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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
3章・王都で聖貨をザックザク!
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「どーーん‼」


不意打ちなのに何叫んでんだ?と我ながら思うが、発動に失敗したらただの体当たりだ。

この速度じゃ俺が死ぬ。

声に気づいたのかボスがこちらに顔を向けたが、もう遅い。

ついでにアレク達もこっちを向いている気がするが、気にしない!

側面から一気に高速で突っ込む。

盾が正面に見える。

いいコースだ!


「ぐぇっ⁉」


ガァンッ‼と大きな音と、【緋蜂の針】越しに強い衝撃が来た。

足首ぐねった…痛い!

だが狙い通り盾に直撃し、大きく体勢を崩すことが出来た。

立て直される前に一発いけるな?


「ふっ!」


【影の剣】を伸ばし真横に高速一回転。

爪に抵抗は感じないが、何かを切った感触があった。

確認してもいいが、更にもう一発いける!


「せいっ‼」


今度は横ではなく縦に一回転。

べしゃっ!と血に濡れたエプロンが顔に張り付くが気にしない。

これまた何かを切った感触があった。

ちょっと目が回ってきたがもう一発いけるか?


「はっ‼」


回転したときにちらっと眼に入った大きい塊目がけて【影の剣】を突き刺す。

丁度正面に地面が見えた。

一連の動きで体の向きが水平になっていたようだ。

爪を刺した状態で【浮き玉】で一気に上昇する。

その際に大きく縦に切り裂いたのはおまけにしては上出来だ。


天井近くまで高度を上げたところで一息つく。


今まで大抵の敵は大体一発で倒してきたから、数秒とは言え接近して同じ相手に何度も攻撃するのは、初めてだ。

疲れた…。

あれだけ崩したし今頃皆がボコスカやってくれているは……やってないね。

何でこっち見てるの?

完全に背中を向けて、ついでに俺に向かい手を振っている。


……倒したのかな?

聖貨ゲットしてないんだけど…。

実は死んだふりでそこから起き上がって大暴れとか無い?

無いのか。


いや、そりゃゲームじゃないしボスだからってドロップアイテムをゲットできるわけじゃ無いんだろうけど……マジで?

ガッカリだよ…。

気が抜けたけど合流しよう。


「おつかれ~…」


「助かったぞ。決めに行ったところを潰されてヤバかったんだ……大丈夫か?随分ボロボロだが?」


近づいていくとアレクが話しかけてきた。

ミーアが下がっていたのは何かを失敗したからだったのか。

それなら様子見せず一気に突っ込んだのは正解だったのかもしれない。


「あ~…だいじょぶ」


何か頭がぼーっとするんだよな。

さっきまでの戦闘でアドレナリンが出てたのかも。

その反動かな?


「そ…そうか?後ろで戦っている気配はあったが、お前の方はどうだった?」


「オオカミとかイノシシとかいろいろ…」


「おっ…おい」


「ん~…だいじょ…ぶ」


何かクラクラと…。



舌足らずでフラフラと、まるで酒に酔ったような感じのセラだったが、【浮き玉】に乗ったまま地面に落下し倒れこんだ。

返り血で顔色がわからなかったが、やはり傷でも受けていたのだろうか?

慌てて駆け寄り様子を見るが、パッと見外傷は無いし、呼吸も問題無さそうだ。


「おいっ!セラっ?」


軽く頬を叩いて呼びかけるが応えない。


「アレクシオ、代わって!」


後ろにいたキーラがやって来たので、場所を譲る。

俺も多少の心得はあるが、彼女は専門家だ。

任せよう。


数分程呼吸や体をあちこち診ていたが、何かわかったのだろうか、手を止め顔を上げた。


「右足の骨が折れているけれど怪我はそれだけね。眠っているだけよ。きっと疲労だわ」


…?


「急に気を失ったように見えたが…違うのか?」


話している途中で倒れたんだが…。


「子供はそんなものよ。きっと魔人を倒したことで緊張の糸が切れたのね。無理をさせてしまったわ…」


そう言いながら足の治療を始めている。

あの最初の一撃が原因だろう。

とは言え。


「まあ、命に別状が無いんならそれでいいか…」


お嬢様やエレナから説教は食らうかもしれないな。

セラ・【隠れ家】【祈り】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】・8枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・13枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【】・【赤の盾】・1枚

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