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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!

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541 セリアーナ side その1

 領主によるダンジョン初探索が無事終わり、その一行が帰還した日の午後。

 昼食を済ませていつものように過ごしていると、リーゼルの使いから、関係者を連れて第3会議室に来て欲しいと伝えられた。

 特に人員や議題を提示しないあたりが、実に彼らしい。


「あら……? 待たせたみたいね」


 エレナ達4人を引き連れて中に入ると、そこには既に男性陣が集合していた。

 リーゼル、オーギュスト、アレク、ジグハルト、ルバン、リック、そしてユーゼフとその副官に冒険者ギルドの支部長……恐らく話されるであろうことを考えたら妥当なところか。


「いや、構わないよ。セラ君はいないようだが……お昼寝中かな?」


 私達の中にセラがいない事を確認したリーゼルが、からかい交じりにそう口にしたが……。


「よくわかったわね。朝早かったから、昼食をとったら寝たわ。構わないでしょう?」


 リーゼルにそう答えると、一瞬虚を突かれたような顔をした。

 どうやら冗談のつもりだったらしい。

 起こして来ても良かったが、そうなると夜にまた集まる事になるかもしれない。

 あの娘がいないだけで、どうせ同じ顔触れで集まるのだし、それなら一度で済ませた方が良い。


「……それもそうか。わかったよ、さあ君達もかけてくれ。話を始めよう」


 ◇


 リーゼルの言葉を合図に会議が始まった。

 この集まりは、議事録を取ったりするわけでも無く銘々が自由に発言できる。

 もっとも、慣れていない様でリックと支部長は口を閉ざしたままだ。

 折角リーゼルに己の存在をアピールできる場なのに……だらしのない。


 まあ、その2人の事はどうでもいい。

 それよりも、ダンジョンについてだ。

 私はまだ踏み入ったことは無いが、エレナやテレサから聞いた限りでは、浅瀬が一番厄介らしい。

 森を模したエリアで、魔物の強さよりもとにかく環境に適応できるかどうかが重要だ。

 他所の冒険者ならいざ知らず、リアーナやゼルキスの冒険者なら、魔境での戦闘経験も豊富で対応自体はそこまで難しく無いと思っている。


 これは私だけでは無くて、リアーナ首脳陣の総意で、今回の探索でユーゼフたち中央側も見解は一致した。

 これで、国中の冒険者ギルドに正式にその情報が通達されることになるだろう。


 ユーゼフたち隊長格は、自分達が運んでいた物が聖貨では無い事に気付いていた。

 流石にセラには辿り着いていないが、お父様と同じで水路を用いたとでも考えているのだろう。

 浅瀬だけではなく、ある程度先まで調査を済ませた上でのことと受け止めたようだ。

 余計なことを聞こうとしないし、話が早いのは何よりだ。


 さて、これで本来この時間で話すべきことは終わった。

 だが、ここからが本題のはずだ。


「リーゼル」


 と、彼の名を呼ぶと、返事の代わりに肩を竦めて苦笑を浮かべている。


「ユーゼフ。中央は大陸西部の情勢をどう見ているんだい?」


「はっ。来年の侵攻はまず間違いないかと思われます。時期は恐らく、秋の雨季前……ちょうど1年後と言ったところでしょうか。ある意味想定通りではありますが……ただ、明らかに動く数が少なく、西部の2大勢力は絡んでいない様ですな」


 ユーゼフの情報を聞き、リーゼルは満足そうに頷いている。


 西部の2大勢力……帝国と連合国のことだ。

 その2つが絡まないという事は、やはりこちらの読み通り精々3~4ヵ国といったところか。

 そもそもの人口が違う上に傭兵なども動員してくるから、恐らく兵数はこちらの倍以上になるだろうが……大した問題では無いはずだ。

 近代以降、政治的決着でこそ後れを取る事はあっても、実際の戦闘では常に圧倒してきた。

 にもかかわらず、未だにこの様に無駄に命を捨てにかかって来るとは……。


 西部にとって戦争とは、領土の奪い合いであって、領土を奪われさえしなければ少なくとも負けにはならない。

 一方私達大森林同盟は、そもそも西部を相手にしていない。

 絡んでくる鬱陶しい輩を追っ払う程度の事だ。

 西部の土地など不要で、賠償は聖貨や財貨にしていた。


 だからこそ西部各国は、これまでたとえ実際には負け同然でも、自国民に負けはしなかったと喧伝していた。

 そして、周囲の国にもそのように……その繰り返しだ。

 流石に主要国の首脳陣はその戦力差に気付いて来て、非加盟国に領土戦争を仕掛ける事はあっても、大森林同盟にはせいぜい国境周辺での小競り合い程度に止めていた。


 例外は、新しいダンジョンが出来た時。

 ダンジョンの出来た領地と国境の両方で事を起こせば、兵力を分散する事が出来て、勝機が生まれたり少なくともその国を一時的にだが混乱させる事は出来る。

 そうする事で介入の目が生まれるわけだが……今回リアーナはその目を潰している。

 だからこそ、2大勢力は今回大人しくしているのだろう。


 こちらが逃がさないようにしているからというのもあるが、未だリアーナに残っている連中もいるし、気を抜く事は出来ないが、リアーナから主力が移動しても、残った戦力だけで十分に凌げる。

 そういう意味では、まだ始まってもいないのに、既に今回の戦争はこちらが勝ちを収めている。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] ユーゼフたち隊長格は、自分達が運んでいた物が聖貨では無い事に気付いていた。  流石にセラには辿り着いていないが、お父様と同じで水路を用いたとでも考えているのだろう。 >>>救護院で拾った…
[気になる点] 前回の感想と同じ話題で失礼します。 >>エレナ達4人を引き連れて中に入ると、そこには既に男性陣が集合していた。 「エレナ達4人を引き連れて」の部分を「エレナ達3人とキーラを引き連れ…
[一言] 大体セラさんのおかげ( ˘ω˘ )
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