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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!
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「ただーいまっ……と。誰もおらんね……」


 セリアーナとの空のお散歩を終えて、つい先程屋敷に戻ってきたのだが、セリアーナはリーゼルに帰還を伝えに向かった。

 そして、彼女に【小玉】を渡して、俺はそのまま部屋に戻る事にした。

【風の衣】は雨を全部弾いていたし、濡れたりはしていないが、まぁ……この大雨の中を出ていたわけだしな。

 何となく着替えたいんだ。


 そういう訳で部屋に戻ってきたのだが、子供も乳母の姿もそこには無し。


「……奥でシャワーでも浴びようかな」


 着替えだけにしようかとも思ったが、これなら【隠れ家】の風呂を利用してもいいかもな。

 そう考え、部屋の中を奥に向かって進み、寝室のドアを開けた。

 こっちも同じく誰もいない。

 無人の部屋をさらに進みベッド脇の壁に手をついて……。


「ほっ!」


【隠れ家】を発動して、ドアの中に入り込んだ。


【隠れ家】の玄関からまず目に入るのは、リビングに繋がる廊下の両端に新たに置かれた背の低い棚だ。

 俺が注文した物ではなくて、ジグハルトが以前工房に行った際についでに注文を出していたらしい。

 飾るための物ではなくて、とにかく色んなものを収納できる実用性重視の棚だが、今はまだ何も入れていない。


「……むぅ。また片付けないとな」


 玄関のすぐ側だし、素材をドンドン放り込んでいくのもいいかもな……。

 そうしたら【隠れ家】全体がスッキリするだろう。

 リビングには結構色んなものを積んでしまってるもんな。


「まぁ……それはまた考えるとして、お風呂お風呂……」


 俺1人でやるのは大変だし、アレクとかジグハルトが暇な時にお願いしよう。

 今は、風呂だ風呂。


 ◇


 シャワーを浴びて温まり、洗濯機に突っ込んでいた服も洗い終わり、ついでに干し終えもした。

 時間にして20分ほどだろうか?

 屋敷に戻ってから、そこそこ時間が経っているのだが……モニターを見るが、セリアーナは部屋にまだ戻って来ていない。

 リーゼルとの話が長引いているのかもしれないが、そんなに話す様な事ってあったかな……?


 シャワーを浴びている間に戻ってきたってのも無いとは言えないが……モニターから見えるのは寝室だけだが、セリアーナなら部屋に俺の姿が無くても【隠れ家】内にいるって事はわかるだろうし、呼びかけくらいはあるはずだ。

 外からの呼びかけは【隠れ家】全体に響くから、シャワーを浴びていても気付くし、聞き逃しってことは無い。

 見た感じ、まだ部屋には誰もいないし、今のうちにそっちに戻っておこうとは思うが……。


「ぬーん……髪どうしよう。このままでいいかな?」


 唸りながら、タオルを巻いたままの頭に手を当てた。

 大分乾いて来てはいるが……まだ湿ってるんだよな。

 とりあえず、頭はこのままで行くとして、服はどうしようか。

 未だ素っ裸。

【隠れ家】内は丁度良い温度になっているが、流石にこのままってのもよろしくない。


「服……はっと」


 リビングから寝室に移って、そちらに置いてある服が入った棚の引き出しに手をかけた。

 開けると、何着もの服が収納されている。

 俺の着替えはセリアーナの寝室にも置いているが、こっちにも置いているんだ。

 たまにテレサが入れ替えている。


「これでいっか」


 その中から選んだのは、青いワンピースタイプのルームウェアだ。

 腰のところに帯が付いているだけで、飾りっ気の無い地味なデザイン。

 俺が着るならこれくらいで良いんだよな……。

 そんな事を考えながら取り出して、頭から一気に被った。


 さてと……着替えも済んだし、何か一杯飲んだら外に出るかな。


 ◇


【隠れ家】からセリアーナの執務室に場所を移して、相変わらず頭にタオルを巻いたまま、俺は適当な本を読み始めた。

 それから30分ほど経った頃、部屋のドアが開けられた。

 ノックは無し……セリアーナだ。


「お帰りー……おや?」


 顔を上げて入口の方を見ると、外に出ていた時の乗馬スタイルから、俺と同じくラフなワンピースに恰好が変わっていた。

 変わったのは服だけじゃなくて、髪も下ろしている。

 俺の前までやって来ると【小玉】から降りて、彼女のいつもの席に座った。


「セリア様もお風呂入ってたの?」


「ええ。リーゼルのもとに行く前に用意させておいたのよ」


 どうやら、セリアーナが利用したのはこの部屋のじゃなくて、南館の来客用の方らしい。

 向こうの方が設備は整っているもんな。

 こっちの使用人の大半は休みだし、本館の使用人に頼んだんだろう。


「髪は?」


 タオルを巻いたままなのが気になったのか、こちらを見てそう言ってきた。


「うん。もう乾いてるよ」


 タオルを外して髪に触れるが、しっかりと乾いている。

 時間が経ったからってのもあるが、外は雨なのに、この部屋ちょっと乾燥しているのかもしれないな。


「そう……。後でテレサがお茶の用意に来るから、その時に渡しておきなさい」


「ほい」


 俺たちは休暇中なのに、テレサは変わらずお仕事か。

 まぁ、テレサは仕事が趣味みたいなところがあるからな……。

 夜に肩でも揉んだげようかな。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラさんの力だと揉んでも対して効かなさそう(加護上乗せの場合はこの限りではない) 最近セラさんの義理の甥っ子姪っ子(予定)が出てこないなぁ
[一言] こんな雑な洗いかたでも、ミラのお陰で常につやつや… そろそろ髪を武器にしてもいい頃ですね
[良い点] 毎日の更新で癒されること。 [気になる点] そろそろ2巻が欲しいですね。 [一言] >>後でテレサがお茶の用意に来るから、その時に渡しておきなさい 何を渡すんでしょ。
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