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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!

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 冒険者ギルドの1階奥にある支部長の部屋を目指して、廊下を進む俺。

 誰でも通されるわけじゃ無いが、俺はもう何度も訪れているし慣れたもので、特に目新しい物なんて無いんだが……。


「皆忙しそうだね……。なんかあったの?」


 案内役の窓口のねーちゃんに、何があったのかを尋ねた。


 今日はセリアーナのお使いで支部長の下に向かっているのだが、妙に人がバタついているんだ。

 表のホールは特に何事も変わりなくいつも通りだったが、裏に入ると……。


「昨日、アレクシオ隊長たちが、ダンジョンの魔物を沢山運んできたでしょう? そのことを聞きつけた商業ギルドの方たちが、昨夜から引っ切り無しに商談を持ち掛けて来るのよ」


「あらま……」


 窓口のねーちゃんが振り向きそう言った。


 やっぱりダンジョン産の魔物を、纏まった量調達できるのなら欲しいんだろうな。

 ってことは、商業ギルドお抱えの錬金術師たちも今頃召集をかけられたりと、大わらわなんだろう。

 今回の件は、通常の冒険者が持ち込むのと違ってアレク……騎士団側の持ち込みだから、大店へ優先させたりとかは出来ない。

 冒険者ギルドは平等に差配するために、昨夜から働きづめと……。

 皆にチャンスがあるのは何よりだが、そのしわ寄せがこっちに来ちゃってるんだな。


 彼女は表側の業務しか関わらないから、商業ギルド関係者の商談申請が多い程度で、そこまで普段と変わりは無いようだが、裏方はそうじゃ無い様で、とにかく大変なんだとか。

 そんなことを話しながら進むことしばし、支部長の部屋に到着した。


 ◇


「支部長、失礼します。セラ副長をお連れしました」


 ドアが開き中に入ると、支部長を始めごついおっさんたちが机に積まれた書類に囲まれていた。

 この部屋入るといつも似たような光景を目にするな。


「おう……どうした?」


 書類の合間から、目の下にクマを作った支部長が顔を見せた。

 ……これは徹夜したのかな?

 見れば他の面々も似たような有様だ。

 後で【祈り】でもかけてやるかな。


「うん。セリア様からの手紙を預かってきたんだ」


 そう言って手紙を手渡すと、受け取った支部長は一瞬顔を歪めた。

 ただでさえ仕事が詰まっているのに、新たな難題か……?

 とでも思ったんだろう。


「……返事は急ぎか?」


「あんまり遅くなったら駄目だろうけれど、別にそんなことは無いよ。詳しいことはソレに書いているけど、領内の女性冒険者の情報を纏めて欲しいんだって」


 昨日の女性冒険者の件で、セリアーナは領内で活動する、女性冒険者のセカンドキャリア的なものについて考えていた。

 結局なんも思いつかなかったんだが。


 男性冒険者の場合は、歳をとって引退したり、別の職種に鞍替えしたりってのもよくあることだし、上手くいくかどうかは別にしても選択肢はたくさんある。

 ただ、女性冒険者の場合は、冒険者の経験を活かせる選択肢ってのがほぼ無い。

 腕っぷしを期待される職業なら、普通に男性冒険者を雇えばいいわけだしな。


 一応、今は領都出身の者だけしか採用していないが、女性兵って進路はある。

 ただ、それもそんなにたくさん枠があるわけじゃ無い。


 単純にダンジョン探索や魔物の討伐を……ってだけなら男性冒険者に任せてしまえばいいんだが、やはり女性冒険者が必要になる場面もある。

 だから、領内に一定数の女性冒険者は確保しておきたいそうだ。

 それこそ女性兵を増やしたらいいんじゃないかって気もするが、何でもかんでも兵を動かすのはよくないしな。

 なかなか難しい問題だ。


 まぁ、1年2年でどうにかする気も無く、もっと長いスパンで取り組む気らしい。

 で、そのためにもまずは、領内の現役や引退した女性冒険者情報を集める事から始めるそうだ。


「そうか……わかった。まあ、数日以内には報告を上げられるだろうから、そう伝えておいてくれ」


 余裕があるとわかって安心したのか、支部長は小さく息を吐くと、手紙を開き読み始めた。


 面倒な作業だけれど、書類関係は充実しているし不可能では無いと思っていた。

 ただ、それでも数日で終わらせられるのか……思っていたよりずっと速いな。


「それじゃ、オレの用はこれで終わりだから、失礼するね。……ほっ!」


 部屋の中に向かって【祈り】を発動した。

 気休め程度の回復にはなるだろう。


「悪いな。……そういやその恰好、今日は潜るのか?」


 それに気付き、手元の手紙から顔を上げた支部長は、ようやく今日の俺の恰好に気づいたようだ。


「うん。10日以上あそこで給仕をやってたからね。流石にもう顔は覚えられただろうって、許可が出たんだ」


 今日の俺の恰好は、厚手のワンピースに、魔王種製のジャケットと帯。

 そして、腰には各種アイテムを詰めたポーチ。

 ソロでの探索とはいえ、ちょっと間が空いていたからな……風と盾があるからそうそう問題無いとはいえ、念の為の本気装備だ。


「そうか……。そろそろ上層を狩場にする連中も増えてきたし、行くんなら中層にしておけ」


 中層……引き狩りが出来るな!


「冒険者たちも元気だね……。りょーかい。受付で手続きしとくよ」


 お使いはこれで完了だ。

 久々のダンジョン……やるぞー!

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] お、いよいよ出陣か!
[一言] 女性冒険者も大変よな、セリアーナ動きます。ただし結果は数年後。 それはさておき久々の狩りだぜヒャッハー!
[一言] なんかトラブルあるとしても予想の斜め上なトラブルで どう裁くか難しくなる事が起こるのを期待してしまう
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