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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!

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「ぬっふっふ~」


「随分ご機嫌ね」


 鼻歌を口ずさみながら、セリアーナの部屋の窓辺にふよふよ風船のように漂う俺。

 その俺を見て、やや呆れたような口調でセリアーナが口を開いた。


「まーねー」


 それに窓の外を見たまま答えた。


 注文していた棚や魔物の彫刻が、今日いよいよ届くのだ。


 昨日商業ギルドからリーゼル宛にその報せが届いた。

 何だかんだで結局2ヶ月くらいかかったもんな……待ち遠しかったぜ。

 置き場所に関しても、最初は【隠れ家】にでも飾っておこうかと思ったが、セリアーナがこの部屋を使って良いって言ってくれたしな。


 セリアーナの部屋は寝室と併せて一応2部屋という形式になっているが、L字型の2LDKに近い構造だ。

 風呂トイレそしてキッチン付き。

 広いし、物を置くスペースはたっぷりある。


 思うに、もっとたくさんの侍女や使用人を控えさせることが前提なんだろうが……俺にエレナにテレサの3人と、たまにフィオーラだけだ。

 一時は乳母と子供達もこの部屋にいたが、今では隣の子供部屋に移っている。


 それに加えて、セリアーナはあまり物を置かないからな……。

 肖像画やミラの絵に、この街や周囲を記した大きな地図……後は俺が貰ったり買い集めた絵だったり、魔物の爪や牙だったりは飾っているが、まだまだスペースは余っている。

 このまま俺の物をどんどん増やしていこうかな?


 そのまま外を見続けていると、チラっと何かが近付いているのがわかった。


「あ! 来たかも」


 屋敷に繋がる坂を馬車がガタゴトと上って来ている。

 後ろに荷台が繋がっているし、何かデカい物を運んでいることに間違いない。

 この部屋は端にあるから、ハッキリは見えないんだよな……。


「到着したらちゃんと呼びに来るのだし、落ち着きなさい……」


 呆れ交じりなセリアーナ。


 セレブなねーちゃんには俺の興奮が理解出来ないようだ。

 今までも色々オーダーメイドしてきたけれど、今回は棚だ。

 金額だけなら傘の方が上だが、前世でだって家具をオーダーした事は無かったもんな。

 この一点に関しては、前世を超えたな……!


 ◇


 程なくして部屋に、荷物が届いたと報せが来た。

 予定では、本館の玄関ホール正面の階段を上がって、2階まで運んでもらい、そこからは南館のメイドさん達に部屋まで運んでもらうつもりだった。

 中身は入っていないし【祈り】を発動したら、女性だけでも十分運べるはずなんだ。

 報酬は、既に前払いで【ミラの祝福】を行っているしな。


 ところが、呼ばれた先はリーゼルの執務室。

 なんでじゃ?


 1階に降りると、なにやら所在無さげに棚の前で突っ立っている商業ギルドか工房の者たちがいるが、その彼等を横目に通り過ぎて、執務室の前に到着した。

 そういえば棚しかなかったけれど、置物はどうしたんだろう?

 まだ外なのかな?


「入りまーす」


 そして、いつも通り一声かけてから中に入ったのだが……。


「あれ?」


 部屋の中ではいつもの面々が真面目にお仕事をしているわけだが……いつもとは違う者の姿もそこにはあった。


 まずは屋敷の中の警備を担当している兵士達。

 彼等は外の廊下を通る事はあるが、この部屋に入って来ることは無い。


 そして、小ざっぱりした服を着ているおっさん達。

 1人は知っている。

 俺が注文を出した工房の職人で、名前は確か……ダンだったかな?

 彼がいるのは俺から直接注文を受けたからだしおかしくは無いが……他のおっさんたちは一体なんなんだろう。

 足元に大きな木箱がいくつか置いてあるし、それに俺が注文した物が入っているんだろうけれど……3人とも妙に恐縮しきっている。

 領主の前にいるからってのもあるかもしれないけれど、はてさて?


 と、訝しげな顔をしていると、こちらを見ているリーゼルと目が合った。


「彼等は商業ギルドの職人頭と工房の親方だよ。アレの制作者だね」


 そう言うと、壁側の棚に飾られたデカい彫刻を指した。

 クマと巨獣リアーナ……俺が記念祭でお土産に買って来た物だな。


 なるほどこの2人が、腕はいいけれどちょっと商売勘が残念な偉い人か。


「どもども」


 紹介を受けて頭を下げた2人に、俺も同じく挨拶する。


「ソレはオレが注文した物だよね? わざわざここに持って来たってことは何かあったの?」


「ああ、問題という訳じゃ無いよ。ただ、セリアの部屋に置くんだろう? 一応こちらで中身の確認をしてからと思ってね。それで、持ち主の君にも立ち会ってもらおうと、呼んだんだよ」


「ははぁ……」


 まぁ、確かにちょっとした小物でもドカンといくような物もあるだろうしな。

 3人が青い顔をしているのも、俺に渡して終わりって思っていたら、領主の前に連れて来られるわ兵士に囲まれるわ……そりゃ驚くわ。


「んじゃ、さっさと済ませちゃおう。箱はオレが開けてもいい?」


 別に封を開けたら価値が落ちるってわけじゃ無いし、皆の前で確認すること自体は問題無い。

 だが、折角注文出して作って貰ったんだし、まずは俺が最初に中を見たい。


「ああ。構わないよ」


 リーゼルは笑ってそう言うと、兵に木箱の釘を抜くよう指示を出した。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 通販なんかで恒例の開封の議( ˘ω˘ )
[一言] >このまま俺の物をどんどん増やしていこうかな? 半同棲のカップルみたいw 別れる時、私物を回収もしくは捨ててもらわないといけないヤツな まぁセラちゃん達は別れる事はないだろうけど
[良い点] 王子な領主相手にこの態度。 職人さん達のセラさんを見る目が変わっていくのが分かりますね。 そして、彼らが青い顔してるのはセラさんのフリーダムさのせいでもあるって気付いてあげて! [一言] …
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