意に取りかかっているわけだが、主導しているのは領主サイドだ。


 今回の襲撃の対処は騎士団と冒険者ギルドが主導で、リーゼルが直接関わる事は無かったがこっちは別らしい。

 一応有志で商業ギルド側も協力してくれるそうだが、もう冬だしな。

 あまり食料を大盤振る舞いできるほどの余裕は無い。

 それなら、最初から街の備蓄を使って、使った分は豊かな領地……具体的にはマーセナル領なんかから運び込めばいいんだろう。

 襲撃を察知してから、ちょっと日数に余裕はあったし、元々近いうちに起きると想定していた。

 その辺の根回しは既に済んでいるそうだ。


 他領との連携だし、そう考えると領主の仕事だよな。

 ただ、今はまだリーゼルにまで話は届いておらず、あくまで事前に決めた通りに動いているだけだ。

 そこで、俺がリーゼルやセリアーナの名代として、街のあちらこちらに顔を出すわけだ。


「ってことで、ただいまー!」


 街の様子を見ながら屋敷までやって来ると、例によって開いている窓に向かって飛び込んだ。

 執務室にはリーゼルや1番隊隊長のリックに、オーギュストの副官ミオ、そして、普段だとこの時間帯なら自室に戻っているセリアーナとエレナもいる。


「お帰りセラ君。その様子だと上手く片が付いたのかな?」


 出迎えはリーゼルで、戦況を聞いてきた。

 ふぬ……どれくらいここに報告が入っているんだろう?


「まだ全部は片付いていないけれど、魔王種は全部倒したかな? 南端で冒険者クランが1体と真ん中で団長が1体、北でジグさんが1体、んで、団長とテレサも加わって3人で全体のボスを1体倒したね。ボスは天狼の魔王種だったよ」


 とりあえず簡単に報告をすると、部屋全体がざわめいた。

 まぁ、4体も出てきたらそりゃー驚くよね。


「こちらの被害はわかるかい?」


「何人か亡くなってるって聞いたけど、詳細はオレも……」


 魔物側の戦力から、こちらも相応の被害が出たんだろうと考えたのか、リーゼルはこちらの被害を尋ねてきた。

 ただなー……俺もほとんど把握できていないんだよ。

 重軽症者は、あちこち戦場を飛び回ってポーションの配達をしていたから、何となくは把握できているけれど、戦場で亡くなってた人はそのまんまだったもんな。

 本陣まで運べていた分は向こうで把握できているだろうけれど、どうなっている事やら……。


「そうか……ありがとう」


 首を振った俺に察したのか、リーゼルも小さく頷いた。

 きっと落ち着いたら彼の方でも手を打ってくれるだろう。


「さて……なにはともあれ、襲撃は凌げたとみていいようだね。街でもそろそろ前線への補給支援などが行われている頃だろう? それに対しての指示書を用意しているから、セラ君。君はそちらに顔を出して、現場の責任者に渡してきてくれ」


 リーゼルは自分の席に戻ると、手紙を何通か取り出してこちらに渡した。

 結構簡単に命じてくれたが、領主専用の封筒が使われている。

 やる事は現場に任せるけれど、領都内では滅多に使わないし、いいアピールになるな。


 ふむふむ……と感心している俺をよそに、リーゼルは他にも出している。


 まず、こちらがひと段落した事をアリオスの街に伝えに行くそうだ。

 なんと言っても彼等も今は戦闘中のはずだしな。

 その役目は1番隊が任されて、リックは足早に部屋を出て行った。

 誰が行くのかわからないが、急いで行っても到着は夜中になるだろう。

 魔物が絶賛うろついている中を突っ走る、かなり危険な任務だ。


 それこそ俺がいるんだし、任せてもらえたらすぐ行くんだけれど……役割はしっかり分担していこうってことなのかな?

 まぁ、いいか。


「んじゃ、これ配達してくるねー」


「ああ、よろしく頼むよ」


 俺は俺でやる事さっさと済ませちゃうかね。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・33枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] あかめが魔王殺せば魔王なれるかな?
[良い点] リーゼルはアリオスの街へ一番隊から伝令を出した! ・一番隊にもいいとこみせる機会を与えないとね ・あっちはアレクがいるんだから急いで戦況伝えなくても問題無いでしょ という判断でしょうか? …
[良い点] 累計600話目おめでとうございます! [一言] これが本当のエアメール( ˘ω˘ )
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