表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
3章・王都で聖貨をザックザク!
57/2031

55

「…ふう」


セラの服を脱がし終え、一息ついた。

服を脱がそうにも、意識が無くただでさえ脱がしにくい。

その上魔物の血が固まり張り付いている。

結局ナイフで大きく切りながら脱がせていった。

もう使い物にならないが、どのみち処分するしかないし構わないだろう。


指と足から恩恵品を外し、首に下げている革の財布も取る。

また今回随分貯めたようだ。

しばらく街で大人しくさせておくのもいいかもしれない。


「お嬢様、準備が出来ました」


浴室の準備を任せていたエレナがやって来た。

服はもう脱いでいる。


「わかったわ。運んで頂戴」


セラを任せ自分も服を脱ぎ、浴室に向かう。

少々狭いが、使い勝手はいい。


「お嬢様は髪をお願いします。体は私が」


「わかったわ」


役割を分担し進めていく。

出会った当初は男の子の様な髪だったが、大分伸びてきた。

それでもまだ短いし、腰とまでは言わないが、せめて背中の半ばあたりまでは欲しい。


「それは大丈夫なのかしら?」


髪を濯いでいると、丁度エレナが洗っている右足の指が目に入った。

爪が赤黒く変色していて、洗えば落ちると思ったが落ちていない。


「爪の下に血が溜まっているようです。傷自体は治っているようですが、こればかりは時間が経つのを待つしかありませんね」


【緋蜂の針】を使うと脱げるからと、いつも裸足だったけれど、しばらくは靴を履かせた方がいいのかしら?


「終わったわ」


「こちらもです」


体が小さいからか話しながらだと洗い終わるのもすぐだ。

2人で浴室から運び出し体を拭い、更にエレナの魔法で乾かす。

先に私だけ済まさせ、着替えを取りに行く。

寝巻に使っている大きめのシャツしかないがこれでいいだろう。


着替えを持って戻るとエレナが何か考え込んでいる。


「どうしたの?」


「セラをどこで寝かせようかと思いまして…。大丈夫とは思いますが、【隠れ家】内で寝かせて何かあったら気づけませんから」


「ああ…屋敷の部屋でもいいけれど…そうね。このまま私の部屋にしましょう」


屋敷の人間を信用していないわけではないが、恩恵品を複数持っている以上、目の届く場所に置いておきたい。


「わかりました。それでは運びます」


着替えさせ、エレナがセラを抱え先に出て行く。

私は王都までの道のりでセラに何度も言われたように、部屋の明かりや水の手を確認し、後に続く。



「うぐぐ……」


よく寝た。

体を起こし、ついでに伸びをする。

あちこち痛いけど…なんでだっけ?

顔を横に向けると薄布越しに日が差している。

いい天気だ。


「……っ⁉」


いやちょっと待て。

おかしいぞ?

俺は個室をもらっていても、寝る時はいつも【隠れ家】だ。

日なんか差さねぇ。


思い出してきた。

俺ダンジョンにいたんだぞ?

……どこだここ。

ベッドの上だし、寝室か?


何だっけ?あのお姫様とかが使っているやつ。

天蓋だっけ?

少なくとも平民の部屋ではなさそうだが。


「んんっ⁉」


ふと手を見ると【影の剣】が無い!

いつも指にはめているのに。

落とすなんてありえない。


「!」


バサリと布団をはねのけ足を出すと、右足にしている【緋蜂の針】も無い。

そういえば【浮き玉】も無い。

襟を引っ張り服の中を覗いてみると、財布も無い…。


「どっ…どっ…」


どうしよう!


オロオロしていると、ドアの開く音がした。

とっ…とりあえず隠れねば。

モソモソベッドから這い出て下に潜り込もうとしたが、間に合わなかった。

ベッドの下の隙間が意外と狭い。

し…尻が…!


「お前…何をしているの?」


あれ?

この声はセリアーナ?


「もう具合はいいのかな?」


エレナまでいる。

てことは、ここはセリアーナの部屋か?

セラ・【隠れ家】【祈り】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】・8枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・13枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【】・【赤の盾】・1枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] よく考えるとセリア様とセラさんが同じ部屋で一晩を過ごしたのはこれが最初なのかな?
[良い点] セラは目が覚めて直ぐに装備品の確認をするあたり確りしてるね。 8歳の身体に精神が引っ張られたりしないみたいだ。 その割に遊び心は忘れないので読んで想像してニヤニヤしてます。( ̄ー+ ̄) […
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ