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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!
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 今日はキーラを部屋に招いてお茶会をすることになった。

 と言ってもそんな大したことでは無く、リーゼルとルバンが会談をしている間の時間潰しってだけだ。


 リーゼルも、どうせならルバンという折角強いにーちゃんがいるんだ。

 一緒にダンジョンに潜るんだし、訓練も一緒にしたらいいのにと思うが、色々複雑らしい。


 ルバンはセリアーナ側の人間と周囲に思われている。

 アレクがスカウトしたし、リアーナにやって来た経緯を考えるとそれ自体は間違っちゃいないが……どこにでもある話だが、例によって派閥問題が絡んで来る。

 ちなみに、騎士団の1番隊と街の商業ギルドを擁するのがリーゼル派閥で、2番隊と冒険者ギルドを擁するのがセリアーナ派閥だ。

 さらに、住民もミュラー家のお姫様って背景を持つセリアーナへの好感度は高い。


 そしてなにより、資産や領地の運営権ならリーゼル派閥がほぼ全てを持っているが、如何せんセリアーナ派閥は単純に武力が抜きんでている。

 アレクにエレナ、ルバンたちに、ジグハルトにフィオーラ、そして魔境での活動が中心のベテラン冒険者たち……。

 リーゼル派閥で対抗できそうなのは、リーゼルとオーギュストだけだ。

 リックは戦っているところを見た事が無いから知らん。


 その彼等が訓練所でとは言え、剣を交えるのは好ましくないそうだ。

 本人達はそんなの気にしないし、誰が気にするのかはわからないが、気にする人は気にする。

 ……面倒な事だ。

 面倒な事だが、それでも気を付けるにこしたことは無いって事で、とりあえず会談だけにしておこうってなったらしい。


 仮に一緒に訓練をしたって、その事を不用意に外部に漏らす様なものはいないと思いたいが、断片的にでも外に漏れて、それがさらに伝言ゲームの様に変に脚色されたり曲解されて広がっていく可能性を考えると、しゃーないんだろうね。

 俺くらいあっちもこっちもと付き合いがあると、逆に問題は無いそうだが……いるかどうかもわからない存在に気を付けないといけないなんて、大変だよね……。


 ◇


「素敵なお部屋ですね」


 壁に飾られたあれやこれやを見ていたキーラは、割とお世辞抜きな様子でそう言った。

 ちなみにセリアーナは苦笑を浮かべている。

 俺の物だらけだもんな。


 あの後さらに、リアーナの風景画とかも揃えて一緒に飾ったりもしている。

 大きな物は無いが、絵を中心としたちょっとしたギャラリーの様だ。

 特別狙ったわけじゃ無いが、モチーフも作者も自領の物が大半で、リアーナの領主夫人の部屋としてはコンセプトも悪く無いと思う。


 それを理解しての言葉なんだろう。


「そこの物の大半はセラの私物よ」


「あら? そうなのですか? あまりセラ嬢らしくない物が多い気もしますが……」


 俺らしい物ってなんだろう……?

 そう思い首を傾げていると、背後の出来事なのに気配が伝わったらしい。


「ヌイグルミとかですよ」


 伝わりはしたようだが、答えはちょっとよくわからないものだった。

 ヌイグルミってなんだ?

 俺は別にそんなもの集めたことは無いけれど……。

 どこ情報の誰情報?


 セリアーナも想定外だったのか、一瞬答えに詰まっている。

 ビックリだよな。


「その娘は、ヌイグルミを集めていたりはしないわよ……?」


「そうなのですか!? セラ嬢は可愛らしい物が好きだと噂されていますが……」


 驚いた様な声を上げているが……俺の方が驚いたわ。


「ねぇ」


 今まで話に加わらず、せっせとキーラの髪を梳かしていたが、彼女の背中からヒョコっと顔を出して、俺も加わる。


「なんでそんなことになってんの?」


「……なんでかしらね? お前が持っている物なんて、大きなヘビのヌイグルミくらいでしょう? いつも寝る時に枕代わりにしているけれど……」


「うん……抱き枕」


 昔貰ったヘビのデカいヌイグルミだが、サイズが丁度良くて寝る時によく一緒にベッドに乗っけているが、俺とヌイグルミの接点なんてそれくらいだぞ?

 確かにヌイグルミを始め、他にも色々貰ったりするが……それらは全部、屋敷で働く子持ちの者に譲っている。

 俺が可愛い物好きって話には繋がらないと思うんだよな。


「……私が姫用に化粧品を注文したりしているからでしょうか?」


 しばし皆で「?」となっていたが、ふと思いついたようにテレサが呟いた。

 それが切っ掛けになったのか、セリアーナとエレナもどうやら心当たりがあったらしく、アレコレと話し始めた。

 俺が身に着ける物は、甚平を除いて基本的にセリアーナ達に任せている。

 そして、用意された物に文句を言う事は無い。


 その結果、少女趣味とまではいわないが、少々可愛らしい物が多く揃えられている。

 彼女達3人だけじゃなくて、ゼルキスのミネアさんや王都のオリアナさんも似たような事をしていた。


 過去に、ヌイグルミを受け取ったことがあり、私物は可愛らしい物が多い。

 ……その積み重ねか。

 同時に判明したのが、この屋敷には俺が存在を把握していない俺用の服や小物がまだまだ保管されているって事だ。

 どこにあるんだろう?


「……エリーシャ様もお前用に揃えているかもしれないわね」


 由々しき事態だ。


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] こうして改めて振り返ってみると、セラって愛され系主人公というか多くの人から愛されているのですよね。 でもそんなに愛されているのが目につかないのは、セラ自身もどんどん戦ったり働いたり出向させら…
[一言] セリアさん派閥の一番の強みは武力ではなく万能なセラさんだと思う。
[良い点] 知らないところで私物が増えてるとか、セラ的には完全に宇宙猫事案よな……w
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